A4_相続税・贈与税

遺言書とエンディングノート

2012年2月20日 11:34

遺言書とエンディングノート

 

遺言書ブームに火が着いたのは2009年のことですが、それに追随するようにエンディングノートの人気がじわじわと上がっています。

201110月より公開された映画『エンディングノート』は、当初は重いテーマだと上映館数も多くありませんでしたが、口コミで広がり11月には観客数5万人を超え、現在もなお全国の映画館で上映されています。

遺言書とエンディングノートの違い

 

 遺言書とエンディングノートの一番の違いは、法律的な拘束力(法的拘束力)を持つか、持たないかという点です。

 

法的拘束力がないため、書き方に制限がなく自由に書くことができます。これに対し、遺言書は法的拘束力を持つ文章ですが、そのため書き方や記載できる事項は民法により厳格に定められています。

 

変化する葬送事情

 

 日本では、高度経済成長を背景に核家族化が進行しましたが、これは葬送にも大きな変化をもたらしました。これまではほとんどの方が「自宅外」ではなく「自宅」でお亡くなりになっていたのに対し、1976年を交点にその数は逆転、現代では85%以上の方が病院や施設などの「自宅外」で亡くなっています。

 

その結果、病院等から搬送をきっかけに葬儀社が自動的に決定してしまうことが多く、その場対応での葬儀社選択によるトラブルも増加しています。

 

遺言書だけでは足りない?

 

 遺言書には、葬儀の方法についても記載することはできますが、これらの事柄について法的拘束力は発生しません。また、法的拘束力がある遺言事項としては、遺贈や遺産分割の禁止などが挙げられ、財産分与に関する事項が強調される傾向があります。

 

一方、市販されているエンディングノートの内容を見てみると、財産に関する事項に加え、葬儀方法では葬儀社はどこに依頼するか、遺影写真はどれを使いたいか、葬儀には誰を呼びたいかなど、法的拘束力こそありませんが、本人の想いを事細かに記載できるようになっており、より明確に葬送に関する意志を伝えることができます。

 

そのほか、メールやネットサービスのアカウント等電子情報に関する事項についても記載することができ、現代の日常生活に不可欠な情報でありながら、一般的に遺言書にはあまり記載しない内容についても手軽に残すことができるようになっており、遺言書だけでは補いきれない部分について活用する例が多いようです。