A3_消費税

税制改正は330日、予算は45

 

 今年は、予算の成立よりも予算関連税制改正の成立が先行してしまいました。過去に、こんなことはありませんでした。

 

 昨年は、327日に予算が成立し、予算関連税制改正の一部がつなぎ法として330日に成立し、622日と121日に自公民3党合意により、大幅改正でないものを2段階で順次成立させ、残りは未成立でした。この顛末も過去にないケースでした。

武富士事件の場合

 

 武富士最高裁判決で、国側逆転敗訴の結果、加算税、延滞税を含め1,585億円納付していたものに、約400億円の還付加算金を付して、約2,000億円が還付されました。

 

還付加算金は国税側からの利子に相当するもので、4%余の利率で計算されることになっており、納税者側の早期納付の場合の軽減ペナルティーとしての利率と同じもので、納税者にも国税側にも、適正申告納付・適正課税執行を促すものとして制度化されているものです。

何度でも更正処分ができるが

 

 法律の建前では、何度でも更正の請求や更正処分ができることになっています。

 

但し、期間制限の範囲内ということなので、従来は、更正の請求期限が1年と短期だったことから、何度もの更正の請求はありえなかったし、それに対応する更正処分が何度も行われるということは滅多にないことでした。

 

ただし、昨年12月の法改正で、その期間が最低5年に延びたので、建前だけでなく、何度もの更正の請求や更正処分が現実味を帯びるようになってきました。

争えないという理由

 

 「修正申告をすると争えない」と言われることが多いのですが、それは修正申告が自らその税額を確定する行為だから、ということに由来するものではありません。

 

 当初申告をして、さらに修正申告をして、その後、減額更正の請求をして、税務署長により減額更正処分が拒否されたら、当然に争えます。

 

 「争えない」と一般に言われる理由は、更正の請求に期間制限があり、期間が経過してしまっていることが多いからです。

税制改正の政局化から学ぶこと

 

今年の税制改正のうち、政府の目玉としていた改正税法は、半分ぐらいしか国会通過の見通しがありません。3月の時点で、自民党・公明党の3ヶ月つなぎ法によって辛うじて日切れを刹那的に回避したものの、6月の時点で同じようなつなぎ法だったら、そこに入っていなかった電子申告控除やバリヤフリー改修控除、森林計画特別控除は税制として消滅することになっていました。

 

最早、納税者有利規定といえども、遡及適用立法は、制度廃止のリスクを伴っていることを見過ごすことは出来ません。

「アマゾン税」導入が勢いづいている

 

 カリフォルニアやテネシーなど米国各州で、インターネット小売業への課税を強化する動きが広がっています。

 

各州の州財政の悪化、ネットショッピングの利用拡大が、ウェブサイトを通じて州内で集客する企業に徴税を義務付ける「アマゾン税」と呼ばれる税金の導入の法制化を加速させているのです。

 

 同業最大手のアマゾン・ドット・コムの場合、売上税(日本の地方消費税に相当)を集めるのは法制上、本社を置くワシントン州などに限られており、ほかの州においては徴収されないので、不公平感が強まっていたところでした。

厚労省の24年度税制改正要望で

 

 厚労省は、重点項目の一つとして「社会診療報酬等に係る消費税のあり方の検討」を要望しました。

 

これは、医療機関の仕入れに係る消費税(仮払消費税)のうち、社会保険診療に係るものは非課税用課税仕入れとなるため、この分の仕入税額控除ができず、消費者ではなく、事業者が負担する消費税、いわゆる"損税"の問題が生じているからです。

会計検査院 消費税免税制度の検討要請

 

 会計検査院は1017日、資本金1000万円未満企業の新規事業開始後2年間の消費税納税義務免除制度について、財務省に再検討するよう要請しました。

 

会計検査院が調査したところによると、売上が3億円を超える企業まで免税となっていたり、設立2年経過後に解散したりする制度乱用のケースもあったようです。

税務調査で否認もある

 

 業界によっては従業員の一部を、一人親方(個人事業主)として「外注費」処理している会社も多く見かけられます。

 

税務調査では、「外注費」ではなく「給与」になるのでは?という指摘をうけることがあります。

 

否認されますと、給与の源泉所得税の徴収漏れとして追徴されるだけでなく、消費税について仕入税額控除の否認という、まさにダブルパンチの状態になってしまいます。

 消費税の申告及び納付において、課税売上割合の計算は重要です。課税売上割合は、分母の額は「その課税期間中の国内における資産の譲渡等の対価の額」、そして、分子の額は「その課税期間中の国内における課税資産の譲渡等の対価の額」です。

 

 なお、割合計算において留意すべき点は、①分母及び分子の対価の額から「対価の返還等の金額」を控除する、②税抜きで計算する、③貸倒れ分は控除しない、④輸出免税は課税資産の譲渡等に含む、などです。

修正申告は、既に提出した確定申告の税額が過少(純損失等が過大)であったとき、原則、納税者の自発的な意思に基づいて、税額の増額(純損失等の過少)修正をする申告手続きです。

 

 しかし、例外的に各個別税法、租税特別措置法の規定により修正申告が義務付けられているものがあります。これが義務的修正申告です。

網の目細かくする3党合意改正税法

 

 630日公布された3党合意23年度税制改正法では、従来の税制の中の制度的杜撰さや逆用され易い欠陥を補強するものがいくつか目につきます。

 大震災の復興に国民が心を一つにすべきときに、無償の給付につき税制メリットを論ずることに少し引け目を感じつつ、それでも、知っておいてもよいのではないかとの思いで記しました。

消費税についての主な改正は、「免税事業者の要件の見直し」と仕入税額控除制度におけるいわゆる「95%ルールの見直し」です。以下、改正内容を確認していきます。

相続があった場合、被相続人の事業を承継した相続人の消費税の納税義務は、特例として、次のように定められています。

(1)相続開始の年にあっては、相続人の課税売上高の有無に関わらず、被相続人の基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていれば、相続開始の翌日からその年の末までの期間は納税義務者となります。また、(2)相続開始の年の翌年及び翌々年にあっては、相続人及び被相続人の基準期間の課税売上高の合計が1,000万円を超えていれば、その年については納税義務者となります。

実態が居住用の貸付であっても、不動産会社を介した一括借上げの場合は、契約等において居住の用に供することが明らかにされているものでなければ、家賃収入には消費税が課税される。」と言うのが税務当局の見解です。

居住用は非課税

 

 Aさんは、中規模のマンションを1棟持っておりました。中規模マンション1棟ですから、年間の収入は1,000万円を越えておりましたが、入居者はほとんどが居住用として利用しておりますから、その家賃収入については、消費税は非課税ということで、消費税の申告はしてまいりませんでした。

個別消費税とは

 

 消費税というと、5%の消費税を思い浮かべますが、消費税には一般消費税と個別消費税といわれるものがあります。一般消費税は普段私たちが買い物などの際に、価格の5%を負担するいわゆる消費税です。個別消費税は、ある特定の物やサービスについてのみ課税されるものです。例えば、今年10月から増税されたたばこ税や酒税・ガソリン税等です。

大家さんの悲鳴

 

 毎年、確定申告の時期に個人の地主さんの不動産所得の計算をしますが、決まって税金が安くならないかと相談を受けます。話を聞いてみますと、確定申告の所得税から始まって、消費税、住民税、事業税、固定資産税と払う税金が多すぎるのではないのかといわれてしまいます。

住宅(居住用不動産)の貸付の対価として受け渡しされる家賃収入には消費税は課税されません。消費税法では住宅の貸付の定義を次のように定めています。

「住宅とは、人の居住の用に供する部分をいい、一戸建ての住宅のほかマンション、アパート、社宅、寮なども含む。」また貸付とは「契約において人の居住の用に供することがあきらかなものに限り、一時的に使用される場合は除く」としています。

消費税の課税対象は、①「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等(資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供)」と②「保税地域から引き取られる外国貨物」とされています。前者は国内取引、後者は輸入です。

消費税の原則課税方式の場合、課税売上に係る消費税よりも仕入れに係る消費税の方が多いときは、その差額は還付されます。また、課税売上割合が95%以上の場合、仕入れに係る消費税は全額還付されます。


この法律の規定をもとに、賃貸マンション建設に係る多額の消費税還付を受けるという節税が行われていましたが、本年の税制改正により封じられました。

被相続人の申告の承継

課税事業者である個人事業者が課税期間の中途で死亡した場合、その相続人は、相続開始を知ってから4か月以内に、被相続人の消費税に係る準確定申告書を被相続人の納税地の所轄税務署に提出しなければなりません。