A1_法人税

平均原価法の期間の取り方 総平均法と移動平均法

2017年12月26日 08:29

「総平均法」は簡便だがタイムリーでない

 取得した棚卸資産の平均原価を算出し、期末棚卸資産の価額(払出単価)を算定する方法を「平均原価法」といい、「総平均法」と「移動平均法」の2種類があります。


「総平均法」は、一定期間ごとに(期首棚卸高+期中受入高)をこれらの総数で割り単価を求める方法です。簡便なのですが、一定期間が終了し、締めてみないとその期の払出単価を把握できないのが欠点です。


〈「総平均法」の商品有高帳〉

 

期首・受入

払出・期末

①期首

4/\56(@\14)

 

②仕入

4/\48(@\12)

 

③売上

 

6(@\11.5)

④仕入

8/\80(@\10)

 

⑥期末

 

10(@\11.5)

 上の例では総平均法による払出単価は、(①期首\56+②仕入\48+④仕入\80/総数16個=@\11.5となります。


払出単価が随時把握できる「移動平均法」

 一方、「移動平均法」は受入の都度、平均単価を改定する方法です。この方法によれば、随時単価を把握することができますが、継続記帳が必要で、手間がかかる方法です。


 先程の例に移動平均法を用いる場合、③の払出単価は(期首①\56+仕入②\48)÷総数8個=@\13、期末の在庫の単価は、(③売上後在庫2個×@\13+④仕入\80)÷総数10個=@\10.6となります。


〈「移動平均法」の商品有高帳〉

 

期首・受入

払出・期末

①期首

4/\56(@\14)

 

②仕入

4/\48(@\12)

 

③売上

 

6@\13

④仕入

8/\80(@\10)

 

⑤期末

 

10@\10.6


「期間の取り方」は通達を参考に!

 法人税では「総平均法」は「期別総平均法」、「移動平均法」は「その都度移動平均法」を基本として考えていますが、通達では「総平均法」は「6か月ごと」「月別」、「移動平均法」は「月別」で行うことも認めています。「月別総平均法」と「月別移動平均法」は実は全く同じになるのですが、それぞれ「総平均法」と「移動平均法」の一つとされています。過去の判例では、上半期が異常であったため採用した「期末前2か月間の総平均法」が「総平均法」に該当するものか否か争われた例があります。