A1_法人税

ねじれ国会時代の税制改正

2011年12月 5日 09:48

税制改正の政局化から学ぶこと

 

今年の税制改正のうち、政府の目玉としていた改正税法は、半分ぐらいしか国会通過の見通しがありません。3月の時点で、自民党・公明党の3ヶ月つなぎ法によって辛うじて日切れを刹那的に回避したものの、6月の時点で同じようなつなぎ法だったら、そこに入っていなかった電子申告控除やバリヤフリー改修控除、森林計画特別控除は税制として消滅することになっていました。

 

最早、納税者有利規定といえども、遡及適用立法は、制度廃止のリスクを伴っていることを見過ごすことは出来ません。

平成24年度税制改正の行方

 

 来たる平成24年度は、措置法の期限切れに絡む期限延長改正項目がけたたましく多い年で、税制改正が再び政局がらみの対決の様相を帯びると、消滅する税制や適用困難な税制が続出しかねません。

 

納税者不利規定で遡及適用不可のもの

 

 納税者不利規定には、交際費課税、使途秘匿金課税、繰戻し還付不適用規定があります。

 

遅れて国会通過となり、日切れ現象が起きた場合には、交際費課税は、日切れ期間に開始する事業年度に適用不可となります。日切れ期間内に支出するものには使途秘匿金課税はありません。日切れ期間内に終了する事業年度には、繰戻還付停止規定は働きません。

 

平成231231日で日切れのもの

 

 居住用財産に係る買換え、損益通算、繰越控除、長期優良住宅の特別控除、10年超保有事業用資産の交換・買換特例、住宅取得等資金贈与の非課税、住宅取得等資金贈与の相続時精算課税、その他の規定が、今年の1231日で期限切れです。

 

今年の自民・公明の単純つなぎ法では331日期限のものは繋がれましたが、前年末のものは無視されました。同じパターンが繰り返されると、これらは消滅の危機に瀕することになります。

 

平成24331日で日切れのもの

 

 期限立法の多くが331日期限で、その多くが納税者有利規定なので、遅れた国会通過でも、遡及適用は可能です。

 もし、政府が日切れのまま廃止予定にすることにしている法律があるとして、それが試験研究費や教育訓練費などのような事業年度開始規定のものの場合、単純つなぎ法で繋がれてしまうと、つなぎ期間に開始している事業年度には廃止効果がないことになります。