C4_労務

成果主義賃金制度の留意点

2012年7月 9日 13:32

 企画職・専門技術職など知識労働者について、経営者の期待は、「知的労働の質と創造的発想、仕事の効率的方法によってCS(顧客満足)と利益を高める良い企画や製品開発・生産技術開発などの成果をスピーディーにあげること」にあります。

その成果に対して賃金を支払いたい、働いた時間が長く、成果をなかなか出せない社員には賃金をできるだけ支払いたくない、と考えることは当然です。

成果主義賃金の問題点

ところが、成果を評価し、賃金を支払う場合、経営者の意図に反して好ましくない問題が発生します。

 すなわち、多くの企業が最近10年前後に、成果主義賃金を導入した結果、次のような問題を体験したことが知られています。

?    「成果」が求められているため、担当者本人も上司も「成果」を強く意識するあまり、プロセスでの職務遂行能力の発揮の仕方を軽視するようになった。

?    チームで取り組んだ仕事の成果について、一部の目立ちやすい担当者ばかりが高い評価を受け、目立たない下積みの協力は評価されない不公平が生じた。

?    目標達成度評価を高くするため、目標レベルを意識的に低く設定するようになった。

?    新しい業務領域を担当すると、はじめは高い成果が得られにくいため、新しい仕事にチャレンジしなくなったり、そのための人事異動を避けるようになった。


問題を解決する経営者の留意点

問題解決のカギは次の通りです。

?    知識労働者の人事賃金制度を設計する場合、「成果」で考課するのは管理者・同相当の専門職とし、育成過程にある社員は「成果及び発揮能力」等で考課する。

 また、管理者の考課項目に部下の育成実績を設け、育成努力の手抜きを防ぐ。

?    チームで取り組む業務の場合、その目標達成やプロセスの職務遂行能力発揮について、リーダーがチームメンバーの相互評価などを参考とすることにより、メンバーの貢献実績考課を公正に行う。

?    社員の社内階級に応じた役割・期待貢献を明確に設定・公開し、考課する。

?    新しい業務領域にチャレンジしたり、新分野へ積極的にチャレンジする異動を高く評価する。