A1_法人税

同族会社規定を非同族会社にも適用

昭和401215日の東京地裁判決は、法人税の負担の不当減少と認められるか否かは、「当該行為計算が経済人の行為として不合理、不自然のものと認められるかどうかを基準としてこれを判定すべきものであり、同族会社であるからといって、この基準を越えて広く否認が許されると解すべきでないと同時に、非同族会社についても、右基準に該当するかぎり否認が許されるものと解すべきである」、としています。


その後、類似の判決はあったようですが、当時は、同族会社行為計算否認規定は創設規定ではなく確認規定と解する考え方があったため、非同族会社に対しても、このような文理無視解釈の判決が行われました。


今では、組織再編や連結納税での行為計算否認規定が創設されているので、確認規定説を唱え得る環境ではなくなっています。


行為計算否認の先に逋脱がある

昭和33年5月29日の最高裁判決に係わる争訟は、地裁・高裁・最高裁のすべてで納税者勝訴だったものですが、その最高裁に芝税務署長が提出した上告理由書は、次のように述べています。


・・・・同族会社の行為計算否認の規定は、否認される行為計算が合理的であるか否かに関するのではなく、徴税官庁の関心の対象となるのは、逋脱があるか否かの点であって、会社の行為計算自体が果して経済的に見て合理的であるかどうかは、徴税官庁の干渉すべき限りでない。・・・・


戦後初期の時代を反映してか、行為計算否認の対象は逋脱の有無としており、適法で税法違反がなくても、刑事法規・偽り不正条規に触れるとの認識が表現されています。最近露骨にいう人はいませんが。


今でも言っている人はいます

上記の上告理由書は、昭和25年の法人税法改正で、行為計算否認規定の文言が変わり「逋脱」の文言が消えたけれど、改正前後の主旨目的は同じといい、税務大学校の論文集「税大論叢」などを見ていると今でも、「同族会社の行為計算の否認規定を適用した場合に逋脱犯の成立を一切否定するのであれば疑問である」と言っている人がいます。


逋脱や偽り不正行為は、共謀罪に直結する概念なので、適法行為計算との回路があるのは、怖いことです。

届出額と支給額が違えば原則損金不算入

 事前確定届出給与について「届出額と実際の支給額が違ったらどうなのか?」という質問をよく受けます。結論からいうと、届出どおりの支給が行われなければ、基本的には支給額の全額が損金不算入となります(未払計上は原則認められません)。


一職務執行期間中複数回支払いがある場合

 一職務執行期間中に複数回の支払いがあるときは、少し取扱いが複雑になります。


 次の設例で考えてみましょう。

(例)当社(3月末決算)が定時株主総会(H29.5.26)にH29.12.25及びH30.5.20200万円ずつ支給する旨を決議し、事前確定届出給与届出書を提出している

 

ここで3つの支給パターンを検討します。

 

12月給与

H30.3決算)

5月給与

H31.3決算)

100万円支給×

200万円支給×

200万円支給〇

400万円支給×

200万円支給〇

支給なし(―)

(〇...損金算入・×...損金不算入)

届出どおりの支給が行われているかの判定は、一職務執行期間(H29.5.26から1年)に支給が複数回にわたる場合には、「職務執行期間の全期間」を一単位として行います。


(イの場合)12月分が届出どおりに支給されなければ、職務執行期間のすべてが定めどおりに行われないことが確定するため、支給のすべてが損金不算入となります。


(ロの場合)12月分を届出どおり支給していれば、H30.3月決算時点では、損金不算入とする理由がありません。そのため、200万円を損金算入する申告が認められます。


その後5月に届出どおりの支給がなければ、前年度12月分も損金不算入となり、本来修正申告が必要となりますが、支給しなかったという事実が前年度の課税所得に影響を与えるのも変な話ですので、5月支給の400万円のみが損金不算入とされます。


(ハの場合)5月分は届け出たものの支給しなかったため、不算入とする金額もありません。申告調整も行わないことになります。


特定の役員だけが届出どおりでない場合 

複数の役員について事前確定届出給与の届出をしている場合に、特定の役員のみ届出通りの支給をしなかったときは、役員全員分の給与が損金不算入の対象とならず、その届出どおりの支給をしなかった役員の給与のみが損金不算入となります。

「事前確定届出給与」とは?

 法人税法では、原則として役員へのボーナスを損金に算入することは認められていません。しかし、事前に税務署のお墨付きをもらい、損金算入が認められるものがあります。これを「事前確定届出給与」といい、具体的には次の①と②に該当するもの(職務執行前に支給時期や支給額が決まっていることが確認できるもの)をいいます。


①定め

その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与

②届出

届出期限までに納税地の所轄税務署長に事前確定届出給与に関する届出をしているもの


事前確定届出給与に関する定め

 この事前確定届出給与の適用を受けたい場合には、①の定めを定時株主総会又は取締役会の議事録に残します(「いつ」「誰に」「いくら」払うという事項の記載が必要)。


【例】議長は、下記の事前確定届出給与を支給したい旨を提案し、その承認を受けた。

支給日:平成〇年〇月〇日

支給対象及び支給額

代表取締役△△   〇〇〇円


届出書の届出期限には要注意!

 次に②の届出を所轄の税務署に提出します。届出期限は次のAとBのうち、いずれか早い日になります。


株主総会等の決議の日から1月を経過する日

会計期間開始日から4月を経過する日

 例えば、3月決算法人(定時株主総会520日)の場合には、Aが619日、Bが731日となり、AとBの早い日である619日までが届出期限となります。


届出は「役員ごと」「職務執行期間ごと」

②の届出には、次の届出書と付表をセットにして提出することになります。


届出書

1

「決議をした日」「決議をした機関」「届出期限となる日」などを記載

付表12

事前確定届出給与等の状況

支給人数分

対象者氏名(役職名)・職務執行期間(総会日~)・事業年度(執行期間開始日の属する会計期間と翌会計期間)など記載

 事前確定届出給与は、役員ごと、職務執行期間(定時総会日~次の総会日)ごとで個別にエントリーする形になります。

役員報酬の支払いにはルールがある

 役員報酬の決め方・支払い方には、一定のルールがあります。簡単にいうと「あらかじめ決定した一定額を毎月支払うこと」。従業員の給与と異なり、役員報酬は原則として一度決めた報酬をその事業年度の間は変えることができません。このルールを守らない場合、法人税の計算上、一定額を損金とすることができません。「定期同額給与」に該当しないこととなるからです。


法人税法の「定期同額給与」とは?

「定期同額給与」とは、「定期」かつ「同額」の給与をいい、損金に算入されます。


定期

支給時期が1月以下の一定の期間ごとであること

同額

 

その事業年度の各支給時期における支給額が同額であること

 ただし、①通常改定(期首から3か月までの改定)、②臨時改定事由(職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更)による改定、③業務悪化改定事由による改定の場合には、支給額の改定が認められています。


不相当に高額な部分も損金不算入

 また、不相当に高額な部分の金額も損金とされません。「いくらから高額か」という判断は難しいところですが、国税庁の「民間給与実態統計調査」に、役員報酬の統計があるので、参考にしても良いでしょう。


企業規模別・役員の平均年間給与(単位:万円)

年分

資本階級別

25年分

26年分

27年分

2,000万円未満

543

529

552

2,000万円以上

752

759

834

5,000万円以上

1,037

1,057

927

1億円以上

1,388

1,325

1,288

全体

662

654

677


なぜ、定期・同額でなければいけないのか

 旧商法下の役員賞与の会計慣行が利益処分であったことから、昔の税法では、役員報酬(定期支給)は損金算入、役員賞与(臨時支給)は損金不算入というルールでした。 

 

現行の会社法では、報酬・賞与と区分せずに、会計基準でも発生時の費用とすることとされています。ただ、役員報酬は法人との委任契約と考えられ、職務開始前に支給額や支給時期を決めずに職務を行うことが考えづらいことや、期末の役員賞与が利益調整や「隠れた配当」として利用される懸念もあることから、税務では旧来の考え方が温存された形になっています。

会社分割を利用して貸付金の整理

 平成29年の税制改正で分割型分割の適格要件が一部緩和されました。その内容はこうです。


単独新設分割型分割にあっては、分割後の株式の保有関係は、分割後にその同一の者と分割承継法人との間にその同一の者による完全支配関係(支配関係含む)が継続することで足り、分割後のその同一の者と分割法人との間の完全支配関係の継続が不要とされました。


そこで、改正後の単独新設分割型分割を利用して創業者の会社貸付金の整理を試みてみます。


同族会社と同一の者

この「同一の者」は、親族が単位となりますので、同族会社の場合、親族で株式を保有している例が殆どだと思われますので、いわゆる、会社と同一の者による完全支配関係が成立します。適格要件は満たします。


例えば、甲社は、創業者60%、配偶者10%、子30%の割合で株式を保有されていたとします。この場合、甲社は、「同一の者」による完全支配の関係にあります。


創業者の貸付金の整理

具体的な手続きはここからです。甲社は、創業者からの借入金6千万円があり、債務超過でその返済も不能の状態にありますが、現在、事業は縮小しながらも継続して営んでいます。


ここで、甲社は分割法人となり、継続している事業を新設分割により乙社分割承継法人に承継させ、その後、甲社を解散・清算することにしますが、改正後は、同一の者と甲社分割法人との完全支配関係の継続が要件とされませんので、適格要件は満たしており、それは可能と考えます。


甲社は清算の段階で、創業者から6千万円相当額の債務免除を受け、その免除益が計上されることになりますが、既に甲社には残余財産がありませんので、原則として、期限切れ欠損金の利用により、甲社に債務免除益による課税は生じません。


 結果として、創業者の会社への貸付金6千万円相当は相続財産から消えます。


但し、創業者の債務免除により当該者から他の株主への「みなし贈与課税」が生ずる余地はあるかもしれません。  

 

なお、この改正は、平成29101以後に行われる分割から適用されます。

移転価格税制の歴史(導入当初~20年)

 日本に移転価格税制が導入されたのは1986年の税制改革においてであり、法人間の国際取引に限定して導入されました。規定が導入された当初は、主に米国法人の日本子会社を狙い撃ちする形で移転価格税制に基づく税務調査が行われました。この背景として、1980年代後半、米国で、税収増のため、外資系企業(特に堅調な日欧の自動車産業)に対する課税の強化が顕著となり、米国に進出したわが国企業の税に対する環境が厳しさを増してきたことがあり、その対抗措置でもありました。


上述の経緯で規定導入当初は日本に進出している外国法人の調査が主流でしたが、導入後20年を経過した頃には、日本法人が海外の製造子会社に提供した技術の対価を適正に収受しているか否かという点に着目した調査が増えてきました。


製品開発費の回収方法の変遷

1980年代後半以降、安い人件費による製造原価の引き下げと、発展途上国の消費増加の期待から来る市場開拓などで、わが国製造業の海外生産移転が進みました。


製品を開発するには膨大な時間と費用(=開発の人件費)が掛かっています。最近であれば、無形資産の評価で開発費を回収するという流れになってきています。しかしながら、2030年前は、単純に製品対価に上乗せして回収するという方法が簡易で便宜的であるとされていました。そのため、東南アジアなどの海外市場で売る製品も、現地生産でありながら、帳簿上はいったん日本の本社で全部買い上げ、それを再度現地生産国周辺で販売するという形を取り、開発費の回収を図っていました。移転価格税制の規定がすでに導入されていたとはいえ、日本法人の国外関連者との取引価格にまでは踏み込まれてはいませんでした。


移転価格税制は国と国との税の分捕り合い

 上述のように、最新論点は、BEPS(税源浸食と利益移転)行動計画8で論議されている無形資産の移転価格についてです。無形資産の開発に係る資金提供に対して期待される利益に関する具体的なガイダンスです。


移転価格税制とは、結局、簡単にいうと売側もしくは買側のどちらの国の利益とすべきかという話となります。各国間でお互いに納得できる移転価格算定方法を取決め、分捕り合いに費やす時間を無駄に使わないようにしようということなのですね。

移転価格税制の価格の決め方

 移転価格税制は、資本関係等がある関連者間の取引価格の操作により、特定の関連者の得るべき所得が他国の関連者に移転することを防止するためのものです。一般的には、売買価格の操作で、より高い税率国の所得をより低い税率国の関連者に移転させることを防ぐものです。


 価格操作されないように、取引価格は、第三者との間であればこの金額になるであろうという金額の「独立企業間価格」でなければならないとされています。


 この独立企業間価格の捉え方は、各国の税制で規定されます。わが国の税法では、①「独立価格比準法」、②「再販売価格基準法」、③「原価基準法」の基本三法と、④取引単位営業利益法、⑤利益分割法の中から最も適切な方法を選定することにより算定するとされています。


移転価格専門チームの特殊性

移転価格の仕事は、相手先国の税制にも精通していなければならないことから、通常、国際会計事務所の独擅場となっています。また、移転価格税制を担当する部署のメンバーは、税務の専門家というよりも、むしろ経済の専門家集団(経済学修士も少なくない)であり、高額利用料のデータベースを駆使して、膨大な英語文書を読みこなす能力(=英語を母国語とするメンバーも多い)が求められます。そのため、税理士法人でありながら、他の部署とは違った特殊な雰囲気があるといいます


移転価格資料は秘密情報の宝庫

 かつて国際会計事務所に務めていた税理士によると、情報の保秘も半端じゃないそうです。


 業務の進捗管理や請求時間の把握には、会社ごとに顧客コードを設定し、業務ごと(=法人税申告、税務コンサルティングなどの内訳別)に関与したメンバーが業務日報に入力して管理するシステムが通常のやり方です。しかしながら、移転価格業務の場合、「プロジェクトイエロー」や「インディゴ」「ターコイズ」などの色の名前でプロジェクト管理し関与者以外はどこの会社のどんな業務が行われているのか社内でもわからないしくみであるようです。また、入退室がセキュリティカードで管理されている執務スペースの中でも鍵のかかった保管庫で機密保持を徹底しているとのことです。


 他社には真似のできない飲料の製造方法や薬の製造方法が移転価格算定の重要要素ですので、最上の保秘が求められるということですね。

役員に対する給与の税法規定

 役員に対する給与の税法規定が大きく変わったのは平成183月でした。それまでは役員賞与が損金不算入(=法人税法で経費とならない)という規定でしたが、平成184月1日以降開始する事業年度からは「定期同額給与」、「事前確定届出給与」、「利益連動給与(H290401から業績連動給与)」だけが損金(=法人税法の経費)になるという規定に変わりました。「これは税務上の経費とならない」という決め方から、「これだけが経費となる」と180度変わりました。


 この改正の趣旨は、会社の利益の増減を役員報酬の改定で利益調整できないようにするということでした。


外資系日本子会社社長は一従業員!である


外資系日本子会社の場合、一般的に、海外の親会社が100%株主であり、子会社役員は株式の保有がありません。そのため、取締役の報酬を決議する株主総会での議決権を持ちません。つまり、自分の役員報酬を自分で決めることはできません。また社員も含め年俸制が多く、日本の企業のような盆・暮れの賞与という慣習はほとんどありません。一方で、「個人の成績で決定される」インセンティブボーナスという制度を持つ会社は少なくありません。

 インセンティブボーナスは、一見「利益連動給与」に類似するものにも思われがちですが、親会社100%株主の同族会社には適用されません。また、「事前確定届出給与」も他の社員に対して定期的に賞与を支給している常態になければ適用が困難です。


 このように社長へは賞与(=インセンティブボーナス)を会社の損金として支払うことはできないのですが、海外の親会社(特に米国)は、「頑張った分をボーナスとして払えないのは納得できない!」として、日本の税法規定を理解してもらえません。


インセンティブボーナス支払のウルトラC

 これまでは、ボーナス分は翌年の役員報酬に反映させて、12か月で「定期同額給与」として支払うしか方法がありませんでした。


 ところが、平成27316日民商第29号通知(法務省)【代表取締役が日本に住所を有しない場合の申請に関する通知】により、取締役を国外親会社の役員だけで構成させることで、日本子会社社員にインセンティブボーナスを払える環境となりました。


 これはウルトラCともいえる方法ですが、子会社に日本在住の役員がいないという事態はビジネス上大きなマイナス要因ともなりかねません。親会社の経営判断ですが、慎重な検討が必要です。

読者を誤解に導く記事の定型文

 新聞紙上を賑わせる「〇〇国税局は、△△会社の税務調査で、国内で計上すべき所得を海外子会社へ移転したとして、移転価格税制に基づき20××年×月期までの×年間に計約□□億円の申告漏れを指摘していたことが分かった」といった報道は、読者に△△が脱税会社という印象を与える典型的なミスリーディング記事です。理由は、この時点の事実として、脱税というよりも、税務調査での当局の見解が、課税の元となる所得(=儲け)がどちらの国に属するかにつき会社側と相違しているだけだからです。すなわち、△△社は、利益は海外子会社のものと認識し、一方の国税は日本の親会社のものとして、認識が違うだけなのです。


移転価格税制とは

 企業が海外の関連企業との取引価格(移転価格)を通常の価格と異なる金額に設定すれば、一方の利益を他方に移転することが可能となります。

移転価格税制は、このような海外の関連企業との間の取引を通じた所得の海外移転を防止するため、海外の関連企業との取引が、通常の取引価格(独立企業間価格=第三者取引価格)で行われたものとみなして所得を計算し、課税する制度です。


わが国の独立企業間価格の算定方法は、OECD移転価格ガイドラインにおいて際的に認められたいくつかの方法に沿ったものとなっています。

納税者と国税が対立した時は、異議申立による再調査→審査請求(もしくは直接審査請求)→裁判と進んでゆきます。または他国との相互協議を経る場合もあります。


武田薬品工業へ大阪国税局の再挑戦

 2017721日の日本経済新聞の朝刊で、大阪国税局が武田薬品工業に5年間で約71億円の申告漏れを指摘したという報道がされました。過去2006年に同じような申告漏れが指摘されましたが、結局、この課税漏れは取り消されています。


 移転価格の算定方法も、2011(平成23)に、ベストメソッドルール(=その会社にとって最適な方法で価格を算定すること)に変わっています。その影響か、それ以外の要因もあったのかは不明ですが、大阪国税局は再挑戦してきました。


 移転価格税制は、基本的には、国と国との税金の分捕り合いです。税収がマイナスとなり国税も必死になっているのでしょう。

経費の損金算入の原則

償却費以外の経費については、その事業年度末までに債務が確定していればその期で損金算入するのが原則です。


使用人賞与についての損金算入時期

しかし、使用人賞与の損金算入時期については、法人税法令において、次の①~③の区分による、各々の損金算入時期を定めています。

①一号賞与労働協約又は就業規則により定められる支給予定日が到来している賞与(使用人にその支給額の通知がされているもので、かつ、当該支給予定日又は当該通知をした日の属する事業年度においてその支給額につき損金経理をしているものに限る)・・・・当該支給予定日又は当該通知をした日のいずれか遅い日の属する事業年度

②二号賞与次の要件の全てを満たす賞与・・・・使用人にその支給額の通知をした日の属する事業年度

()その支給額を、各人別かつ同時期に支給を受けるすべての使用人に対して通知していること

()その通知した金額をその通知をした事業年度終了の日の翌日から1ケ月以内に支払っていること

()その支給額を通知した日の属する事業年度において損金経理していること

③三号賞与一号、二号賞与以外の賞与・・・・その賞与が支払われた日の属する事業年度


業績賞与支給の手順

 所謂業績賞与を支給しようとする場合、二号賞与の適用が一般的です。実務上では、業績がほぼ確定した決算月に各人別に賞与の額を通知し、決算において未払賞与を計上し、翌月に賞与を支払うと言う手順となります。


落とし穴があります

就業規則や給与規定には賞与の支給について、「支給日に在職している従業員にのみ支払う」旨の規定が設けられているのが一般的です。この規定があると決算月に各人ごとに通知したとしても、翌月の支給日に在職していない場合は支給しないと言うことになり、損金算入の原則である債務が確定していないので、業績賞与は認められないとの指摘を受けます。


業績賞与を出す場合は就業規則等も見直し、変更しておく必要があります。

土地は減価償却ができませんが...

 事業の用に供される建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの固定資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。


「時の経過等によって価値が減る」のであれば、減価償却資産の取得価額は、取得した時に全額を一時の必要経費(損金)とするのではなく、その資産の使用可能期間(耐用年数)にわたり、分割して必要経費(損金)とすることが合理的です。


そのため、減価償却(depreciation)とは、取得価額を一定の方法により各年分(各事業年度)の必要経費(損金)として配分する手続といえます。土地や骨とう品については、「時の経過等によって価値が減少しない」ため、減価償却資産とはされません。


鉱山・油田は、会計上「減耗性資産」

 一方で、山林・鉱山・油田・炭山のような天然資源・埋蔵資源があるものは、それが伐採・採掘されてしまえば、もはや復元できないか、復元するために相当の年月が必要となります。このようにその存在量が限られていて、伐採・採掘により材料・商品となり、漸次減耗して、最後には涸渇してしまう天然資源を減耗性資産といい、その取得価額を各期間に応じ費用配分する手続を減耗償却(depletion)といいます。 

 

これは、減価償却と似ている手続きですが、減価償却は事業の用に供されているものの償却であるのに対し、減耗償却は、存在する物量が減耗して涸渇することに基づく点に違いがあります。


ただ、手続としては、「生産高比例法」(資産の利用に比例して減価させる償却方法)の考え方と全く同じといえます。


法人税には「土地の償却」規定がある?

 法人税法では「減耗償却」という用語は採用されていませんが、通達で「鉱業用土地の償却」と「土石採取用土地等の償却」という取扱いが設けられています。


 鉱業用土地とは、石炭鉱業の「ぼた山」の用に供する土地などで鉱業廃止後に著しく価値が下がるものをいい、(取得価額-廃止後残存額)を鉱業権で選定している償却方法(定額法・生産高比例法)に準じた方法で償却にできることとされ、土石・砂利の採取目的の土地についても、取得価額のうち土石・砂利部分は生産高比例法に準じた方法で償却できるものとされています

軌道に乗ったら一度は考える法人成り

 個人事業者が法人を設立することを「法人成り」と呼びますが、個人事業が軌道に乗ってくれば、一度は考えるのではないかと思います。なぜ、考えるのかというと、法人成りにはメリットもデメリットもあるからです。

 

一般的なメリット

  給与所得控除が使える:法人成りをして会社から給与を受け取るようにすれば、経営者自身の所得税で給与所得控除が使え、節税になります。

  消費税が最大2年間免除される:資本金が1,000万円未満の法人は、2期にわたって消費税が免税となります(但し特定期間の課税売上や、特定新設法人の規定により免除にならない場合がありますので留意してください)。

  決算期が自由に設定できる:個人事業者

の場合は12月決算の3月15日申告と時期が固定されていますが、法人は決算期が自由に設定できます。

  繰越欠損金の繰越控除の年数が増える:個人は3年ですが、法人の場合は10年(平成30年4月1日以後に開始する事業年度の場合)になります。

 

一般的なデメリット

  法人設立の手間と費用:定款を定めて、登記をしなければならず、定款認証手数料や登録免許税が必要となります。

  社会保険の加入:個人事業では4人までの雇用であれば社会保険の加入義務はありませんが、法人成りすると1人でも社会保険への加入が義務付けられます。

  赤字でも7万円の法人住民税がかかる:均等割と呼ばれる部分で、赤字だったとしても税金が取られます。

 

あまり数字には出てこない「対外的な信用」

 対外的な信用はどうしても個人事業よりも法人の方があるものです。融資や取引で見劣りしないように法人成りをする、というのも立派な理由です。

 色々な視点から法人成りをするかしないかを判断した方が良いでしょう。

それぞれの原義・慣用句

 タックスヘイブンはTax()Haven(避難所)の合成語で、法人税や所得税が、課せられない又は低税率の国や地域を指し、租税回避地と訳されます。

同じものとして、オフショアOffShoreという言葉が使用されることがあります。原義としては、Off(離れて)とShore(陸)で沖合を意味することから、沿岸から遠く離れた地域(海外)のことを指し、慣用句としては、沖合に建設した発電所による発電事業をオフショア発電、沖合に石油プラットフォームを建てて石油・天然ガスなどの掘削事業を行うことをオフショア建設 、 海外に委託したシステム開発等を指すオフショア開発、開発途上国などで先進国民間資本が工場を設けて本国および第三国市場向けに行う生産をオフショア生産、サーフィン用語としてはOffShoreは陸風、OnShoreは逆に海風です。


大陸にあってもオフショア

 デラウェア州が世界最大のオフショア取引地、オフショア企業の設立地などと言われますが、ハワイのように沖合いに存在する州ではありませんので、これをオフショアと言うとすれば原義を超えていることは明らかです。

 金融用語としては、オフショア金融、オフショア市場、オフショアセンター、オフショアファンドなどと使われ、地理的には国内市場であっても、国内の市場と切り離され、主として非居住者間の取引が行われる市場を指したりしています。


同義的に使われている

一般にオフショアとされる国や地域では、外国の投資家や企業の資産管理を積極的に受け入れ、この投資や事業によって得た収益に対して無税又は低課税などのメリットを提供しているため、タックスへイブンと同義となっています。


なお、オフショアは租税回避地のほかに、情報交換がしにくい地域、税制優遇地域、租税メリットのある地域などを指す場合にも使われ、タックスヘイブンよりも、やや広い意味で使われています。


タックスヘイブンもオフショアも、日本の税法でその言葉の定義はされていません。むしろ、国際的には、租税回避地を指す場合にオフショアを使用することが主流となっています。

バハマ国との租税情報交換協定の改正

 2017210日財務省は、バハマ国との租税情報交換協定を改正する議定書が署名されたと発表しました。これは、現行協定を改正し、OECDが策定した国際基準に基づく金融口座の情報交換に必要な自動的情報交換の条項を導入するものです。これにより、一連の国際会議等で重要性が確認されている国際的な脱税及び租税回避行為の防止を一層図ることが期待されます

バハマ・リークス

20167月、タックスヘイブン(租税回避地)の法人に関する大量の電子ファイルが新たに流出し、世界各国の記者たちの手に渡りました。バハマの法人情報に関する報道プロジェクトを国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は「バハマ・リークス」と名付けました。これは、ICIJが201643日に公開した「パナマ文書」流出に続くものです。


情報交換協定との国外財産調書とのコラボ

平成24(2012)の税制改正において、適正な課税・徴収の確保を図る観点から、その年1231日現在において5千万円を超える国外財産を持っている人は、国外財産調書を翌年315日までに提出しなければならないこととされました。平成26(2014)1月から適用されています。


今年の21日現在、我が国が租税情報交換協定を締結しているのは10か国・地域です。この中には「パナマ文書で」で最も人気だった租税回避地だったとされる英領バージン諸島(BVI)も含まれています。今後、さらに情報交換の対象が拡大されたり、相手先国・地域が増えたりすることで、国外財産調書により蓄積されるデータとのマッチングにより、ビッグデータとして活用できれば、(隠しているだけの)租税回避は白日の下にさらされる日が来るでしょう。


合法的な租税回避への対抗策はまた別問題

 本稿のテーマは、米国の多国籍企業などが、国と国の税率差や租税条約の有利な点を活用して、合法的に税金を軽減する租税回避とは別の問題です。それはそれでOECD/G20においてBEPS「Base Erosion and Profit Shifting」(税源浸食と利益移転)問題として別途対応策が検討されています。

今回の改正で、延長又は存置等された主な項目を確認の意味を込め概観してみます。

 

法人税関係

中小企業等の貸倒引当金の特例については、適用期限を平成30年度末まで延長。なお、事業協同組合等にあっては、割増率が10%に引き下げられた。

 

中小企業がトラック(3.5トン以上)、内航貨物船、機械装置等を取得した場合の特別償却(30%)又は税額控除(7%)の適用期限は、2年延長。

 

医療機器の特別償却制度について、対象機器を見直した上で、適用期限は2年延長(所得税も同じ)。

 

中小企業の交際費課税(定額控除800万円の損金算入)、少額減価償却資産(合計300万円の損金算入)、欠損金の繰戻し(全額)による還付制度は、存置され平成29年度末まで適用。

 

所得税関係

エンジェル税制(一定の株式の取得による投資額の所得控除、譲渡益控除、譲渡損失の繰越控除)は、一部適用対象を拡大して2年延長。

 

優良住宅地の造成等のための土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例は、適用期限を3年延長。

 

短期所有土地等の譲渡益に対する追加課税制度の停止期限は、3年延長(法人重課も同じ)。

 

資産税関係

事業承継税制(非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予)については、(イ)相続時精算課税制度に係る贈与を贈与税の納税猶予制度の適用対象に追加、また、(ロ)雇用確保要件では相続開始時又は贈与時の常時使用人従業員数×80%に一人未満の端数があるときは切り捨てる。但し、相続開始時又は贈与時の常時使用従業員が一人の場合は、一人とする。

 

 上記は、平成2911日以後に相続等により取得する財産から適用。

 

相続税の物納にあてる財産(物納財産)として、上場株式等(株式、社債、証券投資信託の受益証券等)が国債及び不動産と同順位(第一順位)に加えられた。

 

医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限は3年延長。

 

土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限は、2年延長

国際課税の主な改正項目は、何といっても「外国子会社合算税制(CFC税制)」等の総合的見直しです。

 

 CFC税制とは、外国子会社を利用した租税回避を抑制するために、一定の条件に該当する外国子会社の所得を、日本の親会社の所得とみなして合算し、日本で課税する制度です。

 

以下、このCFC税制の改正内容を概観してみます。

 

現行のCFC税制の問題点

 現行制度においては、外国子会社の税負担率が20%(トリガー税率)以上であれば経済実体を伴わない所得であっても合算されず、申告も求められない一方で、実体ある事業から得た所得であっても合算されてしまう場合がある、という問題がありました。そこで、今回の改正においては、租税回避をより的確に抑制するとともに、我が国企業の海外展開を阻害しないよう抜本的な見直しがなされました。

 

CFC税制の改正の骨子

 租税回避リスクを外国子会社の税負担率で判定する現行のトリガー税制を廃止し、外国子会社の個々の活動内容(所得の種類等)により把握し、次のように改めました。

 

(1)所得が生じている場所で実際に実質的な経済活動が行われている場合、そうして得た所得いわゆる「能動的所得」については、税負担率にかかわらず日本の親会社の所得に会社単位での合算課税を行わない。

 

その場合であっても、実質的な事業活動を伴わない資本・知財等の提供から得られる所得、いわゆる「受動的所得」については、事業活動に不可欠であるなど子会社に帰属させることが合理的な場合を除き、税負担率20%未満の場合は、当該所得を日本の親会社の所得に合算する(部分合算課税)。

 

なお、少額免除基準が2,000万円以下(現行:1,000円以下)に拡充。

 

(2)租税回避リスクの低い外国子会社に、所得を「能動/受動」に分類する事務作業が発生しないよう、税負担率20%以上である外国子会社は、会社単位の合算課税の適用を免除。

 

(3)明らかに経済実体がなく受動的所得のみしか得ていない外国子会社については、税負担率が30%未満の場合は、所得の全額を日本の親会社の所得に合算する(会社単位の合算)

 この改正の適用は、平成3041日開始する事業年度からです。

今回は、役員給与等の改正を中心に幾つかの改正項目を概観していきます。

 

役員給与等について見直し

(1)利益連動給与について、改正案では現行の利益指標に株価等の指標(業績連動指標)を追加、また、計測期間も単年度指標から複数年度指標に拡大しています。

 

 これを受けて、業績連動指標に基づく一定の株式数の交付を給与に加えています。

 

(2)退職給与で利益等の指標を基礎として算定されるもののうち一定の要件を満たさないものは、その全額を損金不算入とし、これにあわせて、利益連動給与について、指標の対象が複数年になることを受け、業績目標の達成度合いに応じた新株予約権の一定数の交付を給与に加えています。

 

 なお、損金算入の手続に関しては、一定の時期に確定した金銭又は株式数を交付する給与は、事前確定の届出が必要。一方、複数年の期間に連動した金銭、株式等を交付する給与は、報酬委員会等の決定や有価証券報告書での開示等が必要です。

 

(3)譲渡制限付株式等について、改正案では、完全子会社以外の子会社役員も付与の対象に加えています。また、非居住者である役員についても損金算入を可としています。

 

(4)定期同額給与の範囲について、改正案では、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額を定期同額の範囲に加え、柔軟な対応に改めています。

 

 上記改正の適用は、退職給与、譲渡制限付株式及び新株予約権に係る部分は平成29101日以後、その他の部分は同年4月1日以後に支給又は交付の決議(その決議がない場合、その支給又は交付)をする給与からです。

 

中核企業向け投資促進税制の創設

 事業主が地域中核事業計画(仮称)を策定(都道府県の認定要)し、高い先進性を有すること(国の認定要)を条件に、機械及び備品等を取得した場合、特別償却40%(税額控除4%)、建物等では20%(税額控除2%)の特例措置が新設されています。

 

中小企業投資促進税制上乗せ措置

 生産性向上設備等に係る即時償却等については、中小企業経営強化税制と改組し、経営力向上計画の認定を条件に、対象設備を拡充し、一定の器具備品及び建物付属設備が追加されています。

 

 適用期限は、平成2941日から平成31331日までです

法人課税における主な改正項目は、次のとおりです。

試験研究費の税額控除の拡充

 改正では、税額控除額は、前年からの試験研究費の増額が大きいほど税額控除率も大きくなっています。

 中小企業の場合は、税額控除率が費用の12%分とされていましたが、改正では12%~17%分の控除率となっています。

 一方、大企業は、8%~10%分だった税額控除率が6%~14%分に改正されています。

 また、試験研究費の範囲には、「サービスの開発」も対象になっています。

所得拡大促進税制の拡充

 企業規模にかかわらず、給与支給総額が前年を上回るなどの所定の要件を満たすことで、賃上げ総額の10%分を減税(法人税から控除)してきましたが、より一層の賃上げを促す観点から、改正では、中小企業の場合、前年に比べて2%以上の賃上げを実施した場合には22%分の税額控除、一方、大企業でも、前年対比2%以上の賃上げを実施した場合には10%から12%分と拡充しています。ただ、賃上げが2%に満たない大企業は、現行10%分の税額控除も受けられません。

組織再編税制の見直し

現行税制では、スピンオフ(特定の事業や子会社を企業グループから切り出して独立した会社とする)に際して、①法人サイドにおいては「譲渡損益(移転資産又は子会社株式)課税」、②個人サイドでは「配当(みなし配当含む)課税」が発生することから、新しい産業への機動的な事業再編ができませんでした。

 そこで、今回の改正では、分割、現物分配にあたって、分割法人又は現物分配法人の株主の持株数に応じて、それぞれ、分割承継法人の株式又は子会社株式のみが交付される場合、その他所定の要件を満たせば課税関係が生じないようにしました。

 以上の改正は、平成2941日開始事業年度からの適用です。

中小企業の軽減税率に関して

 年800万円以下の所得金額の税率(本則19%、租特15%)は2年間延長です。

 なお、中小企業であっても、平均所得金額(3年間)が年15億円を超える事業年度の適用は停止するとしています。

 この改正は、平成3141日以後に開始する事業年度からの適用です。

 

 

修繕積立金とは

読んで字の如く、将来の修繕の為に積み立てる金額です。

自社所有ビルの将来の修繕積立金は、単なる資産の振り替えです。すなわち、以下の処理で終わりです。

定期預金(修繕の為)/普通預金

 法人課税については、大綱の基本理念が「成長と富の創出の好循環」であることから、改正内容は投資等減税が中心となっています。それでは、主な改正項目を概観してみたいと思います。

調査開始後の修正申告

 会社に臨場しての税務調査が開始された後、会社側が申告の誤りに気付き、即座にその誤りを正す修正申告書を提出した場合は、調査中に非違事項として指摘される可能性があるものとして、「更正があるべきことを予知」した修正申告に該当するとして、過少申告加算税が賦課されてしまうのではないかと、思ってしまいそうです。

 しかし、こういう問題をめぐって裁判になった事例があります。

所得税はともかく、法人税の計算においては、所得税と復興特別所得税の区分は不可欠です。それは、法人税から控除されるのは源泉徴収された所得税のみで、源泉徴収された復興特別所得税は復興特別法人税からしか控除できないからです。      

損金経理の分割払役員退職給与

 役員が退職した場合の退職給与の損金算入時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度というのが原則ですが、法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度においてその支払った額につき損金経理した場合には、その損金経理した事業年度に損金の額に算入することを認める、との通達があります。

役員給与の支給の仕方に関わる税法制限

役員給与(役員報酬と役員賞与)は原則損金不算入です。例外として、次のものが損金算入となります。

a 定期同額の役員報酬(期首から3ヶ月以内の改訂は可)<事前届出不要>

b 有価証券報告書を提出する非同族会社の利益連動役員賞与<事前届出不要>

c 事前確定届出給与(決算確定から1ヶ月以内)

 制限の趣旨は、会社の景況に合わせた役員報酬の随時の改訂や、利益の額に合わせた賞与の支給を排除しようとするものです。

復興特別法人税と復興特別所得税の相違

 法人に課せられる復興特別法人税は、

●期間 平成2441日以後3年間に開始する事業年度における36ヶ月間が課税対象期間

●税率 10%

●課税対象額 次の法人税額

別表一()4欄 + 別表一()5欄

●復興特別法人税申告書を別途提出

●復興特別法人税には中間申告・予定納税がない

法人税確定申告状況からみる景況

国税庁が公表している平成23年度分法人税の申告状況によると、申告件数は276万3千件で、前年比千件増でほぼ横ばいながら、申告所得金額の総額は372,883億円、申告税額の総額は9兆5,352億円と、前年度に比べ、それぞれ1兆1,047億円(3.1)1,496億円(1.6)増加し、2年連続の増加となりました。

 公表資料によると、平成18年度は過去最高で法人申告所得金額57828億円、その後はリーマンショックの翌年の平成21年まで40%減となるまで下がり続け、その後漸次回復基調にあったところです。

年会費は中身を確認して

同業者団体等が特別な事業を行う場合に、徴収する特別会費については、その取り扱いが、行う事業によって異なります。更に通常の年会費等と一緒に徴収される場合が多く、年会費と同様「諸会費」として経理処理されがちです。ご留意下さい

税務調査で必ずチェックされる「期ズレ」

 決算期前後の取引で、本来決算期に上げていなければならない取引が翌期に計上されていたり、逆に翌期に上げなければいけない取引が決算期に上がっていたりすることを総称して「期ズレ」と言います。売上や仕入れの期ズレは、税務調査で必ず最初にチェックが入ります。

会計原則には、発生主義と費用収益対応の原則とがあり、基本的には「現金収支には関係なく、収益・費用の発生した時点で計上しましょう」「収益と費用をできる限り因果関係に基づいて把握しましょう」というルールに則っています。

TaxHavenとは

 TaxHavenとは、日本の税法では、所得に係る租税の実効税率がゼロ(ケイマン、ガーンジー、ジャージー、バーレーン、バハマ、マン島)もしくは20%以下(アジア地域としては、マカオ12%、香港16.5%、シンガポール17%、台湾17%、カンボジア20%、カザフスタン20) の国や地域を指します。

コーポレート・インバージョン

 外国親法人株式を用いる合併、分割、株式交換により、内国法人を適格組織再編で外国法人系列の子会社・孫会社にしてしまう、ことができます。これをコーポレート・インバージョン(逆さ再編)と言います。

 外国親法人株式は国外財産であり、外国親法人の法人税の申告は当該外国になされるだけで日本国にはなされません。

外国親法人が組織再編の当事者になる

 組織再編対価の柔軟化により、合併、分割、株式交換で交付する株式が、これらの当事者会社のさらにその上の親法人の株式であっても、税制適格組織再編となることになりました。

それで、これらの親法人株式の発行法人が外国法人に該当する場合があり得ますが、会社法も、法人税法もそういうケースを排除していません。その結果、外国法人が組織再編、特に税制適格組織再編の当事者になることになりました。すなわち、内国法人を適格組織再編で外国法人系列の子会社にしてしまう、ことが可能になりました。

組織再編対価の柔軟化

会社法では、平成195月から(会社法自体の施行時期は平成185月なので1年後)、会社が組織再編に際して株主に交付するものを、株式だけでなく、金銭その他の財産とすることをも認めています。これを組織再編対価の柔軟化といいます。

組織再編対価の柔軟化が認められることにより、いわゆる交付金銭等再編・三角合併等が可能になりました。

定義規定と固有概念

法人税法の第2条は定義規定です。ここで規定されている言葉の意味が、法人税法で使われるときの固有の意味になります。例えば、『現物分配』という言葉には、それに続く( )書きがあり、そのなかに「法人がその株主等に対し当該法人の次に掲げる事由により金銭以外の資産の交付をすることをいう。」となっています。

もちろん、規定されるまでもなく、誰もがその言葉を理解しているものについてはいちいち定義規定は置かれません。

会社法の位置づけ

 会社法では、有償減資による資本の払戻し(その他資本剰余金の処分による配当等)を受けた場合は、払戻しの対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合を除き、原則として払戻し受領金額をその対象有価証券の帳簿価額から減額します。仕訳で表すと次のようになります。

 

 現預金×× / 有価証券××

会社法の位置づけ

 会社法では、減資は無償減資のみと位置づけられています。旧商法のような直接的な資本金の払戻しによる有償減資はありません。

 具体的には、資本金の減資は、減少する資本金を「その他資本剰余金」又は「資本準備」への振替です。簿記上、仕訳で表すと次のようになります。

「資本金場××/その他資本剰余金××」又は「資本金××/資本準備金××」

したがって、減資前と減資後の「純資産の部」の内部の変動だけで純資産の部そのものの額に何ら変動はありません。

 会社法では、有償減資ができなくなったのか、というとそうではなく、「無償減資+剰余金の配当」として位置づけることで可能となります。この場合の「剰余金の分配」は、利益剰余金の配当ではなく、その他資本剰余金の配当です。

仕訳で表すと、先ず、「資本金××/その他資本剰余金××」、次に「その他資本剰余金××/現預金××」となります。

法人税法では、実質的に前期の所得と通算して法人税額の計算ができるという「欠損金の繰戻しによる還付」の制度を設けています。

平成22年度税制改正前

 法人税では、適格吸収合併であっても、被合併法人(消滅会社)の欠損金を引継ぐことはもちろんのこと、合併法人(存続法人)の欠損金の利用についても厳しい制限を設けています。理由は、被合併法人の収益力や含み益資産を引継ぎ、合併法人の欠損金の早期償却などの租税回避の防止です。

 改正前では、支配関係の合併にあっては、5年間の資本関係の継続、一方、それ以外の合併の場合は、共同事業要件(事業規模、特定役員の就任等)を満たすことが欠損金利用の前提でした。過去に、合併法人がこの制限規定をうっかり失念し、意図しない結果を招来させてしまうようなことがありました。その内容は、こうです。

ゴルフコンペは交際費

社外の取引先等を対象としたゴルフコンペにかかった費用は、交際費となることは衆知のことだと思います。

経費を支払ってポイントを貯めたものの・・

 出張旅費などの仮払いを受けて、その現金を使わずに、自分のクレジットカードで決済する、なんてことをする人がいます。

会社の同僚と飲みに行った時、割り勘で支払った領収書をみたら、カード支払にチェックマークが付いていた、なんてこともあります。

損得なしだから、どうでもよいことと思いますが、カードで支払った人のカードの中にポイントが溜まる場合があります。中々の才覚と言えます。

法人株の究極の相続対策

 株式価値の高い父親経営の同族会社を、息子が新規の会社を設立し、そこに吸収合併させ、無償消滅させてしまう、という相続対策は、適格組織再編として課税関係が生じませんでした。この行為は無対価組織再編と言われるものです。

 100%親族グループの場合での適格組織再編の要件は、株式以外の資産の交付がないこと、というのがほとんどの内容です。そうすると、株式そのものの交付もしない『無対価』の組織再編は、この要件からして「適格」に該当してしまいます。

 大会社のグループ内再編では無対価組織再編は通常のことで、会計基準もあります。ただし、税法については特に規定がありませんでした。平成22年の改正によってはじめて『無対価』という明文の規定創設がされたところです。

国境に消える法人所得への課税権

支店、出張所等の事業所、工場、倉庫などをPE(恒久的施設)といい、日本国内にPEを持たない外国法人は日本への申告・納税義務がなく、PEを持つ場合には日本国内源泉所得が課税対象となります。

米国Amazonは日本国内にPEを置かないままNet販売で日本顧客と取引し、米国で売上計上し、日本への法人所得に係る納税義務がないものとしています。

楽天とAmazonが同じNet書籍販売をしている場合、楽天は、日本への納税をしますが、Amazonはしないので、競争関係はAmazonに有利、楽天に不利です。

なお、このケースでは、Amazonは日本に消費税の納税はしています。

銀行救済のための欠損金繰越期間延長

8年前金融庁は税制改正要望として、銀行破綻を救うために、銀行については赤字の繰り越しの期間を5年から10に延長することを求めました。その結果、平成16年度の税制改正では、欠損金の繰越控除期間が5年から7年に延長となり、さらに大幅な損失を計上していたそれ以前の過去3年前に適用期間が遡及することになったので、要望の10が実現しています。

 親族で複数の会社を持っていて、その中に多額の欠損金や含み損(欠損金等)を抱えている会社があれば、この欠損金等を適格合併等により親族の他の黒字会社に引継できないものか、と考えたくなります。

 例えば、個人「甲さん」及び「その親族」は、X社の株式とY社の株式をそれぞれ100%保有、X社は優良会社、Y社は債務超過で多額の欠損金を抱えている、甲さん及びその親族が保有しているX社及びY社の株式の保有割合は異なっている、保有期間5年超、この前提で考えてみましょう。

パチンコグループの新手の節税策

 今年の2月半ばのマスコミ報道によると、パチンコ店をチェーン展開する計約40の企業グループが、組織再編税制を逆手に取って、損失を膨らませる新手の節税策により、総額約1000億円の損失創生プランを実行していたが、東京国税局はこれを、限界を超えた租税回避行為にあたると判断し、行為計算否認規定を発動しました。

受取配当金益金不算入の趣旨

 言うまでもありませんが、法人税法では、原則、二重課税を排除する目的で、受取配当金の全部又は一部を益金不算入としています(外国法人、公益法人等及び適格現物分配に係るものは除く)。

これは、配当金は課税済み後の所得から支払われるものであり、一方、これを受領した側にも課税するとなると同一の所得に対して二重に課税することになるからです。

 配当金益金不算入の割合は、株式等の区分によって異なります。①完全子会社株式等の配当は100%、②関係法人株式等の配当は「配当金-負債利子」×100%、③①及び②以外の株式等の配当は「配当金-負債利子」×50%です。なお、短期所有株式に係る配当には、この益金不算入の適用はありません。

期限切れ欠損金とは

 

 期限切れ欠損金は、法令上の用語でなく造語ですが、平成22年度税制改正で確実にその市民権を得ました。

 

この期限切れ欠損金は、清算事業年度の課税方式が「損益法」に改められたことにより、債務超過法人に青色欠損金を上回る債務免除益が生じ、担税力のない課税所得が発生してしまうことを回避する目的で、一定の条件下で清算事業年度において損金算入を認めるものです。

 

期限切れ欠損金の内容・範囲ですが、「過去の青色欠損金」、すなわち、所得から控除できる期限を経過(失効)してしまった欠損金(平成23年度税制改正で現行7年から9年に延長)ではないか、と思われがちですが、そうではありません。

 

社外流出・損金不算入である「交際費」や「寄附金」もこの期限切れ欠損金に含まれています。

大法人の100%子会社と中小企業特例

 

平成22年税制改正で、中小企業に有利な特例は、大法人の100%子会社には不適用、とされました。次の特例項目です。

 

    800万円以下部分への19%税率適用

 

    19%税率の15%への時限的軽減

 

    欠損金繰戻還付不適用制度の中小企業不適用特例

 

    同族会社の留保金課税不適用

 

    貸倒引当金法定繰入率の中小企業特例

 

    交際費損金不算入制度の中小企業特例

2つの共同事業要件

 

 法人税の条文に「共同で事業を営むための」という文言が2箇所で使われています。

 

1つは、組織再編において、適格合併等(分割、現物出資等)を充足するための要件として、もう1つは、適格組織再編を充足した上で、被合併法人の繰越欠損金の引継及び合併法人等(分割承継法人、被現物出資法人等)の欠損金の利用制限を解除する要件として使われています。

 

ただ、両者はまったく同意語でないことから、前者を「共同事業要件」、後者を「みなし共同事業要件」と呼んで区別しています。

原則は取得原価主義

 

 法人税法では取得原価主義が原則です。

 

取得原価主義とは、資産の帳簿価格を、その資産の取得時に支払った金額に基づいて計上するもので、決算期末の時価に基づいて計上する時価主義と対をなす考え方です。

 

取得原価主義のもとでは、評価損や評価益の計上はありません。

税制改正は330日、予算は45

 

 今年は、予算の成立よりも予算関連税制改正の成立が先行してしまいました。過去に、こんなことはありませんでした。

 

 昨年は、327日に予算が成立し、予算関連税制改正の一部がつなぎ法として330日に成立し、622日と121日に自公民3党合意により、大幅改正でないものを2段階で順次成立させ、残りは未成立でした。この顛末も過去にないケースでした。

武富士事件の場合

 

 武富士最高裁判決で、国側逆転敗訴の結果、加算税、延滞税を含め1,585億円納付していたものに、約400億円の還付加算金を付して、約2,000億円が還付されました。

 

還付加算金は国税側からの利子に相当するもので、4%余の利率で計算されることになっており、納税者側の早期納付の場合の軽減ペナルティーとしての利率と同じもので、納税者にも国税側にも、適正申告納付・適正課税執行を促すものとして制度化されているものです。

何度でも更正処分ができるが

 

 法律の建前では、何度でも更正の請求や更正処分ができることになっています。

 

但し、期間制限の範囲内ということなので、従来は、更正の請求期限が1年と短期だったことから、何度もの更正の請求はありえなかったし、それに対応する更正処分が何度も行われるということは滅多にないことでした。

 

ただし、昨年12月の法改正で、その期間が最低5年に延びたので、建前だけでなく、何度もの更正の請求や更正処分が現実味を帯びるようになってきました。

 昨年6月、NPO法と寄付税制が大きく改正されたことで、今年4月1日から認定NPO法人にかかる制度が変化します。

 

認定NPO法人制度とは?

 

 認定NPO法人制度は、NPO法人への寄附を促すことにより、NPO法人の活動を支援するために設けられている税制上の措置です。

 

一定の要件を満たし認定NPO法人に認められると、通常のNPO法人と違い、認定NPO法人に対して寄附すると、寄附をする人の税負担が軽減されるようになっており、通常のNPO法人よりも寄付を受けやすい環境になります。

争えないという理由

 

 「修正申告をすると争えない」と言われることが多いのですが、それは修正申告が自らその税額を確定する行為だから、ということに由来するものではありません。

 

 当初申告をして、さらに修正申告をして、その後、減額更正の請求をして、税務署長により減額更正処分が拒否されたら、当然に争えます。

 

 「争えない」と一般に言われる理由は、更正の請求に期間制限があり、期間が経過してしまっていることが多いからです。

予測に反して確認規定になった その1

 

 個人の受け取る保険金が、会社契約で、保険料の半分が会社負担であった場合、個人の一時所得の計算上、その会社負担保険料を必要経費として控除できるか、否か?

 

この問題での訴訟で、国の敗訴が濃厚だったので、平成23年度12月税制改正で、会社負担分は控除不可と政令を変えました。

しかし、予想に反して、最高裁では逆転勝訴になったので、不必要な政令改正をしたことになりましたので、改正は新たな意味を持つことのない確認規定を設けたことになりました。

法人税に関する平成23年度の税制改正は、当初案の殆どが2次改正で東日本大震災復興増税とセットで昨年1130日成立、同年122日公布となりました。

マスコミにみる今年の大綱

 

 1210日、2012年度税制改正大綱が公表されました。消費税増税を控えて場当たり的とか、小粒な内容とか、政策理念がないとか、マスコミ評価は惨憺たる状況です。

 

自動車重量税の軽減が取り沙汰されていることの外は、目立つ形で取り上げられていません。

 

むしろ、この税制改正案が、今年もまた、まともな国会通過を果たせないのではないかと心配になってしまいます。

デリバティブ取引と時価評価

 

デリバティブ取引は、将来の一定の期日に、一定の権利または義務を生じさせる効果をもたらす契約であり、決済があるまでは資金のやり取りは行われないことから、従来は、会計上及び税務上、決済までその損益を計上することはありませんでした

 

しかしながら、デリバティブ取引は、その基礎数値の変化によりその保有者に帰属する利益または損失が生じるものであり、決済日前の一定時点にあっても、通常そのときの価値、すなわち時価が存在します。

 

 現行の会計基準、法人税法の規定では、原則、期末時に保有するデリバティブがあれば、そのデリバティブを時価で評価し、その評価差額を当期の損益に計上することを定めています。

従業員だけの忘年会

 

従業員だけの忘年会は、基本的に福利厚生費となります。但し2次会は概ね任意参加となる為、税務当局は交際費と考えております。

忘年会のシーズンです。

 

取引先との忘年会、職場での忘年会、業界団体の忘年会等々、税務上のこれらの費用の取り扱いについてまとめてみました。

税制改正の政局化から学ぶこと

 

今年の税制改正のうち、政府の目玉としていた改正税法は、半分ぐらいしか国会通過の見通しがありません。3月の時点で、自民党・公明党の3ヶ月つなぎ法によって辛うじて日切れを刹那的に回避したものの、6月の時点で同じようなつなぎ法だったら、そこに入っていなかった電子申告控除やバリヤフリー改修控除、森林計画特別控除は税制として消滅することになっていました。

 

最早、納税者有利規定といえども、遡及適用立法は、制度廃止のリスクを伴っていることを見過ごすことは出来ません。

 法人税では、国等に対する寄附金や財務大臣が指定した寄附金等以外のその他の一般寄附金については、その支出の合計額と損金算入限度額(資本基準額と所得基準額の合計額の2分の1相当額)とのいずれか低い金額までが損金の額に算入され、限度額を超える部分は損金不算入となります。

1円ストックオプションの世界傾向

 

 株式報酬型役員退職金の性格の1円ストックオプションがアメリカで急増している、と107日の日経新聞が報じていました。

 

ストックオプション(新株予約権)は、日本では、1997年に解禁され、1円ストックオプションの税制が明確になったのが20032004年でした。日本での1円ストックオプションは、20072008年に急増期があり、現在も少しづつ増えており、それに比して、通常型のストックオプションは減少傾向にあり、両者の比率は現在半々のようです。

 法人税法本法では、いわゆる「使用人の決算賞与」について、その事業年度末に未払経理した場合、当該賞与が損金算入となるかどうか、つまり、賞与の支払い債務が確定しているどうか、その課税要件に関する「別段の定め」がありません。

通勤手当非課税の規定

通勤手当非課税は所得税法に定めがありますが、無制限非課税ではなく、政令で通勤手当の諸態様に応じた1ヶ月当りの非課税限度額が定められています。

従業員等に対し、福利厚生の一環として自社商品の値引販売や融資制度等を設けている会社も多いと思いますが、現物給与として課税される場合がありますので注意が必要です。

「アマゾン税」導入が勢いづいている

 

 カリフォルニアやテネシーなど米国各州で、インターネット小売業への課税を強化する動きが広がっています。

 

各州の州財政の悪化、ネットショッピングの利用拡大が、ウェブサイトを通じて州内で集客する企業に徴税を義務付ける「アマゾン税」と呼ばれる税金の導入の法制化を加速させているのです。

 

 同業最大手のアマゾン・ドット・コムの場合、売上税(日本の地方消費税に相当)を集めるのは法制上、本社を置くワシントン州などに限られており、ほかの州においては徴収されないので、不公平感が強まっていたところでした。

減価償却資産が一つ増えた

 

 7月22日改正の法人税法施行令で、「公共施設等運営権」という名の新しい減価償却資産が生まれました。

 

 「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」いわゆるPFI法の改正法が61日に公布されたことにより、税制も改正されたからです。

10月決算法人から利用可

 

 中小企業倒産防止共済の掛金引き上げの施行日は政令委任になっていましたが、ようやく916日この政令が公布され、10月1日施行と定まりました。

 

この政令の基となる法律「中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律」は平成22414日の成立です。鳩山内閣のときです。それから1年半、菅内閣を経て野田内閣まで、随分永いこと待たされました。

赤信号みんなで渡れば怖くない

 

有価証券報告書提出会社以外の株式会社は、決算公告が義務付けられていて、官報または日刊新聞紙もしくはインターネットで公告することになっています。

 

 しかし「赤信号みんなで渡れば怖くない」で、ほとんどの中小株式会社がその義務を無視しています。罰則はあるのですが、発動されたことはありません。

特定資産の買換え特例とは、保有不動産等(土地等及び建物等)を売却し、一定の要件を満たす不動産等(土地等、建物、構築物、機械及び装置)に買換えた場合には、最大、譲渡益の8割まで課税の繰り延べ(圧縮記帳)ができる制度です。

 

昭和の高度成長期から平成の現在に至るまで、有効な資産活用及び設備投資を可能にする利用価値の高い制度として長らく不動産税制の中心に君臨してきました。

 

 しかし、近年、国内産業の空洞化等により制度の有用性に陰りが見えたのでしょうか、平成23年度の税制改正において、この買換え特例制度については、大幅な見直し改正がなされました(震災特例法は除く)。 

 

 そこで、この特例制度(法人税を中心に)の主な項目の改正内容を確認してみます。

 法人税法では、収益の計上は別段の定めがある場合を除き、一般に公正妥当と認められる会計基準に従って処理されます。

 

そこで「請負」と「委任」によって、収益の計上にどのような違いが生じるか検討してみたいと思います。

 税法は侵害規範なので文理解釈に依るべき、とは判例や学説での通説的見解です。

 

償却費計算規定の文理解釈

 

それで、減価償却の規定をみてみると、

 

1項で、「各事業年度終了の時において有する減価償却資産」について規定し、

 

2項で、適格分割等による期中移転資産について規定しています。

 

  すなわち、①期末に在る資産、②適格分割等での期中異動資産、この2つに対してしか規定は存在していないということです。

 

そういうことからすると、この2つ以外、①非適格組織再編での期中異動、②期中売買、③期中除却・廃棄、④その他、の理由での期中異動・期末不在資産については、税法に規定がないということになります。

 

これが文理解釈から出てくる結論です。

株式の配当・譲渡課税の原則

 

株式の配当所得に対する課税は,非上場株式については国税20%の源泉徴収の上確定申告での総合課税、上場株式については10%(国税7%、地方税3%)の源泉徴収の上、総合課税、申告分離課税、申告不要の選択となるのが原則です。

 

株式の譲渡所得も似た制度になっていますが、総合課税は無く、非上場は20%(国税15%、地方税5%)の申告分離のみで源泉徴収はありません。

 

上場株式は配当所得との損益通算が可能で、申告分離課税のほか、10%(国税7%、地方税3%)の源泉徴収の上、申告不要とする選択もでき、譲渡損失が残るときは、損失の繰越しをすることができます。

自己株式取得の税務処理の原則

 

自己株式の取得は資産の取得ではなく、減資と同じ株主資本の部分清算と解するのが税務の原則です。

 

減資の場合には出資した元本を超える払戻しがあるとき、その超える部分についてみなし配当という扱いになります。自己株取得も同じで、出資額(100%資本組入れだったら従来の額面金額)を超えた対価での自己株取得では、その超える部分についてみなし配当という扱いになります。

組織再編と繰越欠損金の引継ぎ

 

 法人間の取引価額は時価であることを原則とする、という時代には、法人の繰越欠損金が引き継がれたり、制限を受けたりということはありませんでしたが、平成13年の企業組織再編税制の施行に伴い、簿価での資産異動が法人間で出来るようになってからは、適格合併での繰越欠損金の引継ぎが認められるようになりました。

債務超過子法人の清算での想定外

 

グループ法人税制では、完全支配関係にある親子会社間で、子会社が解散した場合に親会社が「子会社の未処理欠損金額を引き継ぐ」ことになり、その代わり子会社株式消滅損は認識しません。

 

ところで、解散子会社の残余財産確定までに、親会社において子会社株式の評価損を子会社の資産状態の著しい悪化を理由に計上してしまえば、子会社株式消滅損は生じなくなり,それでも未処理欠損金額の引継ぎはできました。

税務調査で否認もある

 

 業界によっては従業員の一部を、一人親方(個人事業主)として「外注費」処理している会社も多く見かけられます。

 

税務調査では、「外注費」ではなく「給与」になるのでは?という指摘をうけることがあります。

 

否認されますと、給与の源泉所得税の徴収漏れとして追徴されるだけでなく、消費税について仕入税額控除の否認という、まさにダブルパンチの状態になってしまいます。

マイナスはなかった以前とネーミング

 

 資本積立金については、平成13年の改正でマイナスの発生があり得ることとなり、平成18年からは「資本金等の額」とネーミングされるようになりました。

 利益積立金も同じで、そのマイナスとなったときの不都合がさまざま指摘されたところで、不都合への対処として法令改正が何度もなされています。

償却計算の平成22年改正

 

 平成13年から、減価償却は「各事業年度終了の時において有する」資産を対象とする、という規定になっています。

 

ただし、適格組織再編により資産の移転がなされるときは事業年度末とは限らないので、その移転日の前日を年度末とみなして償却計算をすることができるとされています。これを「期中損金経理」と言うと規定されています。昨年改正でこの仲間に適格現物分配が含まれるようになりました。

修正申告は、既に提出した確定申告の税額が過少(純損失等が過大)であったとき、原則、納税者の自発的な意思に基づいて、税額の増額(純損失等の過少)修正をする申告手続きです。

 

 しかし、例外的に各個別税法、租税特別措置法の規定により修正申告が義務付けられているものがあります。これが義務的修正申告です。

1.税務上の取扱は?

 

ロータリークラブの入会金や会費は、個人事業者と法人とでは、税務上どのように扱われるのでしょうか。

不可能を前提とする制度

 

 今年の3月決算法人からはじまった、グループ法人の個人親族オーナー株主グループに係る完全な出資関係図となると、その作製は絶対に不可能です。

 

 しかし、完全な系統的出資関係図の存在抜きにグループ法人税制は法律通りには機能しません。

 

 不可能なことを前提にして、可能にすることを追求するとしたら、国内の完全支配関係にある法人と個人親族の一大相関関係図を作成する巨大なプロジェクトを立ち上げなければなりません。

本年3月決算から始まった

 

 グループ法人に該当していたら、グループ内の各法人間の完全支配関係を系統的に示した「出資関係図」、すなわち法人家系図のようなものを確定申告書に添付しなければなりません。今年の3月決算法人からこの提出義務があることになりました。

完全支配関係の判定

 

 グループ法人税制における完全支配関係があるか否かを判定する時期が、各制度によって異なっています。

 

その主な制度の適用時期と完全支配関係の判定時期は、次の通りです。

 

①譲渡損益調整資産に係る譲渡損益の課税繰り延べについては、譲渡時点で完全支配関係がある場合に適用

 

②寄附金の損金不算入及び受贈益の益金不算入については、支出・受領の時点で完全支配関係がある場合に適用

 

③受取配当等の益金不算入(負債利子控除なし)については、その配当等の額の計算期間を通じて完全支配関係を有している場合に適用

親子関係化の手法

 

グループ法人税制の下では、個人株主の下に複数の兄弟会社があるという形は避けて、親子関係に組み直しておくのがベターです。その場合の持株会社設立や兄弟会社の親会社化手法としては、

 

① 新設分割をして事業を分社化する

 

② 株式交換をして完全親会社になる

 

③ 株式移転により完全親会社を新設する

 

などが挙げられます。

受取配当等の益金不算入の制度の趣旨

 

配当支払法人における配当の支払原資に対して法人税課税がされていて、配当受取法人において更にその受取配当等に法人税課税されると、これは二重課税であると解されて、その排除を目的として益金不算入の規定が設けられています。

 

ただし、配当収益の元本である株式の取得に際して投資した額を確保するために要した負債の利子は益金不算入額の計算上減算控除されます。利息が費用として損金算入され、収益が益金不算入では、逆の二重控除となるからです。

現物配当と現物分配

 

現物分配とは、剰余金の配当等またはみなし配当により株主等に金銭以外の資産が交付されることをいいます。

 

会社法で定める現物配当とはこの規定の上では同じですが、税法上では組織再編の実行行為と位置づけされ、配当行為としても排除したので、会社法とは異なる命名とされました。

資金調達の中立性

 

 100%支配グループ内の法人による完全支配関係にある内国法人間の寄附金については、支出法人においては全額損金不算入、受領法人においては全額益金不算入となります。

 

 この規定にも、100%支配グループ内の資金調達に対する中立性の確保と言った制度創設の趣旨が伺えます。

大きな抜け穴だった自己株税制

 

 高い帳簿価額の子会社株式を自己株として引き取らせることにより、益金不算入のみなし配当と株式譲渡損を発生させる節税手法がありました。

 

この手法を使い、連結納税の隙間を突いて4千億円もの節税をはかった日本IBMは法令の乱用として国税当局により節税額を追徴され、現在係争中のようですが、昨年の税制改正でこれらの手法はほぼ完璧に封じられることになりました。

損益繰り延べの対象は

 

 100%支配グループ内の内国法人間での資産の移転は時価で行われますが、譲渡損益は繰り延べとなります。

 

 対象資産は、固定資産、土地、有価証券、金銭債権、繰延資産などで、譲渡損益調整資産と名付けられています。商品等の棚卸資産や帳簿価格が1,000万円に満たない資産は繰り延べの対象から除かれます。

今後の法人税制の大枠

 

 法人税制は、個々の法人に対する税制度であるとともに、連結グループ全体を一つの納税主体として選択した連結納税制度と、さらにその中間に位置する、100%支配グループ法人間に強制適用されるグループ法人税制度とに体系的に整理されました。

同業者団体等の視察旅行は、「往々にして視察に名を借りた観光旅行である」と税務署は考えております。

 

そこでその取り扱いを通達で詳細に決めております。

網の目細かくする3党合意改正税法

 

 630日公布された3党合意23年度税制改正法では、従来の税制の中の制度的杜撰さや逆用され易い欠陥を補強するものがいくつか目につきます。

当初の内閣提出の税制改正案は

 

 通常国会の初期に出されていた当初の平成23年度税制改正案は、衆議院で立往生していましたが、その一部が、自公民3党合意案として分離され、622日に国会通過し、630日公布されました。

 

 3党合意に至らなかった残りの部分は、年度改正ではないタイトルに変えて引き続き「所得税法等一部改正案」として衆議院で継続審議という立往生状態を続けています。

養老保険は、積み立て型の保険で、満期保険金と死亡保険金が受け取れます。そこで国税庁は、法人契約の養老保険の取り扱いを以下のように通達しました。

 

    満期保険金も死亡保険金も法人が受け取る場合→保険料は、全額資産計上

 

    満期保険金も死亡保険金も従業員やその遺族が受け取る場合→保険料は、その従業員の給与

 

    満期保険金は法人だが死亡保険金は従業員の遺族が受け取る場合→保険料の1/2は資産計上、1/2は保険料。但し一部の役員又は従業員の場合は給与

決算書を拝見していると、最終利益がしっかり出ているにもかかわらず、あまり内容のよくない決算書に出会います。

 

それは、次の勘定科目の残高が多すぎることが原因の場合がありますのでご注意ください。

3年前の「つなぎ法」

 

3年前のねじれ国会の時、「日切れ法」と「つなぎ法」が話題になりましたが、そのときは何を日切れのまま放置し、何をつなぐかが選択されました。登録免許税、輸入たばこや酒の軽課特例などが選択されてつながれ、道路特定財源といわれたガソリン税や軽油税など、それに交際費課税ほか多くが日切れのままとされました。

 

この時、ガソリンスタンドの大盛況があったことは記憶の片隅にあると思います。

期末保有資産が対象に

 

 減価償却費の規定について、「内国法人の減価償却資産につき」が「内国法人の各事業年度終了の時において有する減価償却資産につき」と改正されたのは平成13年です。所得税法も同じです。これを、素直に読むと、期末に存在しない資産については減価償却できない、ということになります。

 

 平成13年は組織再編税制が導入された年で、法人税法には、適格分割等による資産移転が期中にあるときには2ヶ月以内の税務署への届け出を要件に「期中損金経理」により償却計算をしてもよいとの規定も置かれました。期中損金経理で償却費の計上が許されるのは適格分割等の場合に限られるのです。

1.はじめに

 

社内の電球をLED照明にかえようと考えている場合、かなりの費用がかかるようです。

 

そこで、税制の優遇措置が受けられるか、または補助金をもらえるかを検討してみます。

日切れ法案で税制改正阻止

 

 予算案は国会通過したものの、予算関連法案が衆議院で立ち往生したままで、成立の見通しが立たない状況になっています。

税法本法は無期限規定として立法されますが、租税特別措置法は臨時の特例措置として立法されますので、原則として適用期限を区切って立法されます。

 

今回は、自民党・公明党の野党議員から、租税特別措置法の3月末日で日切れるほとんどの規定を3ヶ月間延長する「つなぎ法案」が提起され、賛成多数で国会通過していますので、現状維持がつづいています。政府の税制改正が阻止されているわけです。

平成23418(法令解釈通達)

 

この418日に国税庁長官の発した通達で「東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱い」というのがあります。(法令解釈通達)と銘打っていますので、法令を解釈したもののはずです。

 

「災害損失特別勘定への繰入額の損金算入」というタイトルで、被災資産の修繕等のために要する費用の見積額の引当計上を認める、とするものです。

 

しかし、解釈の対象とすべき法律政令に思い当たるものはありませんでした。

旧商法においては、株主に対する配当は「利益の配当」と呼ばれていました。

 

しかし、会社法になってからその呼び名も「剰余金の配当」に変わりました。

過日の新聞報道等によれば、三菱東京UFJ銀行は10年ぶりに、20113月期に法人税が納付できる見通し、その理由として、過去の赤字累積である繰越欠損金が解消に至ったことによる、と報じています。

 

 また、その後の報道では、この時期に銀行経営の安定化のために資本注入した約12兆円の公的資金については、今年3月末時点で回収利益1.5兆円を含む注入額の99%を回収、国民負担を回避できる見通しとなったと報じています。

クック諸島の国家承認

 

 この325日、ニュージーランドと自由連合関係にあるクック諸島を国家承認することが閣議決定されました。今後、国際場裡における協力を含め、国家関係を強化していく、と外務省は表明しています。

 

 クック諸島の承認により、我が国が独立国家として承認した国は193か国となるようです。

政府は、419日、東日本大震災の被災者や被災企業の支援税制「第1弾」の関連法案を閣議決定し、27日参議院本会議で可決、成立しました。以下、主な税目についてその内容を確認してみます。

 大震災の復興に国民が心を一つにすべきときに、無償の給付につき税制メリットを論ずることに少し引け目を感じつつ、それでも、知っておいてもよいのではないかとの思いで記しました。

平成23年度税制改正で雇用促進税制が新設されようとしています。

 

背景

 

雇用の維持・増加を図り、それによって経済成長を推進することは、現政権の新成長戦略の一つの柱です。そこで税制面でも出来る限りの支援措置を講じる必要があり、設けることとなりました。

現行の寄附金税制

 

 東北関東大震災への義援金に係る現行の税制としては、

 

①法人の支払いの場合、義援金全額が単純な損金になります。したがって、もし実質税率が30%であれば、寄附金の30%が税負担軽減額となります。

 

②個人の支払いの場合で支払先が赤十字・共同募金会・NHK・新聞社などの場合、所得控除の対象となり、その人の課税所得が500万円前後だったら、所得税と住民税とを合わせて、寄附金の30%が税負担軽減額となります。

 

(正確には、国税に2000円、住民税に5000円の足切りがあると共に、寄附金控除の限度に所得税では総所得金額等の40%、住民税では30%という制限があります。)

東北関東大震災で寄附をお考えの方も多いと思います。そこで寄附金について改めて税務上の取り扱いをまとめました。

 

寄附金の取り扱い

寄附金の税務上の取り扱いは、法人税(法人)と所得税(個人)では違います。また地方税(個人住民税)が軽減されるふるさと納税も寄附金控除の一環です。  

今年の税制改正法案

 

「所得税法等の一部を改正する法律案」は衆議院のホームページで確認できます。

この法律案は、所得税ほか国税に関するいくつもの税法の改正部分を一括記載するとともに、各税法毎に1条文内に収め、「改め文」という形式で表現されています。

フリーレント契約とは?

 

不動産を賃貸するに当たって、この不況で、なかなか賃借人が見つからない、また見つかってもすぐに安い物件が見つかると出て行ってしまい安定的に収入が確保できない、と言った問題を解決する為の賃貸契約です。

250%定率法のうたい文句

 

 平成19年に導入された250%定率法は、国際的なイコールフッティングを確保し、投資の促進を図るためのものでした。

 

 今年はこれを200%定率法に変更する、というのが政府の方針ですが、それでは国際的なイコールフッティングや投資の促進が損なわれることになります。

 

減価償却のようなベーシックな制度は措置法的な、朝令暮改的時限立法には馴染みません。

中小企業には、事業の再生及び活性化を支援する目的で、中小企業投資促進税制と中小企業等基盤強化税制という2つの制度があります。

 

この2つの制度では、一定要件を満たす設備投資を実施した場合、通常の減価償却と合わせて「30%の特別償却」又は納付すべき法人税額が減額される「7%の税額控除」の適用を受けることができます。事業者は、いずれか一方のみしか選択できません。選択は、事業者の自由です。

欠損金の繰越控除とは

 

赤字(欠損金)が出たら、翌期以降の黒字(課税所得)と相殺できる税務上のルールがあります。これを欠損金の繰越控除といいます。

 繰越の期間は、日本は世界的に最も短く、以前は5年間とされていました。

法人成りによる節税効果

 

 事業所得者が法人成りする動機に、稼得利益を自分自身への役員給与にし、給与所得控除という架空経費を使う節税効果期待がありました。

 

それが、今次の税制改正大綱で、役員給与への給与所得控除の圧縮措置がとられたことにより、法人成りの節税効果が減じてしまうことになる、印象があります。

 平成23年度の税制改正における法人課税は、「課税ベースの拡大」と「法人実効税率の引下げ」といった増減税の抱合せが特徴です。何か「帳尻合わせ」で、中途半端の感は歪めません。以下、主な改正項目を確認していきます。

合法損金の創出プランの紹介

 

親会社から子会社へ現金を寄附し、その後子会社から親会社への配当としてその寄附金相当額の現金をそのまま戻し、その後、子会社株式を他に譲渡すると、その寄附金分だけ株式譲渡損が膨らみます。

最近、こんな節税スキームが税務専門誌で紹介されています。この101日から施行されている新グループ法人税制の解説の中にです。

赤字会社数過去最高

 

 直近の国税庁公開統計情報によると法人の黒字申告割合は25.5%で過去最低だそうです。公務員と大企業の正社員中心主義社会を維持する上で下請け中小企業の利益が圧迫されることが必然となっている構造下では赤字法人比率は中小企業に不可避的に高くなっていると思われます。

清算所得課税廃止と法人税相当額控除

 

財産評価基本通達が改正されて、この10月1日以後の相続贈与により取得した取引相場のない株式の純資産価額方式による評価額から控除できる法人税等相当額の割合が42%から45%に変更されました。

この変更は、評価額の減額を意味するので相続税贈与税の負担軽減になります。

債務超過子法人の清算

 

完全支配関係にある親子会社間で、子会社が解散した場合に親会社が「子会社の未処理欠損金額を引き継ぐ」ことになり、その代わり子会社株式消滅損は認識しない、という改正税法が101日以降施行されています。

法人税法上、欠損金の定義はありますが、「期限切れ欠損金」についての定義はありません。しかし、現在では、この用語についての認識は得られているようです。

会社法上、抱合株式という種類株式はありませんが、法人税法にその定義があります。一般的には、合併存続法人(合併法人)が合併前に保有している合併消滅法人(被合併法人)の株式のことです。

 

合併手続きは、合併法人が被合併法人の権利義務を含む一切の財産を承継する対価として、被合併法人の株主に合併法人の株式等(金銭等も含む)を交付することです。

耐用年数だって?

 

 建物や機械、自動車などのように、長期に亘って利用されることによって価値が減少していく資産に耐用年数が設定されています。数量的に費消されていくことが予定される物である消耗品や転売目的資産には耐用年数はありません。

 

それで、アスパラガスは?

現物配当は会社法上の用語で、

 

一方、現物分配は今年度(平成22年)の税制改正で法人税法において創設された制度です。

 息子に新規の会社を設立させて、親がオーナーの会社の主要な事業と資産を息子の会社に無償で吸収分割させて、親の会社はもぬけの殻にしてしまっても適格組織再編として課税関係が生じず、株主構成を根本的に変える効果を発揮してしまう・・・。

利益積立金とは

 

 現在の税法では利益積立金とは「法人の所得で留保している金額をいう」とされ、過去の累積留保利益を意味するもので、委細の政令委任により、〇〇〇に掲げる金額の合計額から〇〇〇に掲げる金額の合計額を減算した金額、と規定してマイナスの数字もあり得る、との表現になっています。

資本金1億円以下の会社に認められている法人税法の優遇措置のうち、以下の特例が、資本金5億円以上の法人の完全支配関係のグループ法人には認められなくなりました。

 

寄付金認定とは

 

税務調査では、従来グループ法人間の取引で、特に問題とされたのが、寄付金の認定の問題です。

グループ法人間の取引は、第三者間のように利害が対立していない分、ややもすると恣意的になりがちです。

 

自己株式の公開買付案内

 

 上場会社の自己株式公開買付案内をみていると、公開買付価格は直近データを参考に決定しているものの、多くの場合1割ぐらいのディスカウント価格に設定しています。逆に、ディスカウントのない買付価格設定の場合には、公開買付期間の株価が1割ぐらい上昇する傾向にあります。

平成22101日以降、完全支配関係のある法人間で譲渡損益調整資産を移転した場合、その移転により生じた損益は、課税を繰り延べることとなりました。

平成22年の改正税法により、グループ法人税制が創設されました。

グループ法人とは、直接間接を問わず100%の支配関係のある法人を言います。

こういった状態を税法では、完全支配関係といいます。

グループとして複数の同族会社があり、株式の持ち合いがある場合などでは、自己株式の取得ということも時にはあります。
そういう場合に関する税法の改正が今年ありました。

会社解散等の清算所得課税の廃止

平成22年度税制改正により、法人税の清算所得課税は廃止され、通常の各事業年度の所得課税に移行することになりました。
課税所得の計算構造については、期限切れ欠損金の損金算入や完全親会社への青色欠損金の引継ぎ等の重要改正がありました。

清算所得課税の廃止

今年の税制改正で、清算所得課税は廃止されることになりました。この改正は即施行ではなく、平成22年10月1日以後に解散した場合に適用されます。それ以前の解散については従前の清算所得課税の規定が適用されます。

IBMの節税スキーム
(1)米IBMは2002年にAPHという持株会社を日本に設立。米IBMが持つすべての日本IBM株をこの持株会社に2兆円で売却。
平成22年度税制改正を受け、「小規模企業共済法及び中小企業倒産防止共済法(経営セーフティ共済)の一部を改正する法案が平成22年4月14日成立、同月21日に公布されました。

自己株式の取得は、それに応じた株主にとっては、

①有価証券の譲渡とされ、その譲渡対価(「交付を受けた金銭等の額」から「みなし配当」を控除した額)と譲渡原価の額との差額が譲渡損益と認識され、

一方、②交付を受けた金銭等の額が発行会社の資本金等の額を超えた部分は「みなし配当」と認識され、受取配当金の益金不算入の適用を受けることができます。

取得した医療機器が「器具及び備品」に該当するのか、それとも「機械及び装置」に該当するのか、その判断に迷うこともあります。