D1_法務

転ばぬ先の杖 任意後見制度

2012年2月24日 14:00

成年後見制度とは

 成年後見制度とは、認知症など精神上の障害により判断能力が低下した人を守る仕組みで、成年後見人等を選任し、判断能力が低下した本人に代わって成年後見人等が財産管理身上監護をすることによって、本人が安心して生活できるよう保護・支援することを目的とした制度です。

法定後見制度と任意後見制度

 

 成年後見制度には、利用する人の判断能力に応じて法定後見制度任意後見制度の2種類があります。

 

法定後見制度とは、既に判断能力の低下が見られる場合に利用できる制度です。一方、任意後見制度は、本人の判断能力に問題がないときに、将来判断能力が不十分になった場合に備え、事前に契約を締結しておく制度です。

 

判断力が低下した後に利用される法定後見制度に比べ、任意後見制度ではいつ・誰に・何を頼むかを本人自ら決定でき、本人の意思をより尊重することができる可能性が高いと言えます。

 

任意後見制度の事業承継活用

 

こうした特色を活かし、任意後見制度を事業承継対策として活用する場面もあります。

 

たとえば、本来円滑な事業承継のためには5?10年程の長期的なスパンがほしいところですが、経営者が高齢である場合などは計画的な事業承継を行うことが難しいこともあります。

 

事業承継の対策時には多くの法律行為を伴うことがありますので、経営者が正常な判断をできるうちに、信頼のおける任意後見人を選任し契約を結んでおくことで、不測の事態に備えることができます。

 

任意後見契約の締結

 

 任意後見制度は、公正証書によって任意後見契約を締結することで利用できます。

 

任意後見契約が締結されると、公証人により登記が嘱託され、本人や任意後見人になる方の住所氏名や代理権の範囲などが法務局で登記されます。

 

任意後見人はこの契約に定められた範囲で事務を行いますが、婚姻・離婚、養子縁組などの身分的行為に属する事項や、介護や送迎、掃除・洗濯等の事実行為などに関しては、任意後見契約で委任することはできません。