D3_経営全般

目標管理制度における目標設定では、数量化が難しい「質的向上目標」の設定をしなければならないケースが生じます。


 例えば、経営戦略上「マーケティング施策の質的向上」が重要とされ、経営目標として示された場合をモデルケースとして採り上げて見ましょう。


その場合、マーケティング部門では組織目標・達成基準の適切な設定が課題となります。


質的向上目標設定のカギ

「質的向上目標」以外の「成果の量的達成・業務プロセスにおける効果の量的達成目標」では、達成基準が数量的に設定しやすいと言えますが、「質的向上目標」では、


一般に次の課題解決がカギとなります。


①何をもって目標達成基準とするのか、達成度を評価する項目の設定(一般に複数の評価項目と評価基準・重要度ウエイト)

②客観的評価方法の設定

 誰がどのように評価するのか、本人以外の評価者の決定


[質的向上目標・達成基準]例

目標:「商品展示会の効果性向上」

評価項目

評価基準

ウエイト

顧客の反応

商談アポ件数

40

70

商品試用件数

10

デモ視聴者数

10

説明書受取り数

10

展示の質

USP訴求展示(注)

20

30

layoutの巧みさ

10

(注)USPUnique Selling Proposition

    (独自の売り提案)


客観的評価方法の設定

 評価の公正性・納得性を確保するため、事実状況の観察に基づく客観的評価方法を設定する必要があります。


上記の例で、「顧客の反応」の評価基準については、客観的観察データで評価することができますが、「展示の質」の二つの評価基準については、自分達が共同で努力した結果である、展示の質について、最も経過の状況事実を知っている仲間の「相互フィードバック」による評価方法、例えば全員が参加し、5点法による採点で評価するような方法を採るのが適切です。


経営者・管理者の留意点

 このような目標達成基準の設定・評価方法は、チームワークの強化にも役立ちます。

目標管理制度は、我が国企業の80%以上が活用しており、その内少なくとも50が、何らかの問題点について改革する計画を持っております。


目標管理制度の問題点と改革課題

 問題点の多くは、目標管理制度の目的の見直しにさかのぼるケースが多く、それらを①~④に大別し、それぞれの改革課題(ワク内)を要約すると次の通りです。


①制度の活用目的が不鮮明

「経営戦略目標を達成するための業績管理制度」とする(組織と社員一人ひとりが与えられた役割・責任・成果責任、または期待貢献に応じて目標を分担し、活力をもって達成する制度とする)。

目標達成度評価の公正性・納得性が確保 できない

目標達成度評価の主眼を「経営貢献度」に置き、公正性・納得性をもつ評価を実施し、等級・賃金等の処遇に反映する。

③目標設定方法が不明確

社員の「経営戦略目標に基づく主体的・挑戦的目標設定」を行う方法を設定する。

・経営計画・経営目標をカスケードダウン(段階的順次細分化)により、組織・チーム目標・個人目標へ的確に配分する。

・役割・職務等級制度とリンクし、役割・成果責任・期待貢献に基づいて目標設定を行う。

・目標設定対象業務の性質に応じて達成度評価がしやすい達成基準を設定する。

・より挑戦的な目標設定へ誘導するため「チャレンジ度」を設定する。

④制度運用が組織と人の活力向上・チームワークの強化・挑戦し続ける組織の開発・人材育成に結びついていない。

目標設定・達成プロセス・貢献度評価を通じて、全組織と社員が参加する組織開発によって運用する。

・組織開発の原理と手法(ファシリテーション)による目標設定、プロセス管理

・目標設定・達成プロセス・評価を通じた人材育成の仕組み化

・評価における相互フィードバックの活用

経営者・目標管理担当管理者の留意点

以上の問題点・課題は、複数の専門領域の改革を行うため、プロジェクトチームによる共同目標とするのが適切であり、改革案の検討・実施には数年を要し、510年のサイクルで改革に取り組む重要案件となることに留意して取り組みましょう。

評価の納得性確保は、目標管理制度・人事賃金制度が、社員の信頼を得る基本的な条件ですが、1次評価者としての管理者が持つ悩みと解決策の視点から、この問題について考えて見ましょう。


管理者の悩みと問題現象

管理者の悩みと、それに伴って生ずる問題現象を整理して見ますと、次の通りです。


管理者の悩み

問題現象

被評価者が評価結果を納得しないことから、不平・不満を言われたくない。

意図的に高めの評価を行い、被評価者に誤った甘いメッセージを与え、能力開発努力を妨げる。

被評価者の不満が多いことから、管理者としての評価能力の低さが問われかねない。

管理者として自己の評価能力に不安を抱きながら、評価を続けざるを得ない。

確信が持てる評価材料が得られない。

恣意的な評価を自分に許す。


このような悩みと問題現象は、経営にとっても、管理者自身のマネジメントにとっても、また被評価者にとっても到底望ましい状況とは言えません。


適する解決策のポイント

解決策が具備すべき条件と、適する解決策は次の通りです。

 

解決策の条件

適する解決策

公正な評価基準に基づく評価であること。

経営貢献度(所属組織の目標達成に対する貢献度)を評価基準とする。

評価根拠が目標達成プロセスの事実状況に基づいていること。

目標設定・目標達成プロセスの状況事実について直接的に知っている仲間が提供した「相互フィードバック情報」に基づいて評価すること。

評価者が確信をもって評価し、被評価者も納得して受け入れること。


経営者・人事担当役員の留意点

管理者の悩みは、自分からトップに対して打ち明け難いことがらであることを察して、経営者として「被評価者の納得性確保が重要である」との立場から対策を講じたいものです。

目標管理制度において、定型的職務の場合、評価結果の納得性を確保することは、非定型職務と同様に重要課題ですが、職務の特性を考慮した対策が必要になります。


評価の納得性を確保するポイント

①定型職は生産技能職・販売職など「チームワークによる成果・貢献目標が適すること」「個人の技能習熟度レベル向上が目標となること」から、それらを考慮した目標設定を行います。


[チーム目標・個人目標設定例]

目標

期待される成果

(目標達成基準)

チームメンバーの個人業績評価基準(ウエイト)

共同目標

計画に基づく数量・品質・納期・生産性向上・コストダウン等の共同達成

チーム共同目標達成度によりメンバー全員に対して同じ評価

(例・60%)

個人

目標

 

チーム目標を達成するための個人別技能レベルの向上(個々の役割や社内等級に応じた「技能発揮レベル定義」に基づき個別に設定)

個人別に設定した技能レベル向上目標の達成度・チーム目標達成貢献度を評価

(例・40%)

 

②個人目標達成結果を「組織目標達成への貢献度で評価」し、その評価をチーム共同目標を設定した仲間同士の「相互フィードバック」によって行う。

 ・技能レベル向上目標達成度と共同目標達成に対する貢献度

 ・仲間に与えた影響

 を評価基準とし、その結果を自己評価・管理者の評価で重要な参考とする。


③フィードバック面接

・本人(被評価者)と管理者(1次評価者)の準備:相互フィードバック結果から、反省点・アドバイス・次期の課題など

・自己評価と管理者評価の擦り合わせ、違いの調整

・業績・能力開発に関する今期の反省点と次期の努力確認

・管理者による期待・激励


経営者・管理者の留意点

 定型職の場合「共同目標設定」と「相互フィードバック」が、納得性確保のポイントです。

役割貢献度賃金制度において、非定型職務では、等級別重複型範囲職務(職能)給の賃金体系を活用しますが、ここでは、その昇給方法(メリット昇給)について解説します。メリット昇給とは、貢献度評価に応じて昇給する方法を言います。


各扱内の昇給方法

 各級内の昇給ポイントは次の通りです。


①各扱の範囲給を2040段階の「号給」で区分する。

②中間点を標準額とし、下限額から中間点まで速いスピードで昇号させ、なるべく速く到達させる。(例えば、標準B評価で5号の昇号・3年で中間点到達)

③中間点から上限額までは、より遅いスピードで昇給させる。(例えば、標準B評価3号の昇号・6年で上限額に到達


級間の昇給・降給方法

"高い(または低い)貢献度評価"を積み重ねた結果で、次のように、昇格昇給、または降格降給します。たとえば、

①中間点以上で「2年連続してA以上の評価を受けた場合」は昇格昇給する。

②中間点以上で、「2年連続してC以下の評価を受け、中間点以下となった場合」は降格降給する。


経営者・人事担当管理者の留意点


 上記で例示した基準は原則的な考え方によるものです。自社で適用した場合をシミュレーショナルに検証し、また実施に伴う評価の納得性確保対策を講じて、各社ごとに適切なデフォルメを行い、実現させて頂きたいと思います。


日本経団連が、2008年度に提唱した「仕事・役割・貢献度に基づく賃金制度」を契機として、日本の企業では、旧来の年功賃金から役割貢献度賃金へ転換するケースが目立っております。 

 

 役割貢献度賃金の設計方法

この役割貢献度賃金では、仕事・役割に基づく貢献実績を評価した結果を賃金制度に反映しやすい設計としなければなりません。


管理職のケースで、代表的な賃金体系を例示しますと、図の通りとなります。

①月例給の賃金体系を役割給と貢献給(業績による経営貢献度を反映する給与)に区分します。

②役割給は課長・次長(または副部長)・部長等、役職の役割・責任に対して支払う給与で、一般に役職別単一給とします。なお、M1級~M3級を、所管部署の役割・責任の大きさ等からさらに細分化し、例えばM1級~M5に区分する場合もあります。

③役割給は、目標管理制度などによる経営貢献度評価の積み上げで、昇給、または降給します。

(たとえば、「2年連続して、経営貢献  度評価A以上、役割変更で昇給」。「2年連続して経営貢献C以下で降格・降給」)


④貢献給は、管理等級別の重複型範囲給(各級別の給与額に範囲を設定、上位級と下位級の給与額が重複する設計)とし、各級に評価ランク別5段階の定額を設定、下表のように、毎年の経営貢献度評価に基づいて、級内で洗い替え(各級の範囲内で賃金の増額・減額)を行います。


[評価別適用貢献給例・単位千円]

評価

S

A

B

C

D

評価差

M3

600

550

500

450

400

50

M2

480

435

390

345

300

45

M1

380

340

300

260

220

40

 
貢献給(業績給)の割合で、インセンティブが大きく変化します。

我が国では、人口減少に伴って国内市場の縮小傾向が強まり、生産拠点・消費地として中国・東南アジアが大きな存在となっており、人材確保が重要課題となっております。


海外事業活動の変化

 経済産業省「海外事業活動基本調査」によれば、下表の通り海外事業が拡大しており、特に2008年以降の非製造業の現地法人数の増加が顕著で、04年比1.86倍に達しております。


 

海外現地法人数

現地法人従業員数

2014

24,011

575万人

2004年比倍率

1.60

1.39


また、国際協力銀行の調査によると、製造業の海外生産比率・海外売上高比率は大きく高まっており、2016年度(実績見込み)は4割に近づいております。さらに今後3年程度の中長期的な海外事業の見通しについて、80.5%の企業が強化・拡大すると回答しています。


海外事業展開を支える人事施策課題 

海外拠点の増加に伴い、経営の現地化も視野に入れ、現地の幹部候補人材やナショナルスタッフの採用・研修・育成など、現地従業員のマネジメントを担う人材確保育成が課題となっており、特に中堅・中小企業において、本社の従業員を海外拠点に長期間配置するケースが増えています。


人材確保に関する経営者の留意点

グローバルに活躍できる人材確保を図るには、次の施策が必要です。


①人材要件の明確化

事業推進上の知識・技術・語学力・マネジメント力・海外事業に取り組む意欲等は当然ですが、長期派遣の場合、見逃せない要件として、"現地適応力"、それも家族を含めた適応力を挙げておきます。


配偶者の語学や現地適応力が不足したため、本人の現地生活が成り立たなくなった、という残念なケースも存在します。


②ウエイティングリストによる人材確保

上記のような人材要件を組み込んだ、海外長期派遣人材のウエイティングリストを整備し、次々と必要な人材を選択・動機づけ・育成を図る中長期的施策をお勧めします。


人・組織づくりは、マネジメント改革・人事制度改革など、単一の制度改定だけでは成し遂げられない困難性をもっております。最近の5年間に「未来価値創造に挑戦する人・組織づくりの構造的改革」を推進してきた、大手電器メーカーP社の事例紹介を通じて、「構造的改革」の意義を考えてみましょう。


構造的改革の意義


図示したように同社の構造的改革は、以下の通り、四つの改革から成っております。


構造的改革の目的

未来価値創造に挑戦する人・組織づくり

人材マネジメント改革

個を育て、個を生かすマネジメント力の強化

組織マネジメント改革

・事業部経営の強化

・変革にチャレンジする強い個と集団をつくるマネジメント力強化

処遇制度改革

・年功処遇要素の是正、透明性

・納得性を持つ処遇制度の構築

組織風土改革

上記の改革を支える

・時間余裕を創りだす働き方改革

・多様な人材を活用するダイバーシティー経営

・シンプルでマネジメントしやすい制度への改定


このように、最終目的を達成するために必要な四つの改革をそれぞれ推進するとともに、相乗的な効果を狙う点に構造的改革の意義があると言えましょう。


経営者の留意点


 経営実態によって改革課題は異なりますが、特に人と組織の改革は、このような構造的改革を必要とすることが多く、トップの視点で、改革目的・改革対象など改革方針を明示しましょう。


経営改善計画の簡易版です

 従来の経営改善計画は、金融機関からリスケジュール等の返済条件を緩和してもらうことを目的として策定するものです。早期経営改善計画では、そういった金融支援を得ることを目的としていません。国が認める士業等専門家の支援を受けながら、早いうちから自社の経営を見直すために現状分析から資金繰り、ビジネスモデル図など簡易な計画を策定し、金融機関に提出するものです。

 

どういうメリットがあるか?

①自社の経営を見直すことにより新たな問題と経営課題の発見や分析が出来ます。

②目標を設定する事により、目指すべき姿が明確になります。

③自社のビジョンについて金融機関と共有することが可能になります。

 

活用までの流れ

 事業者は金融機関に対して、事前に本事業を活用することを相談し、認定支援機関と連名で経営改善支援センターに利用を申請します。


 早期経営改善計画を策定し、その計画について金融機関に提出した場合、早期経営改善計画策定にかかる費用を補助されます。


 早期経営改善計画策定後1年を経過した最初の決算時に、モニタリングを実施します。これら早期経営改善計画策定支援に要する計画策定費用とモニタリング費用の総額について、経営改善支援センターが2/3(上限20万円)を負担するものです。

 

早期経営改善計画策定には「ローカルベンチマーク」の利用を推奨します

 ローカルベンチマークは企業の現状分析をする為のツールです。経営者や金融機関、認定支援機関が同じ目線で対話を行うための基本的なフレームワークです。具体的には6つの指標による経営状態の変化に早めに気づき、早期の経営改善に役立ちます。

 

 売上高が年々減少傾向にあるがその要因がよく分からない、あるいはこのままでは先行きが不安なので、経営の見直しを行いたいといった問題が生じている企業は検討しても良いかと思います。

目標管理制度の運用でよくある問題点のひとつとして、「評価の上振れ」があります。すなわち、目標達成結果の評価において、一次評価者(管理者)が、誤った配慮を行い、被評価者に対して、実際よりも高い評価をしてしまう傾向を言い、部下に誤ったメッセージを送ることで、自己の能力開発努力を妨げるなど、好ましくない影響が生じます。その問題を掘り下げ、原因と対策について考えてみましょう。


上振れ評価の根本原因

その原因は、上司が「部下から評価結果について文句を言われたくない」「部下の努力を認めてあげたい」「有能な部下を囲い込みたい」など部下への配慮が原因とされますが、それらは表面的な原因に過ぎず、根本的原因は次のような点にあると考えられます。


①制度の目的と評価基準の曖昧性

目標管理制度の目的は「経営目標達成のための業績管理」にあり、したがって目標達成結果の経営貢献度(所属組織目標達成への貢献度)を評価基準として評価することが制度設計上不明確である。


②上司が確信をもって的確に評価するための公正性・納得性が高い評価材料が得られないため、自己の裁量による評価を行わざるを得ない。


納得性が高い評価の実施方法

評価者が自信と確信をもって評価を行い、部下の納得性も高い評価結果を得るには、次の点について徹底することが必要です。


①評価の目的・基準の整備

 目標管理制度は経営目標を達成する業績管理を主目的としており、達成結果は、経営貢献度の大きさを基準に評価する。

②公正性・納得性を確保する評価材料

目標設定、運用を通じて協力し、お互いの組織目標達成への貢献行動・結果を良く知っている仲間の真摯な相互フィードバックを実施し、その情報を使い、自己評価・上司評価を行う。

③運用を通じた貢献意識の生成

経営貢献を意識した目標設定・問題解決・貢献度評価を行う。


経営者の留意点

評価の上振れの根本原因に遡って、上記のような対策を講じ、管理者が自信と確信をもって被評価者の経営貢献度評価を実施できるようにしましょう。

役割等級制度は賃金・昇格その他の処遇決定の基軸となる重要な制度ですが、その決定方法は社員が公正性・納得性を感じられるようにしなければなりません。


等級基準の決定方法

 欧米流に職務価値を論理的に分析、点数化して決定する方法がありますが、我が国では従来の社内格付け秩序との乖離が生じて社内に不満など混乱が起こりがちです。


 ここでは役割貢献給の導入の基軸として社員の納得が得られやすい、一般社員の社内等級制度構築方法を紹介させて頂きます。


①社内等級基準は表に示したように、

仮等級1~5等級を決める。

・直近数年の職種別・個人別業績・能力発揮の実態を調査し、1等級・5等級に相当する実績から、職種別に各級の役割・期待貢献・発揮能力を定義する。

・同様に3等級について定義し、次に4等級、2等級について定義すると、級間の比較、検討が進めやすい。

②営業職・企画職など、他の職種について も、①と同様に検討、定義する。

③目標管理制度の目標設定、チャレンジ度設定・貢献度評価に1~2年使用し、その実績から、等級と基準を補正する。


等級基準の定義方法 例(生産職)

等級

役割・期待貢献

発揮能力

・グループ統括

・生産性〇%以上

・工程改善技法

 △△活用

・・・・

・・・・

生産数量100個/時間、不良率△以下

・中級生産技能

・管理図、相関図不良解析・改善、標準改定

・・・・

・・・・

生産数量70個/時間、不良率△以下

・初級生産技能

特性要因図

・パレート図不良原因解析・改善、標準改定


等級基準設定のメリット

 このように、職種別の等級基準を検討し、職種間の調整を行うと、等級決定にあたって、社員の納得が得られやすい、目標管理制度における目標設定・貢献度評価の基準が明確になる、発揮能力定義から能力開発の目標が定まり、人材育成が進め易くなる等のメリットが生まれます。

賃金等労働条件の不利益変更には、労働契約法に定められた要件をクリアする必要があり、役割貢献給の導入など、賃金制度の改定にあたって、変更内容検討・労働組合との話し合い等適正に対処しなければなりません。


不利益変更が可能な要件と対処法

 労働契約法第9条・第10条で定めている不利益変更の可能要件の概要と、対処法は次の通りです。


要件の概要

対処法

労働者の受ける不利益の程度

改定賃金制度への移行に伴い、不利益が生じる対象者と不利益の程度を把握、代償措置・緩和措置を講じ、他の労働者の改善を示す。

労働条件の変更の必要性

経営目標の達成には、社員の経営貢献度評価と役割貢献給が不可欠である等、高度な必要性、合理性を持たせる。

労働条件変更内容の相当性

世間一般の労働条件、同業他社の労働条件と比較して相当であることを示す。

労働組合等との交渉の状況

制度改定の推進プロセスで労働組合(または社員の代表者)に、役割貢献給による賃金制度、評価制度、目標管理制度などについて、変更内容を随時説明するとともに、質疑応答で理解を深め、意見・要望を聞き、その経過を記録しておく。

その他の就業規則の変更に係る事情

 

経営上、異常な労働分配率が赤字体質の原因となっている等、特別の事情があれば、賃金制度改定目的・内容に盛り込む。

上記の要件に照らして、的確に対処し合理性がある変更であることを示す。


経営者・人事担当役員の留意点

制度改定を進める上でのポイントは次の通りです。

・経営上の必要性・合理性が得られるよう賃金制度改定の検討を行い、シミュレーションにより、具体的な効果や不利益変更など問題点の把握と対処法を検討する。

・労働組合、又は社員代表者への説明、協議を丁寧に行い、理解、納得を得る。


現状の賃金実態が年功型となっており、社員の高齢化と相俟って年々総額人件費が増加し、経営を圧迫しつつある場合、なるべく早く役割貢献給へ改定することが必要と言えましょう。


役割貢献給への改定手順


 役割貢献給への改定を行う場合の手順として、現状の賃金実態が年功型であり、賃金等処遇の基軸となる役割等級制度の整備も不十分なケースでは、次のような改定手順がおすすめです。


①現状の賃金実態(個人別の年齢・職種・


 社内等級・月例賃金・内訳、賞与額、年収)を一覧表で表示する。


②賃金実態から、現状賃金制度の具体的な問題点をチェックする。


 ・職種別・社内等級別月例賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、等級間の逆転現象など不自然な点をチェックする。・賞与・年収についても同様にチェックする。


③社員全体、及び職種別の年齢別賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、年功化などの問題点をチェックする。


④社員アンケート、または聞き込み調査などにより、賃金制度・等級制度・評価制度とその運用に関する問題点を具体的に把握する。


⑤問題点を解決しうる役割貢献給の賃金体系・運用のあるべき姿について"ベンチマークすべき先行例"を探る。


⑥日本経団連等の賃金調査資料・人事院の生計費等から、職種別・等級別のあるべき月例賃金水準の見当をつけておく。


⑦自社の役割貢献給のあるべき姿について、⑤⑥を参考に基軸となる役割等級制度・改定賃金体系・賃金額・評価・反映などの運用方法を決定し、問題点解決が可能であることを確認する。


⑧個人別に現状賃金と改定賃金の差額を賃金制度移行調整額として、2~5年で償却する計画を立て、実行する。


経営者・人事担当役員の留意点


 労働契約法で賃金等就業規則の不利益変更について、可能となる要件を「労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更内容の相当性、労働組合等との交渉の状況、その他の事情に照らして合理的なものであること」と定めており、それらに注意深く対処して改定を進めましょう。


最近は「健康経営」と言う言葉を耳にする機会が増えています。健康経営とは従業員の健康管理を「コスト」ではなく「投資」としてとらえ、積極的に従業員の健康管理・増進に取り組んでいくと言うものです。


従業員の活力向上、生産性アップ、企業ブランドイメージの向上等の効果が期待されています。


国も積極的に健康経営を推進しています。

経済産業省が東京証券取引所と共同で実施する「健康経営銘柄」、協会けんぽ東京支部では健康企業宣言、厚生労働省では安全衛生優良企業公表制度等があります。


経産省の「健康経営優良法人認定制度」

 この制度は経済産業省が主導し、優良な健康経営を実践している大企業、中小企業の法人を顕彰する制度です。


 従業員、求職者、関係企業や、金融機関等から「従業員の健康経営を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として健康経営に取り組む優良な法人と社会的に評価を受ける事ができる環境を整備する事を目的としています。


認定を受けるとどんなメリットがあるのか

大企業だけではなく中小企業も対象となり、2017年の認定企業は221日に公表され大企業法人部では235法人、中小企業法人部では95法人が認定されています。


 認定を受けた法人には金融市場(低金利融資、従業員の住宅ローン優遇)や労働市場におけるインセンティブが付与され地域に応じた支援を整備してゆくとしています。


認定の基準とは

 中小企業に対する認定基準は健康経営銘柄の評価をベースに全国各地の類似制度を参考に設定され、14の評価項目が定められています。

①経営理念、経営者の自覚、健康宣言の社内外への発信、経営者の健診受診

②組織体制・・・・健康づくり担当者の設置

③制度、施策実行・・・・従業員の健康課題の把握と必要な対策検討(定期健診受診率、ストレスチェック実施等)、健康経営の実践

④評価・改善

⑤法令遵守・リスクマネジメント

 

認定を受ける、受けないにかかわらず健康経営を目指す意識と実践は重要な事でしょう。

"ベンチマーク"とは「他社の優れた経営方法やマーケティング戦略などを探し出し、自社のやり方や手法との違いを分析し、それに基づいて自社の経営や営業手法などを改善する管理手法のこと」を言いますが、安易に使うと、単なる物真似に陥り、自社が持っていた特色を失うなど、得策とならない場合もありますから、注意して、有効に活用したいものです。


"ベンチマーク"活用の注意点

"ベンチマーク"をうまく活用するための注意点を挙げますと次の通りです。


①自社で使っている経営方法、製品開発の方法などについて、現状の問題点・改善改革の課題を整理して把握する。

  その方法として、現在その業務に関与している役員・管理者・一般社員が失敗経験などの状況事実から、問題点を抽出する。同時に自社の方法が持つ特色、他社に比べて優位であると思われる点を認識しておく。

②整理した問題点や課題を解決するのに、有効と思われる他社の方法・システムを調査、特定する。"ベンチマーク"の対象は特定の企業1社に限らず、複数社としても良く、それらの組み合わせ、活用でより高度な問題解決、改革が図れることが期待される。そのためにも、①の自社の問題点を分析し、「知りたいことは何か」を把握しておくことが、"ベンチマーク"すべき他社の方法・システムなどの発見と比較・評価・選択に役立つ。

③"ベンチマーク"すべき他社の方法・システムなどは、自社の業界に限らず、他の業界にも眼を向けて探索する。

  例えば、製品開発のステップ・目標管理制度・人事賃金制度の仕組みや運用方法などは、特定業界に限らず、優れた"ベンチマーク"に適する事例が存在する。

④以上の①と②③で得た"ベンチマーク"対象を参考にして、"自社の方法・システムを改善・改革した時のありありとした姿"を検討し、具体的に記述する。これが、改革構想である。


経営者・管理者の留意点

"ベンチマーク"による改革構想は、重要な経営課題について、プロジェクトチーム目標を設定するのに適しており、メンバーが主体性と挑戦意欲、協力意識をもって、改善・改革を実現することが出来る目標となります。

在宅勤務等テレワーク制度導入は約1

連合総研(公益財団法人 連合総合生活開発研究所)が実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」の結果が公表されています。民間企業に勤める男女2千人を対象にインターネットで行ったこの調査には、自宅等オフィス以外で働く「テレワークの制度」の導入状況についての質問事項があります。それによるとテレワーク制度が勤務先に「ある」と回答した従業員が9.7%だったそうです。従業員千人以上の企業では導入率は19.1%が「ある」と答えたのに対し、99人以下の企業では5.0%に留まっています。企業規模で制度導入に差が出ています。


テレワークで働きたいか

「今後自分が在宅勤務型のテレワークで働きたいですか?」の問いには「わからない」と回答した割合が最も多く42.4%、「働きたい(働き続けたい)と思う」が27.4%、「働きたい(働き続けたい)とは思わない」が30.3%となっています。この調査でも現在テレワークで働いていると回答した人の割合は約1%なので、テレワークそのものがまだ広く普及されておらず回答する側にも認識が低いと言えるでしょう。実際どんな働き方になるのかイメージし難いのかもしれません。


徐々に進む制度導入

このような状況の中で最近は政府が提唱する「働き方改革」の流れでテレワーク普及を推進しようとしています。厚生労働省では東京都や経済団体と連携し2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機としてテレワーク普及を展開する方針で、その一環として東京大会の開会日に当たる724日を今年から「テレワーク・デイ」と決め、多くの企業や団体にテレワークの一斉実施を呼びかけようとしています。


 これまではセキュリティやコミュニケーションの疎通、労務管理、コスト面等の問題から導入をためらっていた企業も多かったと言う事ですが、最近はこれらの懸念材料を解消するツールが様々に用意されているようです。


 ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方は今後、中小企業でも導入が期待されるところです。

目標管理制度において、管理者の目標設定は、言うまでもなく部署別業績管理の要となる重要事項です。

管理者の目標設定目的

管理者の目標設定について、その目的を明確に認識することは、目標管理制度が担う経営貢献の高度化につながります。

すなわち管理者の目標設定内容は図に示した通り、組織目標とマネジメント目標であり、社員のプロジェクトチーム目標・個人目標・その達成プロセス・貢献度評価に関わり、次の目的を果たすことが必要です

   管理者が所管する組織の目標として、達成すべき業績目標と能力開発目標を設定する。

   同時にこの目標設定へ社員を参加させることにより、組織目標の意味・各自の果たすべき貢献を理解させ、主体的・挑戦的なプロジェクトチーム目標・個人目標の設定を動機付ける。

 また、組織としての能力開発目標を設定して開発すべき能力の全体像を示し、個人別能力開発目標の設定を方向付ける。

 マネジメント目標を設定し、組織目標からプロジェクトチーム目標・個人目標へのカスケードダウン(段階的な順次細分化)を的確に行うとともに、達成プロセスの問題解決等適切な支援、公正性・納得性の高い貢献度評価を実施する計画を立てる。

          

経営者・管理者の留意点

このように管理者の目標設定は、組織として実現したいことと、個々の社員が主体的に取り組みたいことを調和・統合する意義を持つこと、組織の目標管理制度運用にまことに大きな影響力を持ち、所属社員の目標達成力を高めることに留意して取り組みたいものです。

経営改革は、企業が外部環境に適応しながら生き抜き、発展し続けるための、グループ経営改革・企業経営改革・事業経営改革・機能経営改革を言いますが、ここでは、企業経営改革について述べます。


企業経営改革の絶対要件

 改革を実現するために、欠かせない要件は、「トップが経営改革を決断するとともに、改革の構想を持つこと」です。


 改革の構想とは、改革が実現されたときの "経営のあるべき姿"をありありとイメージし、現状の姿と比較したギャップを具体的にすることであり、このような構想がトップの経営改革推進におけるリーダーシップの根源となります。


 このような構想は、実現の担い手となる社員の理解と主体的・挑戦的な改革意識と行動を引き出す力を持たなければなりません。


 したがって、トップが自分だけで、机上で書いたものではなく、少なくとも中堅幹部以上の社員・役員が改革構想の策定に参画し、創意によって描かれた姿とトップの構想が限りなく一致するべきです。


 これを、経営改革の内部経営改革において、中心的な位置付けとなる目標管理制度改革を取り上げて考えてみましょう。


目標管理制度の改革構想

 目標管理制度は業績管理制度であり、社員の参加によって経営戦略目標の達成を図る企業経営改革の代表的制度です。


その改革構想の策定は、次のステップで進めるべきです。


①現状認識

目標管理制度の運用実態(例えば直近年度の目標設定状況・貢献度評価状況・運用上の問題点など)をトップ・管理者・一般社員が事実状況に基づいて記述、認識する。


その結果、どこがうまくいっているか、欠けているか、等を具体的に認識する。


②改革構想を描く

現状の姿から、問題点を改善しさらにレベルアップを図った制度の姿を描く。この時、先行例のベンチマークも役立つ。


経営者の留意点

①②の方法としてファシリテーションなどを用い、衆目が一致する現状認識・改革構想の発想を行うことが重要、かつ効果的であり、改革実現の強力な推進力となることは疑いありません。

目標管理制度では、衆知を集めて達成する必要がある重要で困難な目標について、プロジェクトチーム(以下PJ)目標を設定します。


PJの目標達成力を支える要因

そこでPJの目標達成力を支える要因を検証して見ましょう。


①目標設定の方法

目標設定にあたって、経営戦略目標の背景・重要性の理解を図り、その上で組織目標の設定・PJ目標・個人目標へのカスケードダウン(段階的順次細分化)による目標設定を行います。その一環として社員に「PJ目標が適切な目標はどれか」指摘する意見を求めるのです。これは、衆知によって適切なPJを編成するとともに、社員の自主的な参加意欲を引き出す機会ともなります。


PJリーダーの選定

PJリーダーは、目標の重要性・困難性を考えて、経営者・部長・課長が指名する場合が多く、その目標に関する専門知識・技術・経験、予算管理などのビジネススキルを持つ人材が望ましいのですが、さらにリーダーに必要なのは、マネジメント力です。 

   

その要件とは、

・権威型人材(実績・知識・経験などからにじみでる人格で、人を動かせる人物)

・目標設定・達成プロセスでメンバーの主体的・創造的な問題解決能力を引き出すファシリテーション能力に優れる人材。


③メンバーの選定

 適切なメンバーとは、

・目標達成に関係する多様な専門能力のいずれかに優れている人材の組み合わせ。

・リーダーや他のメンバーとの葛藤を恐れず、自らの意見を真摯に、率直に出すことができること。(主体性がなく、リーダーに追随するタイプのメンバーを選ばないこと)。


④目標設定のあり方

目標設定では、リーダーのファシリテーション能力で、メンバー全員が「ゴールの姿をありありと描ききること」が最重要です。その状態では、メンバーの目標達成意欲が最高に高まり、目標達成までのプロセスを決定づけるからです。


経営者・管理者の留意点

PJリーダーの人材は、一朝一石に育てることは難しく、PJ体験を積ませる長期的育成施策を実施しましょう。

最近の目標管理制度では"貢献度"を重視した制度設計を行うケースが増えています。そこで、"貢献度"と言う概念が、どのように役立つのか、その意義を確認しましょう。


"貢献"の多面的な意義

"貢献"には、次のように様々な意義があります。

①上位目標への貢献

目標設定において、個々の社員の目標は、所属する組織・プロジェクトチームが設定した目標達成に貢献し、最終的には経営の最上位に置かれた経営戦略目標達成に貢献しなければならない。

  このため、目標設定では経営戦略目標からカスケードダウン(段階的順次細分化)することにより、上位目標と下位目標を整合させる。

②役割等級に応じた貢献

与えられた職種ごとの役割等級に求められる成果責任や期待貢献・必要な職務遂行能力が定義され、それらにふさわしい貢献が必要になる。そのため、目標設定においては、所属組織・プロジェクトチーム内でメンバーがお互いに上位目標に貢献でき、役割等級にふさわしい貢献となることを確認することが必用になる。

③貢献度評価

  目標達成度の評価は、上位目標の達成に対する貢献度で評価される。

  そのため、個々の目標については達成度で評価しても、個人別の複数目標達成に対する最終的な総合評価基準は貢献度となる。

④貢献度評価の方法

  貢献度評価で、最も重要な手段は、組織やプロジェクトチームに所属するメンバーの相互フィードバックである。

  評価基準は貢献度であるが、共通の目標にチャレンジし、お互いの努力を良く知っているメンバー同士の真摯な相互フィードバックにより、その貢献を事実として認め合うところに、相互に信頼し合うチームワーク生成の価値が存在するのである。


経営者・管理者の留意点

 ~④の"貢献"の多面的意義は、目標管理制度の年度毎の目標達成に役立つばかりでなく、その後、長期にわたって経営目標を達成し続ける組織の力となることに留意しましょう。

目標管理制度は経営戦略目標を達成する業績管理制度であり、そのために、自社の組織と社員を主体的・挑戦的に動かすマネジメントシステムともなっています。


 その推進プロセスでは、経営者・管理者の権威や権力が使われることになりますが、それらの特質を知らずに使うことは、目標達成の足を引っ張ることになりかねません。


"権威と権力の特質"

権威と権力の違いは次の通りです。


権威

その人の過去の実績や振る舞いから、自然に身に付き、人格からにじみ出るもので、他者の信頼を得ることが出来る。全ての経営者・管理者に備わっているとは限らない。

権力

ポストに付随する外から与えられた力で、他者を従わせる強制力を持つ。経営者・管理者に必ずある。

 

したがって、経営者・管理者が目標管理制度の目標設定、推進プロセスでマネジメントを行なう時、権威的であれば、所属組織の社員は、その指導・支援に積極的に従い、期待に応えて活躍してくれます。


 逆に権力を前面に出して、指導しようとすれば、反発を招きかねません。

 経営者・管理者が、自らの努力で備えた権威を持たず、ポストに与えられた権力で強制して組織・社員を支配する目標設定、目標達成を図れば、その主体性や挑戦意欲が失われてしまいます。


反対に権威が機能し、権力はその背後にある組織では、社員が納得し、進んで目標達成に挑戦する強い組織になるでしょう。


経営者・管理者の留意点

経営者・管理者が、権威を重視し、自らを省みて権威を高めるには、次のような努力を継続することが必要です。


自分に備わった権威とは何か、その権威は、どのような努力と実績によって備わったのか、を毎年、目標設定の前段階の一定時期に自己評価する。

 年度の目標設定や達成プロセスのマネジメントで自分が持つ権威をどのように生かすかをマネジメント目標として設定し、実行する。


経営者は、管理者研修などで、管理者が権威の涵養や活用について、相互に話し合い、相互啓発、自己啓発を行う機会を設けるなどの支援を行う。

目標管理制度において、能力開発目標は特に一般職社員に対して設定を、義務付けることが多いと言えます。


 能力の向上は業務目標の達成に役立つことは自明であり、中途採用者は別として、一般社員は能力開発の過程にあるからです。


能力開発体系の整備

能力開発を効果的に進めるには、図に例示したような能力開発体系を整備しておくことが大切です。


その基本となる「職種別・等級別能力要件は、例えば次のように設定します。


営業企画職の能力要件例

等級

役割・期待貢献

能力要件

上級企画職

顧客開拓のマーケティング総合企画

・マーケティング4Pの専門知識(注)

・上級企画技術

中級企画職

4P別マーケティング企画

・担当分野の専門知識

・中級企画技術

(注)マーケティング4Pとは、Product(商品政策)・Price(価格政策)・Place(販路政策)・Promotion(販売施策)

 

生産職の能力要件例

等級

役割期待貢献

能力要件

上級生産職

・商品全般

・品質管理

・品質改善

・品質管理の体系知識

・実験計画法の理論

・実務知識

中級生産職

担当商品の品質管理

QC7つ道具の実務知識




能力開発の留意事項

能力開発を効果的に進めるには、能力開発目標を設定した上で、知識・技術を習得するための適切な内部研修・外部研修を受講させ、実際に業務目標達成に活用させること、さらに、その活用状況を発揮能力として評価し、役割等級の昇級条件とすることが本人の意欲的な能力開発に役立ちます。

自分の責務に忠実なこと≠会社全体の利益

 自分の担当する業務にとってプラスとなることをしても、それが必ずしも、会社全体の利益につながるわけではありません。


(1)機会損失を恐れすぎると...

「買いたいというお客さんが現れた時にすぐに売れるような体制でいたい」という営業マンの気持ちもわかります。しかしながら、営業マンが機会損失(=売れるのに商品がなくて販売を逃すこと)を恐れる気持ちが強くなり、あれもこれもと品揃えをしたくなると、結果として会社の在庫を増やしてしまいます。


(2)大量仕入れで単価を圧縮できた結果...

 仕入れの担当者は、いかによいものを安く調達するかに心をくだきます。大量に仕入れをすれば、1個当たりの仕入れの価格は小さくなります。しかしながら、コスト削減に力を注ぐあまり、往々にして、売れ残ってしまう在庫を増やしてしまう事態を引き起こしかねません。


なぜ「在庫=罪庫」といわれるのか?

管理会計のススメ

機会損失・購入単価引下げvs在庫

 ものを買うと代金を支払わなければなりません。お金は先払いですが、売れるまでお金は入ってきません。仕入れの代金を借入金で支払っている場合には、その借入の利息も発生します。在庫が増えれば、倉庫代や在庫の管理費もかさみます。すなわち、在庫には「仕入れ代金の先払い+借入金利息+倉庫代+在庫管理費」がかかるのです。これが"在庫は罪庫"といわれる所以です。


会社全体を見渡すのが社長の仕事です

社員は、それぞれ自分の担当する業務で成果を上げることが会社の利益につながると思い、懸命に頑張ります。しかしながら、それぞれの担当が良かれと思って行っていることが、会社全体にとってはマイナス方向に働く場合もあります。


会社全体を見渡し、適宜軌道修正をして、会社全体としてプラス方向に働くよう導くのが社長の仕事です。


会計数字を生かす

過剰在庫は悪と言われても必要な在庫は持っていなければなりません。適正在庫はどのように求めればよいのでしょうか?


たとえば、在庫には在庫回転期間というものがあります。適正水準は、業界ごとに違います。同業種・同規模の他社の数字が参考となります。また、自社の過去の数字との比較も役立ちます。会計事務所の担当者に聞いてみましょう。

目標管理制度は人事賃金制度と不可分な機能を持ち、両者が相俟って経営業績を支えています。両者の機能を俯瞰的に見ますと図に示した通り全体と部分の関係を把握することが出来、制度の問題点検討や改善課題の発見、解決策検討などに役立ちます。


二つの制度の機能体系と関連


   目標管理制度は、経営戦略・経営目標を達成するための「業績管理制度」です。


 すなわち、図の左側に示したように経営戦略・経営目標を策定し、その実現を図るために組織設計を行い、業績目標の設定・プロセス管理・貢献度評価のフローで運用することによって、その機能を果たします。


   一方、人事賃金制度は、役割等級制度・役割・貢献度賃金制度に基づく評価制度によって人材の処遇を決定し、人材配置を行う機能を発揮します。


 言い代えれば目標管理制度によって経営目標を達成するための人材供給機能を果たしていると言えましょう。


両制度の連結点


目標管理制度と人事賃金制度は運用フローから見ると二つの連結点があります。


   第一の連結点は、目標管理制度の「業績目標設定」と「人事賃金制度」の人材配置にあり、組織設計に応えて、役割等級・成果責任を有する有能な人材を配置することにより、経営目標達成へ向けた「業績目標設定」が可能になります。


   第二の連結点は目標管理制度の「貢献度評価」と人事賃金制度の「評価制度」で、貢献度が公正性・納得性をもって評価できる評価制度の確立が求められます。


このような、全体像と部分の機能関係から両制度の問題点・改善課題を発見しましょう。


意思決定を誤ると機会損失が発生する

 買いたいというお客さんがいて、売る側も売りたいと思っていても、値段交渉での利益算定を誤ると、儲け損ないが発生します。これを機会損失と言います。



設例1

機会損失を(丼もの食堂)で考える


売価:700/個、材料費:400/個、人件費:5万円/日、経費:5万円/日、生産能力:500/日 (平均販売個数:350/


①平均利益

売り切れにはなりませんが、毎日利益は出ているので、商売は続いています。1日の平均利益は、350個×(700円-400円)-(5万円+5万円)=5千円と計算されます。


②大量の弁当注文にどう応えるか?

ある日弁当100個予約の問い合わせが来ました。相手は何軒かの弁当屋に相見積もりを出していて、できるだけ安い値段で注文したいと言ってきています。交渉に臨むに際して、最低販売価格はいくらまでであれば商売が成り立つでしょうか? 追加発生費用は弁当箱代10/個だけとします。


意思決定のための計算

経済学/管理会計のススメ

機会損失を回避し利益を積み上げる意思決定

一日の固定費(売れても売れなくても発生する費用=本例では人件費・経費)は変わりませんので、考慮する必要はありません。売上げに応じて変わってくる部分(=「変動費」といいます)のみで考えます。


1円でも儲けが出ればいいので、それを最低価格とします。(売価-400円-10円)1円であればOKです。よって、答えは411円以上であれば受けた方が得となります。


設例2:(行列のラーメン屋)で考える











③人員を増やして生産能力を上げる!?

人手が1人増えれば生産能力が50/日増加します。給料が1日いくら以内であれば人を採用すべきでしょうか?

意思決定のための計算

50杯×(700円-400)+給料1円であればOKです。よって給料が15千円以内なら人を採用という意思決定となります。


数字により客観的に意思決定しましょう

正確な意思決定のためには正確な数字のデータが必要です。会計も経営に役立ちます。せっかく作っている経理データはどんどん活用しなければモッタイナイ話です。

「カスケードダウン」とは、"滝が急降下"する様子を意味していますが、目標管理制度では、「経営戦略・経営計画目標」から「組織・個人目標」を設定する場合、段階的に順次細分化することを指します。


 目標管理制度を業績管理のために実施すると経営者が意思決定したからには、会社全体の目標と組織目標・個人目標が整合しなければなりませんから、的確なカスケードダウンによる目標設定は必要不可欠となります。


カスケードダウンの方法

 実際にカスケードダウンを実施するには

経営計画目標が定量的(指標・数値で示されている)か、定性的目標か、によってやり方が異なります。一般的には次の通りです。


経営目標の性質区分

カスケードダウンの原則

留意点

定量的(数値的)目標

組織の大きさ、個人の担当業務サイズに合わせて数値を細分化

組織目標・個人目標の合計値が、上位目標の100%以上であること

定性的目標

定性的目標を部課・個人の役割に応じて受け止め、目標設定

定性目標を代表する指標・数値を探し、可能な限り数値化

(下記参照)


例えば「目標管理制度における目標設定は挑戦的に行う」と言う経営者の定性的目標が示された場合、「挑戦的であることを示す代表的指標」を「目標設定の際のチャレンジ度の設定状況」とし、「SAランク目標30%以上」を部・課の組織目標とする等、目標設定方法を工夫することが重要です。


経営者・管理者の留意点

 トップは、目標設定会議などを主宰し、カスケードダウンの目的を徹底するとともに、組織目標が出揃った際 経営計画目標と整合していることを管理者間で確認し合いましょう。また、これは部・課単位でも管理者が中心となって実施しましょう。それは、目標達成基準を明確化できるとともに、目標達成時に公正性・納得性を持った貢献度評価を行う必要条件となるからです。

 

「価値創造」とは、図のように既存の事業努力から技術革新と価値転換を伴う全く新しい価値を創造することを言い、企業の顧客にとっての価値を追求して事業構造革新を図る中核的・戦略的アプローチです。


 著名な例を挙げますとオムロン社がJR等鉄道会社と組んで駅の改札サービスを「技術革新」でICカード(Suicaなど)に切り替え、その機能を高度化するとともに、改札機能を「駅への入り口」から、「街への入り口」とする「価値転換」を行い、人々に街における安全・安心サービスを提供するソリューションを提供する「価値創造」を成し遂げつつあります。


価値創造の中心的手段

 このような「価値創造」の中心的手段として注目されているのは、人々の多様な経験・専門分野・知識・経験が生きるオープンイノベーションです。

 すなわち、単独企業内に止まらず、様々な専門分野の「価値創造」を志す人々の交流の中から、「技術革新・価値転換」とそれらを組み合わせた「価値創造」のタネを発見するイノベーションが活発に行われるようになってきました。このような発想法の原点は、市場・顧客や専門技術に日常的に接している人々が"三現主義"に基づいて創造的に議論する"共創" です。


  [顧客価値追求の方向性・事業の幹]

テキスト ボックス: ←技術の進化


技術の進化
)内は事例        

技術革新

ICカード)

 

 

価値創造

(街における安全・安心サービスソリューション)

既存事業努力

(駅の改札)

 

 

価値転換

(街の入り口)

         価値の進化→


経営者・管理者の留意点

 オープンイノベーションは、社外とのコミュニケーション手段として注目されていますが、「価値創造」は、一方で、社内においても深掘りしなければ事業構造改革に結び付けられません。


 そのため、戦略策定、目標設定における社内コミュニケーションは、社外オープンイノベーションを体験した社員と、多くの社員が参加する"共創"の場づくりを重視し、「価値創造と事業構造革新」へ向けて活用したいものです。

マネジメント・コントロールとは

経営管理には、経営者が主体となって全社的観点から経営戦略を策定するステップと、様々な職能分野を担当する現場管理者が行う日常のオペレーション管理の2つのステップがあります。マネジメント・コントロールとは、この2つの橋渡しを行い全体としての組織活動に秩序を与えることです。


事例研究で具体例を学ぶ

参考資料:飛田努「事例研究 創業者の経験と勘の共有化を図る経営管理システムの構築―佐賀県金型メーカーの事例―」『メルコ管理会計研究』(第5号-Ⅰ 2012年)45-52頁。

①創業者の経験や勘を継承する仕組みとして、経営理念と社是を伝達する手段に社員全員に配布されるハンドブックを活用しました。社長の考える利益観や、長年の経営の中で培ってきた経験、書物等から得たフレーズを書き留めたものがまとめられていて、同社の基本的価値観を規定するような内容です。定期的な読み合わせで、基本的価値観の浸透だけでなく、社内制度に対する理解も深まり共有されるべき価値や仕組みを浸透させる手段となっていました。


②事業承継する副社長がモノづくりプラットフォーム(MZPF)というソフトを導入しました。システム開発や改善活動は社内の各部署とのコミュニケーシヨンに活用されました。受注と同時に営業担当者がオンライン上の所定のフォーマットに入力するようにし、同時に受注情報は社内各所のパソコンを通じてあらゆる部署の従業員が一覧することができるようにしました。これにより、製造現場では機械稼働率や在庫数量等をリアルタイムで確認できるようになりました。情報の蓄積が進んだことで、過去の受注情報を容易に取り出せるようになり、受注価格交渉において安易な値下げをせずに取引ができるようになりました。情報の「見える化」は従業員の利益志向、コスト削減努力の意識高揚に寄与しました。


本事例から得られる知見

本事例により、中小企業においても経営の中枢を担うシステムを構築することで、「経営者=創業者の長年の経験や勘を目に見える形で形式化することとともに、経営者の知識が共有されることで、形式化されたシステムが次代を担う経営者や従業員にとっての道標になりうる」という意義が示されています。

一般に問題解決・課題解決の方法には「仮説探索型」と「仮説検証型」の二つのタイプがあり、目標管理制度における目標達成の方法についても同様のことが言えますから、それらの特徴、注意点を知っておくと効率が良い目標達成を図るメリットが得られます。


二つのタイプの特徴


二つのタイプの特徴を比較しますと次の通りです。


タイプ

問題・課題解決方法

特徴

A

仮説探索型目標達成

事実分析などによって、問題の真因・課題解決のポイントを探索、判断し、有効な解決策仮説を立てて検証する。

仮説検証型に比べると時間を要する。

研究・開発や複雑な問題解決などに適し、関係者が納得しつつ進められる。

B

仮説検証型目標達成

問題・課題解決具体策仮説を立てた上で、検証する。

解決のスピードが速く、ベテランによる問題解決に適する。

 

二つのタイプの活用方法と注意点

「仮説探索型目標達成」は、従来にない全く新しい技術・製造法の開発など困難な研究開発型の目標達成や、多くの要因が複雑に関係している問題解決を課題とする目標達成に用い、有効な仮説を得るまでには時間を要しますので、次の①~③により、効率性を重視しなければなりません。


   "三現主義"(現地で現物を現実に即して見る)を徹底した調査。

   1次調査で、探りを入れ、分かったことを手掛かりに2次調査をかける、段階的で徐々に鋭く的を絞った調査。

   チームメンバーなど関係者が調査した事実を共有、仮説設定に関わる。


一方「仮説検証型目標達成」は、エキスパートによる仮説の構築と、"三現主義"による検証が目標達成のポイントであり、問題・課題に応じたエキスパートの選抜が重要です。

古典から現代の課題を探る

 管理会計(特にマネジメント・コントロール関連)の古典の一つであり、初版は1965年の出版で、1983年に復刻版が上梓されたのが、David Solomons (1983):Divisional Performance: Measurement and Control: Markus Wiener Pub. 桜井通晴・鳥居宏史(監訳)『事業部制の業績評価』(東洋経済新報社 2005年)です。


 監訳者はしがきで、「現在のビジネスの世界で最も大きな話題をさらっている管理会計の本質にかかわる多くの問題を実によく記述しており、しかもその内容の多くは、現代においても全くその輝きを失っていない」と記されています。また、本書は、「バランスト・スコアカードの起源ではないにしても少なくともその基盤にはなっていると考えている。」と記されています。


なぜ事業部制を採用するのか

 利益責任を持たせるため、「意思決定の分権化」が事業部制です。企業全体の収益性を高める上で、事業部が果たす貢献を長期的に最大化させることを目的とします。将来の幹部育成のトレーニングにもなります。


事業部制組織誕生の背景

第一次大戦後、アメリカでは事業運営においての多角化が進み、伝統的な職能別組織ではそれに十分対応することができなくなったため、その問題点を克服するために生まれたとされています。


事業部制の成功のための前提条件

利益の所在を明確にするために、各事業部が他の事業部からの独立性をきちんと確保することが必要です。本社は口出しし過ぎないことも大事です。

ただし、全社として最適であるためには、ある程度の相互依存も必要です。調達や製造、販売、人事、経理等の機能は全社レベルで共有するなどし、全体最適を目指します。


事業部制のデメリット

経営資源の重複の無駄や、事業部間をまたぐ新たな取り組みが難しいなどの弊害があります。


事業部制が常に正しい答えとは限らない

 会社の規模等により必要性が異なるため、事業部制が全ての状況においてあらゆる規模の組織をもつ企業に適しているというわけではありません。自社に最適な組織については会計事務所にも相談しましょう。

バランスト・スコアカード(BSC)

 バランスト・スコアカードは、戦略経営のためのマネジメント・システムです。ハーバード・ビジネス・スクール教授キャプランとコンサルタント会社社長ノートンにより1992年に「Harvard Business Review」誌上に発表された業績評価システムです。従来の財務数値のみならず、非財務の観点からもビジョンと戦略を明確にし、バランスの取れた業績評価を行います。ビジョンや戦略は、「財務の視点」、「顧客の視点」、「業務プロセスの視点」および「学習と成長の視点」の4つの視点で分類されます。


キャプラン=ノートン()櫻井通晴()『戦略バランスト・スコアカード』(東洋経済新報社 2001)に具体例が豊富に掲載されています。日本企業の例はありませんが、参考事例を見つけることができるかもしれません。興味を持たれたらご一読を!


東京都千代田区も組織経営評価として導入 

(1)行政でも利用可能

非営利組織や政府にもBSCの利用は可能です。ただし、営利組織と違い、財務の視点を階層構造の頂点に置くオリジナルの構造には問題があるため、顧客や有権者を頂点に置くという方法となります。顧客への効果的なサービスの提供が究極的には政府の存在意義を説明するからです。公共セクターの組織には、そのミッションを達成することが必要なら満足させなければならない3つの上位目標、①最小のコストで、②価値を創造し、③資金を供給する権限のあるところから継続的な支援と委任を引き出す、があります。3つの目標から始まって、公共セクターの組織は3つの高次の視点における目標を達成できるような内部プロセス、学習と成長の目標を明らかにすることへと進んで行きます。


(2)事業部制導入に併せ平成15年から導入

 区民サービスの向上を目的に区民の目線にたった柔軟な行政運営ができる仕組みをつくるため、千代田区は、平成154月からスタートさせた「事業部制」に続き、区民の満足度と成果を重視する区政への転換のため、組織経営評価としてのBSCを試行し、事業部の事業実施の成果を評価しています。これを始めた区長は平成292月の選挙では代理戦争と言われた現区長です。(代理戦争という言葉に流されず、この点を評価できたのではないでしょうか。)

バランスト・スコアカード(BSC)

 バランスト・スコアカードは、戦略経営のためのマネジメント・システムです。ハーバード・ビジネス・スクール教授キャプランとコンサルタント会社社長ノートンにより1992年に「Harvard Business Review」誌上に発表された業績評価システムです。従来の財務数値のみならず、非財務の観点からもビジョンと戦略を明確にし、バランスの取れた業績評価を行います。ビジョンや戦略は、「財務の視点」、「顧客の視点」、「業務プロセスの視点」および「学習と成長の視点」の4つの視点で分類されます。


キャプラン=ノートン()櫻井通晴()『戦略バランスト・スコアカード』(東洋経済新報社 2001)に具体例が豊富に掲載されています。日本企業の例はありませんが、参考事例を見つけることができるかもしれません。興味を持たれたらご一読を!


東京都千代田区も組織経営評価として導入 

(1)行政でも利用可能

非営利組織や政府にもBSCの利用は可能です。ただし、営利組織と違い、財務の視点を階層構造の頂点に置くオリジナルの構造には問題があるため、顧客や有権者を頂点に置くという方法となります。顧客への効果的なサービスの提供が究極的には政府の存在意義を説明するからです。公共セクターの組織には、そのミッションを達成することが必要なら満足させなければならない3つの上位目標、①最小のコストで、②価値を創造し、③資金を供給する権限のあるところから継続的な支援と委任を引き出す、があります。3つの目標から始まって、公共セクターの組織は3つの高次の視点における目標を達成できるような内部プロセス、学習と成長の目標を明らかにすることへと進んで行きます。


(2)事業部制導入に併せ平成15年から導入

 区民サービスの向上を目的に区民の目線にたった柔軟な行政運営ができる仕組みをつくるため、千代田区は、平成154月からスタートさせた「事業部制」に続き、区民の満足度と成果を重視する区政への転換のため、組織経営評価としてのBSCを試行し、事業部の事業実施の成果を評価しています。これを始めた区長は平成292月の選挙では代理戦争と言われた現区長です。(代理戦争という言葉に流されず、この点を評価できたのではないでしょうか。)

バランスト・スコアカード(BSC)

 バランスト・スコアカードは、戦略経営のためのマネジメント・システムです。ハーバード・ビジネス・スクール教授キャプランとコンサルタント会社社長ノートンにより1992年に「Harvard Business Review」誌上に発表された業績評価システムです。従来の財務数値のみならず、非財務の観点からもビジョンと戦略を明確にし、バランスの取れた業績評価を行います。ビジョンや戦略は、「財務の視点」、「顧客の視点」、「業務プロセスの視点」および「学習と成長の視点」の4つの視点で分類されます。


キャプラン=ノートン()櫻井通晴()『戦略バランスト・スコアカード』(東洋経済新報社 2001)に具体例が豊富に掲載されています。日本企業の例はありませんが、参考事例を見つけることができるかもしれません。興味を持たれたらご一読を!


東京都千代田区も組織経営評価として導入 

(1)行政でも利用可能

非営利組織や政府にもBSCの利用は可能です。ただし、営利組織と違い、財務の視点を階層構造の頂点に置くオリジナルの構造には問題があるため、顧客や有権者を頂点に置くという方法となります。顧客への効果的なサービスの提供が究極的には政府の存在意義を説明するからです。公共セクターの組織には、そのミッションを達成することが必要なら満足させなければならない3つの上位目標、①最小のコストで、②価値を創造し、③資金を供給する権限のあるところから継続的な支援と委任を引き出す、があります。3つの目標から始まって、公共セクターの組織は3つの高次の視点における目標を達成できるような内部プロセス、学習と成長の目標を明らかにすることへと進んで行きます。


(2)事業部制導入に併せ平成15年から導入

 区民サービスの向上を目的に区民の目線にたった柔軟な行政運営ができる仕組みをつくるため、千代田区は、平成154月からスタートさせた「事業部制」に続き、区民の満足度と成果を重視する区政への転換のため、組織経営評価としてのBSCを試行し、事業部の事業実施の成果を評価しています。これを始めた区長は平成292月の選挙では代理戦争と言われた現区長です。(代理戦争という言葉に流されず、この点を評価できたのではないでしょうか。)


目標管理制度の運用では、「組織開発」が一石二鳥の働きをします。


組織開発の働き


 すなわち、「組織開発」の成功要件は次の4点にあり、それらを目標設定と目標達成プロセスで活用することによって、社員の高い挑戦意欲・主体性・創造性が生まれ、組織の目標達成力が向上します。


[組織開発の成功要件]


   関係者全員が参加する。

   "三現主義"(現地で現物を見て、現実に即して状況事実をとらえる)

   関係者が重要な事実を共有する。

   バーチカル・フル・ジョブ(PlanDoCheckActionのワンサイクル業務)

で課題・問題解決に取り組む。


評価における「組織開発」の働き


 さらに、貢献度評価で「組織開発の成功要件」を活用すると、「同じ組織目標達成に貢献しようと努力し、その状況事実を良く知っている仲間の相互フィードバックが評価の根拠」となります。


 つまり、目標達成状況・目標達成に貢献したプロセスの発揮能力・仲間への影響力を事実に基づいて、真摯に、相互に指摘し合い、社員一人ひとりも管理者もそれらの指摘を根拠として個々の目標達成度・組織目標への貢献度を評価することになります。


その結果、評価の公正性・納得性が確保できるだけでなく、仲間が相互に高め合い、信頼の絆を強め、組織の目標達成力を押し上げます。


経営者・管理者の留意点


このように、「組織開発」は、目標設定・達成プロセスの強化と同時に、貢献度評価を通じて社員のやる気を高め、組織の目標達成力向上に生かされます。さらに、そのやり方を510年継続すると、次のような「企業価値」の形成に結実します。


   問題・課題解決力に優れた「組織体質」・「組織風土」が形成される。


   それは「企業文化」となり、存続発展への無形資産として後世に受け継がれる。



導入のきっかけとなるか

 昨年から厚生労働省で来年度から中小企業に勤務間インターバル制度を導入すると助成金を支給すると発表していましたが、最近その内容が厚労省のホームページに掲載されました。労働時間の設定の改善、過重労働の防止や長時間労働の抑制に向け勤務間インターバルを設けた企業に要した費用の一部を助成するというものです。


国会予算承認前に開示したのは珍しく、政府がこの制度の普及に意欲を持っていることが窺えます。


勤務間インターバルとは

 昨年は「働き方改革」の流れの中で、過重労働防止について注目された年でした。勤務間インターバル制度とは時間外労働を含む1日の最終的な勤務終了時から翌日の始業時までに一定時間のインターバル(間隔)を保証することにより従業員の休息時間を確保しようというものです。これまでのように長時間労働の是正には高い割増率の賃金にするのではなく、当日の勤務と次の日の勤務時間に決まった休息時間の確保が義務付けられることで過重労働の防止に繋がるという考え方です。この制度はEU加盟国では1993年から導入されていて、「労働時間指令」により24時間のうち最低連続11時間の休息時間と7日毎に24時間の休息の確保をするというものです。日本でもEUでの実績を確認してゆくようです。


実務面の取り扱いは

 例えば9時から18時の勤務の場合18時から24時まで時間外労働をした場合、翌日は11時間後の午前11時からの勤務となり、従業員の心身の負担を軽減すると期待する声も聞かれます。現在1日の労働時間の上限規制はありません。8時間毎に1時間の休憩は必要ですが理屈上は長時間勤務も可能です。それがもしEU並みに11時間のインターバルを入れたとすると労働時間の上限は休憩時間を除き112時間となります。1日当たり4時間の上限まで働いたとして月20日勤務でも80時間となり、労基署の示す過重労働ラインにかかるかどうかという所です。導入には給与計算のルールを決めておく必要はありますが、従業員の健康確保という面からは考えられるものと言えましょう。

目標管理制度におけるチャレンジ度は、社員により高い目標設定を期待し、促進するために活用するものですが、評価の仕方について、創意工夫が必要になります。


チャレンジ度の評価基準

チャレンジ度の代表的評価基準は下表の通りです。


   チャレンジ度の定義(役割・職務等級に求められている水準を「標準」とする)。


   チャレンジ度のレベル(個別目標に対して目標設定時に下記のレベルを設定)。


A

非常に高い(1等級上位の役割・責任・期待貢献に該当)

B

やや高い

C

標準(役割・職務等級の役割・責任・期待貢献に該当)

D

やや低い

E

非常に低い(1等級以上下位の役割・責任・期待貢献に該当)












個々の目標でチャレンジ度判定を行うためには、年度ごとに「みなし判定基準」を設定する等工夫する必要が生じます。


「みなし評価基準」設定の工夫

みなし尺度

みなしチャレンジ度基準例

定量目(例:

営業利益の向上)

数値の変化度

A

B

C

D

E

10%超

5%超

現状の±5%

5%超

10%超

定性目(例:

○○の仕組み開発)

効果が及ぶ範囲

A

B

C

D

 

E

複数業務範囲

現状範囲の50%超

現状範囲の50%内

現状範囲の50%内効果減

現状範囲の50%超効果減


経営者・管理者の留意点

   「みなしチャレンジ度」は自社の目標設定に即して、検討を重ね、実例を積み上げて、公正性・納得性を確保しましょう。


   部門間・部門内で不整合が生じないよう、事前調整を行うとともに、社内に公開して、公正性を確保しましょう。


実際のチャレンジ度は、期間内の外部環境変化や内部方針変化の影響を受けますから、目標達成度の実績評価を行う時点で再評価する必要があります。

粗利益の絶対額を確保する方法は4つある

 儲けの源泉である粗利益は、「売上-売上原価」で計算されます。一つ一つの粗利益の絶対額を積み上げたものがその会社(個人の場合は事業)の粗利益の総額です。


粗利益の総額=1個の粗利益額×販売数量


個々の要因に着目し粗利益を増やすには、①値上げによる粗利益の増加、②売上原価を下げることによる粗利益の増加、③販売数量の増加による粗利益の増加、④同じお客さんの購入頻度の増加による粗利益の増加が考えられます。もちろんこれらを組み合わせる場合もあります。


①値上げによる粗利益の増加

例:100円のものを110円で売る。


 自社の商品に魅力があり、他社では買えないようなものを売っている場合、値上げに躊躇する必要はありません。もちろん値上げで離れてしまう顧客も一定数出てきます。値上げで増える額と顧客減で減る額を比較して、粗利額が増えることを目指すのが値上げ戦略です。


②売上原価を下げることによる粗利益増加

:原価50円のものを45円にする。


販売金額を変えずに、販売回数も増やさずに、粗利益を増加させる方法です。現状でギリギリまで原価を抑えている場合には、採用しづらい戦略です。


③販売数量の増加による粗利益の増加

:100個売れたものを110個に増やす。


 新規の顧客を開拓するため折り込みチラシを撒く範囲を拡大したり、店舗販売だけだったものに通販ルートを設けたり、飲食店であればレイアウトを変えて座れるテーブルや椅子の数を増やすことなどが考えられます。ただし、これも追加で費用が発生しますので、それとの比較でどういった戦略を採用するかが変わってきます。


④同じ顧客の購入頻度の増加による売上増

:月に1回の購入を25日に1回にする。


顧客の囲い込み戦略です。顧客をファンにするために、顧客にとってメリットのあることを考えます。ポイント制度やかかりつけ薬局などが一例です。


PDCAの数字による検証が必要です

粗利益の増加も、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、継続的に改善して行きます。数字の検証が必須です。会計事務所にサポートしてもらえば力強いでしょう。

19年ぶりの日本人横綱誕生で4横綱体制に

 横綱稀勢の里の誕生で、3月の春場所は白鵬、日馬富士、鶴竜を含め4人の横綱が居並ぶ豪華番付になります。実力が拮抗しているとすれば、千秋楽まで優勝が決まらず、同じ星で3人が優勝決定戦を争う巴戦という状況も十分期待できます。大相撲ファンにとってはうれしいシナリオともいえます。


巴戦で稀勢の里が優勝するためには

(1)巴戦の優勝確率

 〇〇海、〇〇山、〇〇川が千秋楽で巴戦を戦うこととなりました。抽選の結果、最初の対戦は〇〇海対〇〇山と決まりました。〇〇海、〇〇山、〇〇川が優勝する確率はどうなるでしょうか?(単純に考えると、実力が同じなら、1/3の確率ですが......)


 〇〇海、〇〇山、〇〇川が、優勝する確率をそれぞれpqrとすると3人合わせた確率は100%=1となるため、


①...p+q+r=1となります。


ビジネス・エコノミクスのススメ

稀勢の里が巴戦で勝つためには...

 いまの対戦で勝った力士(仮に〇〇海とします)が優勝する確率は、次の対戦で1/2の確率で勝って優勝するか、1/2の確率で負けてもqの確率で優勝する可能性が残されているので、


②...p=1/21/2q


また、いまの対戦で負けた力士(仮に〇〇山とする)が優勝する確率は、1/2の確率でまだrだけ残っているので③...q1/2r

①②③から②に③を代入すると


p1/21/2×1/2r1/21/4r

1(1/21/2×1/2r)(1/2r)(r)

1/21/4r1/2rr42r2r4r27rr2/7となります。


よって最初の対戦を観戦して2戦目から参戦する〇〇川が優勝する確率は2/7となります。最初に対戦する者(○○海と○○山)の確率は同じですから、(7/72/7)÷2となり=2.5/75/14となります。最初の対戦で戦う2者の優勝確率はそれぞれ5/14となりますが、最初の対戦を観戦して2戦目から参戦する者の優勝確率は2/74/14となります。


最初の対戦で戦う2者の優勝確率は同じですが、最初の対戦を観戦して2戦目から参戦する者の優勝確率は若干低くなり不利といえます。


(2)優勝のためにくじ引きに全力投球!

一見同じ確率に見えても、数字で分析すると違った姿が見えてきます。ビジネスの世界でも数字を使って考える大切さは一緒です。

経営者は、自社の目標管理制度の設計・運用に真摯な関心をもち、ミスリードに陥らない注意が必要です。それは、目標管理制度の機能が経営に生かされないばかりか、重大な経営の機会損失を招くからです。


経営者のミスリードとは

経営者が陥りやすいミスリードで、代表例を挙げますと、次の通りです。


   設計・運用部門が目標管理制度の目的を「管理のサイクル・PDCAの徹底・経営管理の強化」に置いており、本来の「経営目標達成のための業績管理」においていない(目的の取り違えをしている)のに、是正指示を出していない

   同様に制度運用のキーファクターを「目標設定の方法」としており、本来の「社員が役割意識に基づくチャレンジ意欲をもって目標設定・達成に取り組む組織開発」を重視していない(重要手段に抜けがある)のに、是正させていない

   評価制度について「達成度評価の公正性・納得性を重視した管理者教育」を重視し、本来の「目標達成度を組織・チーム業績への貢献度とする評価基準整備」が放置されている(評価の本質をとらえていない)のに、是正させていない


ミスリードが及ぼす影響

このようなミスリードによって、設計・運用の根本的誤りが是正されないまま放置されると、当然の帰結として、


・制度の目的が「経営目標達成のための業績管理」に置かれないため、経営戦略・経営目標からカスケードダウン(段階的順次細分化)する目標設定が甘くなる。

・制度運用のキーファクターが「組織開発」に置かれないため、目標設定や達成に取り組む社員のチャレンジ意欲・活力が引き出せない。

・目標達成度評価が、組織・チームへの貢献度に置かれないため、真の経営貢献が評価されず、その結果公正性・納得性を持つ適正な役割等級や役割・貢献度賃金制度への反映がなされない。


など、目標管理制度の存在意義を根本から

否定しかねない事態となってしまいます。

経営トップには、このようなミスリードの悪影響に鑑みて、目標管理制度の設計・運用の基本を踏まえたリーダーシップを発揮して頂きたいものです。


会社に利益をもたらす源泉はどこにあるのか?


 会社は売上を上げてそこから得た利ざや(=売上‐売上原価)を得ます。これは「粗利益」とも呼ばれ、その会社の"付加価値"を表します。この粗利益から会社の運営に必要な経費(=家賃+人件費+その他販売費および一般管理費)を賄い、それが本業での儲けとなります。


そのため、会社が事業を行って得た付加価値(=粗利益)こそが利益の源泉であり、本業での利益を実現させるためには、「粗利益の絶対額のアップ」が必要です。



こんな事態に即答できるのが課長の会計力


設例:値引きと無料オプション、どっちが儲かる?




貴社は販売価格90万円(仕入価格63万円)の複合機を売っています。A社に訪問中の部下から、「2台の注文で1台あたり10万円の値引きを要求されている」と電話連絡が入りました。さぁ、あなたならどう対応しますか?こうした場面は日常よくあるのではないでしょうか。


A売上を確保するため10万円引きで2台販売する


B値引きは各4.5万円(5%)とし、その分1セット5万円(原価15千円)の交換用トナーを合計4本で20万円相当を無償でつける


 


表面的な売上金額の多寡ではなく、どちらが粗利益が大きくなるかを考えます。


A値引きの場合、会社の粗利益は値引き金額そのものが減り、本来2台で54万円(=[90-63]×2)のところ34万円となります。お客さんは20万円得します。


Bオマケの場合、値引きが5%なので粗利益の減少は9万円(90万×5%×2)45万円の粗利益を確保できます。ただし、販売価格5万円のトナーを無償で4本つけるのでその分出費がかさみます。とはいえトナーは原価1.5万円ですので影響は6万円ですみ、会社の粗利益は39万円になります。一方でお客さんは9万円の値引きに加えて買えば5万円するトナーを4本オマケでもらうので29万円得します。


Bの方が自社も顧客も得しますので、対案としてBを提案させます。こんな思考が営業の人にも必要な会計力です。


会計思考は意思決定を助けてくれる


粗利益の絶対額からどちらが儲かるかを考える以外にも、管理会計的手法で、外注・追加注文の意思決定や撤退条件、投資の利益計画などがわかります。興味があったら会計事務所に相談してみてください。

現金の重要性

 現金商売の場合、終業時には現金を実際に数えて、レジの記録と過不足がないかを確認し、過不足がある場合その原因を突きとめます。その日に原因がわからない場合も、一定期間保留し、原因をできるだけ追求します。毎日の現金実査と帳簿との照合が経理の信頼につながる、大事な仕事です。


現金が動くとその都度の記帳義務がある

 ちょっとした支払いに備えて小口現金制度があったり、経費精算を営業マンの都合で適宜対応するために経理担当者に現金を持たせたりしている会社もあります。


会社法4321項(会計帳簿の作成及び保存)では、「適時」の帳簿作成が定められています。そのため、現金出納帳をまとめて記帳するということはできません。お金が動けば、遅くともその日の終業時には現金を数えて現金出納帳を記帳しなければなりません。これって経理担当者にとって結構な心理的負担であり、かつ、時間と労力の無駄です。現金商売でない限り、現金が必要という心の呪縛は捨て去りましょう。


こうすれば経理担当者はストレス・フリー

現金を持たなければ、毎日の記帳義務はなくなります。定期的に決めた日程での記帳作業となります。また、仕事の途中で経費精算のために作業を中断させられるようなこともなくなります。こうすることで、経理担当者は仕事に集中することができることとなり、現金管理の精神的な負担や作業中断のストレスから解放されます。


立替経費精算制度で問題解決!

 小口現金や随時の経費精算がなくなれば、不都合が生じるのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし心配無用です。下記で問題なく運用できます。


(1)立替経費精算制度

 営業マンの交通費精算も含め全ての小口の経費精算は、定期的(毎月がベター)な報告書精算とし、支払は給料日にまとめて行います。経理担当者は確認作業をまとめて行なえ効率的な仕事ができます。精算する営業マンも提出期限に遅れると翌月まで返金されないので精算遅れが少なくなります。


(2)事前仮払金前渡制度

入社時に平均的な経費精算額よりも少し多い金額を前渡しします。一種の定額資金前渡制度(インプレストシステム)です。



なお、臨時の出張等でお金が必要になる際は、事前の仮払申請に都度口座振込で対応すれば解決します。

組織開発とは、組織に所属する人々が、進んで困難な課題・問題解決に取り組む主体性とチャレンジ意欲、様々な知恵と工夫を生かす創造性、問題・課題解決のベクトルを合わせ、強い信頼関係と協力関係をもつ共同で実行する組織を作ることで、業績管理を目的とする目標管理では不可欠であることは言うまでもありません。


 その原点を認識しておくと、組織開発の着手・推進・進化に有益です。


組織開発の原点とは

 組織開発の原点は次の4点にあります。

   関係者全員が参加する

   "三現主義"(現地で現物を見て、現実に即して状況事実をとらえる)

   関係者が重要な事実を共有する

   バーチカル・フル・ジョブ(PlanDoCheckActionのワンサイクル業務)

で課題・問題解決に取り組む


4つの原点を生かす組織開発

組織開発は、例えば目標管理における「共同目標の設定と推進」のような、具体的課題に即して展開すべきです。すなわち、

①目標設定のステップでは、上位目標を理解するには、その背景・ねらいなどについて理解すること(上位目標を対象とする三現主義の疑問点の理解・共有)が必要になり、その上で自分達の課題を明確化し、目標設定(数値化できない目標設定の創意工夫等)を行います。

②また、目標達成プロセスでは「障害事実の発見と共有・排除策の創意工夫」や「目標達成に有利な要因の把握と活用の工夫」が必要となり、全員による状況事実の発見・共有、複雑な問題の場合には、個々の問題の共通性・類似性を共同で発見してグルーピングしつつ共有し、5~6グループに集約した上で、根本原因から最終結果へ至る因果関係を把握、要約し文章化する方法をとります。


経営者・管理者の留意点

 このような、「共同目標設定、達成プロセスの問題解決、目標達成度の評価・反省・次期目標(Plan)への反映」のバーチカル・フル・ジョブを通じて、"三現主義"・事実の共有が全員参加の下で行われ、組織開発の四つの原点が生かされ、組織開発が進展することに留意して取り組みましょう。

「相互フィードバック」は、目標管理制度の組織目標への貢献度評価を実施する方法として用いられ、評価の公正性・納得性が確保できるとともに、組織に所属する仲間の信頼関係を強化するメリットがあります。


相互フィードバックの必要性

 評価の公正性・納得性を確保するために役立ち、その要件は次の通りです。


   被評価者が公正であると感じ、評価の結果を納得できなければならない。

   そのためには、評価が真摯に、客観的な事実に基づいて実施されなければならない(管理者の好き、嫌いなどの感情に基づく恣意的な評価は、納得性を持たない)

   公正性・納得性の高い評価を実施するには、目標管理制度の運用で評価すべき事柄の事実を知っている、一緒に努力した仲間の真摯な相互フィードバックを評価の根拠とするのが適切である(管理者による評価も、この相互フィードバック情報を根拠とする必要がある)

   相互フィードバックの結果を利用して、組織のメンバーの総意として評価が決定される。

このような「相互フィードバック」は、評価の公正性・納得性を確保するのに役立つのみならず、仲間が相互に高め合うことを通じて、信頼関係を強化します。


相互フィードバックの方法

 組織目標の完了都度、その組織目標からカスケードダウン(段階的順次細分化)した個人目標の担当者が集まり、次の評価の視点で、「評価に値する具体的事実」を端的に捉えた相互フィードバックを実施します。


1.目標達成状況

2.プロセスの創意工夫・能力発揮などの具体的な行動

3.組織目標達成に対する貢献度

4.仲間に対する影響度


経営者・管理者の留意点

「相互フィードバック」は、面倒だと思われがちですが、信頼し合う組織づくりの価値は大きく、目標達成力の向上に貢献します。社員に対して前記要件・方法の繰り返し徹底を図り、浸透させましょう。

「意味構造」とは、文章表現では説明が難しい複雑な問題・課題・提案について、意味する構造(因果関係)を分かり易く可視化する図解表示のことを言い、以下、その実務的な作成手順を解説致します。


意味構造の種類

意味構造には、KJ法の問題・課題解決順序に従って、次の二つの種類があります。


1

現状把握ラウンド

問題・課題の背景、現状に関する情報(生データ)を収集し、検討、図解する

2

構想計画ラウンド

問題・課題解決の構想・具体策を発想し、図解する

上記の12の順序を守ることが大切です。


現状把握ラウンドの実施手順

 

作業内容

1

・問題・課題の背景や現状に関する情報(生データ)を、現場で収集する

・データを個別に名刺大のカードに書く

・データの"新鮮さ・生性"を確認。チームで理解、共有する

2

内容が似たデータをグルーピングし、各グループに表札(要約表現)をつける。グループの表札を生データとして扱い、5~6グループ(「島」という)となるまで実施する

3

・各島間を矢印で結び、因果構造図解作成

(机上でシミュレーショナルに実施)

・「島」の重要性を各メンバーが5点法で評価し、合計点で重みづけする

4

図解から問題・課題の全体像を説明する要約文を作成


構想計画ラウンドの実施手順

 

実施内容

1

・具体策データを発想し、カードに書く(現状把握ラウンドのデータの"裏返し")

(注意)創意工夫し、かつ、すぐに着手可能な具体策を表現すること

2

・因果構造図の確認(=現状把握ラウンド)

・「島」の重要性を各メンバーが5点法で評価し、合計点で重みづけする

3

図解から問題・課題解決策の全体像を説明する要約文を作成


検討、作成上の留意点

   現状把握ラウンドで最初に収集する情報(生データ)は、"三現主義"で、現場をよく観察してカード化する。

   現状把握ラウンド・構想計画ラウンドともチームワークを生かして作成すると、

メンバーの共創効果が生かされるとともに意欲向上が図れる。

健康経営とは

 最近「健康経営」と言う言葉を聞く機会が増えてきました。一昔前の従業員の健康管理より企業の利潤追求が優先であった時代では会社は最低限の義務と各従業員の自己責任と言う考え方が普通でした。しかし今、利益追求と健康管理を両立させて行き、企業が従業員の健康に配慮する事によって経営面において大きな成果(生産性向上や企業イメージアップ)を期待できるという考え方が広がりつつあります。

 

健康経営が注目される背景

 健康経営は1980年代にアメリカの臨床心理学者ロバート・ローゼン博士が提唱した「ヘルシーカンパニー」が原点だと言われています。日本への導入が必要と言われる背景を考えてみます。

 

①労働人口の減少と人材確保・・・・中小企業では11人が重要な役割を担っているので健康悪化や離職が企業に重大な影響を及ぼします。

 

②生活習慣病の増大を抑制する・・・・医療費の増大は健康保険料の増額に繋がり企業や個人のコストの上昇にもなります。在職中から健康維持の習慣を身につける事で健康寿命を延伸します。

 

③メンタルヘルス不調者の増加防止・・・・コミュニケーション不足が1つの原因とも言われています。適切なコミュニケーションは職場に欠かせません。

 

④従業員健康管理・・・・定期健康診断の受診率を高め、要再検査等の場合には自己責任の問題とせず会社からも受診を促します。

 

⑤高齢者層の労働力維持確保・・・・労働力の確保の面からも中高齢者を引き続き戦力とするには早い段階から取り組みをする事が大事です。

 

中小企業でも取り組めること

 中小企業では労働安全衛生法の必要最小限だけの実施が多いでしょう。また従業員50人未満の事業所では産業医や衛生管理者の選任、衛生委員会の設置やストレスチェックも義務とはなっていません。しかし次の様なスモールチェンジの取り組みならすぐにでもできるのではないでしょうか。

ラジオ体操、禁煙運動、健康診断100%受診、食習慣の指導、自販機の内容を検討、社食のカロリー表示、空気清浄機の設置、ノー残業デー、休憩時間の昼寝推奨、健康セミナー実施、インフルワクチン補助、等

「意味構造」とは、文章表現では説明が難しい複雑な問題・課題・提案について、意味する構造(因果関係)を分かり易く可視化する図解表示のことを言います。

 

 例えば、図示したように、ある複雑な問題の因果関係について、最終結果と根本原因、その間に存在する中間的結果(中間的原因ともなっている)で図解表示することができます。

 

意味構造図解の活用法

 このような図解は次のような場合に活用します。

 

   複雑な内容を持った問題を解決するため、原因と結果の因果関係を鮮明にとらえたい。また、上司や関係者に分かりやすく説明、報告し、理解を求め、対策を的確に進めたい。

   新製品開発など、新しい提案を行う際、市場・顧客のニーズ変化・自社の製品・技術の現状と開発課題、開発方法・技術開発の必要性、予算などを分かりやすく説明、提案し、承認を得たい。

 

意味構造図解の利点

意味構造図解には次のような利点があり、担当社員を助けてくれます。

 

               最終結果

        ↑  ↑

中間結果=中間原因  中間結果=中間原因

    ↑          ↑

   根本原因  → 中間結果=中間原因

 

最終結果

中間結果=中間原因

 

 

根本原因

中間結果=中間原因

中間結果=中間原因

 

    ↑   ↑

 

↑        ↑

       

   問題・課題解決の基礎となる、現状を鮮明、かつ論理的にとらえさせてくれる。

   創造的な解決具体策の創出を助け、有効な解決の糸口を与えてくれる(特にチームワークの共創に有効)

   問題・課題や対策の必要性について、上司・関係者に鮮明、かつ論理的に説明できるので前述の通り、提案目的を達成する主要な道具になる。

 

意味構造活用の留意点

意味構造の原点は、川喜田二郎氏が開発した「KJ法」で、現場にある"生データ"を収集し、それらを帰納法で順次一段階ずつ抽象化し、5~6つに要約して因果構造として把握する点にあります。この"生データ"の収集は"三現主義"の原理ともなっている点に留意して活用したいものです。

共創型リーダーとは、共創("異質な知を融合して、新しい知を創出する")を導く使命を持ったリーダーのことを指し、近年、目標管理の目標設定、達成プロセスの問題解決などにおいて、共創型リーダーが、その使命を果たす機会が増えております。

 

共創型リーダーの技と使い方

共創型リーダーの技とは「社員の体験で得られた事実や、多様な知識・技術に基づく創意工夫の発表、真摯な討論を通じて、それらを融合した"共創価値"の合意形成へ誘導する技」のことを言い、経営者や管理者、プロジェクトチームリーダーがファシリテーターとなって使う機会が多いと言えます。

 

その技の使い方を目標管理制度における目標設定・仮説検証型目標達成のケースを取り上げ、手順として例示させて頂きます。

 

[目標管理における技の活用手順例]

 

目的

ファシリテーターの技の使い方

現状の課題・問題理解、共有

目標に関する現状の課題・問題を全員参加で出させ、疑問点について討論、発表させ、説明、理解させる。(注1)

目標設定

   目標達成状況(問題・課題が解決された状況)討議、発表

   全員討議(注1)

   合意形成(注2)

解決策(仮説)の創出と検証

   参加者が持つ多様な知識技術で、解決策を創出(注1)発表

   全員で討議

   複数案の検証(分担)

合意形成

複数案の検証結果を発表、全員で討議、合意形成(注1・2)

(注1)2~6名の小グループに分けて討論させ、代表者が発表

(注2)合意形成の方法は、小グループで討議の上、「衆目評価法」(個人が5点法で投票するなど)活用を推奨

 

[実施上の注意点]

   小グループ別の発表内容は、全員が目で見えるように掲示することが大切

 

討論はブレーンストーミングで、お互いの批判や否定を禁じ、年齢・性別にかかわらず全員発言

ゴーン氏「V字回復、もちろんできる」

 燃費試験の不正問題が発覚し、壊滅的打撃を受けた三菱自動車ですが、日産自動車が三菱自動車株の34%を取得し、救済に乗り出すこととなりました。

カルロス・ゴーン氏は、1999年フランスのルノー社副社長から日産自動車の建て直しにCOO(最高執行責任者)として着任し、「日産リバイバルプラン」でリストラや工場閉鎖、購買コストの削減などの大胆な改革を実行し、長年業績の低迷に苦しんだ日産を、強力な指導力でV字回復に導きました。そのゴーン氏が、三菱自動車を経営体制やシナジーでV字回復させると宣言しています。

V字回復とは

V字回復とは、字のごとく落ち込んだ利益が劇的に回復する様を表しています。回復する前の落ち込みが大きければ大きいほど、V字回復の成果も大きく見えます。

MBAの会計学の教科書では初歩的な手段として、ビッグバス効果という手法を学びます。ビッグバスとはBig bath(大きな風呂)という意であり、企業に蓄積した損失を洗い流すというニュアンスがあります。米国では、経営者が交代する際に、前経営者のもとで蓄積した損失に将来のリストラ費用を上乗せして計上することで、翌期の費用を圧縮し、収益が劇的に改善したように見せるために使われることがある手法です。ゴーン氏のV字回復は、まさにビッグバス効果と言えます。

V字回復のススメ

 税務会計に縛られずに会計計上する(=見積損失を税務申告書で否認加算する)場合、使えない資産の評価損での切り下げやリストラ費用を過大計上する"taking a bath"という手法で、V字回復を演出することが可能となります。

 ただし、この演出は通常1度限りであり、いつも使えるものではありません。継続的な好業績の維持には別の経営手腕が必要です。

 とはいえ、再建屋として経営招致された場合や、急な代替わりで一気に信頼をつかまなければならないなどのひっ迫した事情がある場合には、外科的裏ワザとしておススメといえます。

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危うく倒産しかかった、消費財メーカー経営者の経験談ですが、皆様の経営のヒントになれば幸いです。

自分で事実をとらえる

 連日残業をかさね工場は出荷に追われていたときに、代理店の社長から「手形のジャンプをおねがいしたい」と申し出が総務にありました。「特約店さんからの支払が遅れているので、...」との報告を受けた経営者は、代理店の社長から、特約店の名前と所在地を聞いて、営業部長といくつかの特約店を訪ねて、倉庫を見せてもらいました。  
そこには山積みされた自社製品があり、「これじゃ支払が遅れるのもあたりまえだ!」と営業部長の顔を見ました。

外部環境の変化にうまく適応して、自社の事業やその進め方を変化させ、競争優位を保とうとするのが経営戦略です。
近年の外部環境は、グローバルな激しい変化が短期的に次々と起こり、内需型事業であっても輸入品の影響を受けることがありますから、注意深くその変化を察知して、経営戦略をチェックし、機敏に対応して行かなければなりません。

希望者全員65歳雇用確保時代

 高年齢者雇用安定法の改正で年金の支給開始の繰り下げに合わせて、段階的に60歳から65歳までの希望者全員の継続雇用の対象としなくてはならない事となりました。原則全員を継続雇用しなくてはならないとなると企業は労働条件の変更を考えざるをえないでしょう。今までも60歳で一旦定年退職し継続雇用するには労使協定で定めた基準を満たす人を選別し、労働時間や賃金の見直しをした上で雇用をする企業が多かったのですが、希望者全員継続雇用となると賃金は今まで以上に各人に応じて金額を設定して行く事が必要になるでしょう。

仕事はできるが、ITは分からない

 Aさんは、32歳で独立して、私鉄2線が交わる乗換駅の近くに不動産周旋業を始めました。今では、店舗は本店を含めて3店になり、従業員は20名近くにもなり、地元の大学などでは名が通るようになりました。昨年65歳になり、IT会社出身の娘婿を後継ぎにしました。自分自身は、代表権のある会長になりました。従業員は、「会長になるには、未だ、早すぎるのではないか」といって驚いていました。
 後継者は、IT会社出身の持ち味を活かして、物件紹介のホーム・ページを開き、同業者とインターネットでの情報交換など外部への発信に取り組んでいます。社内では、色々な資料もパソコンから直ぐにとりだせるようになりました。資料を探すことが速くなり、お客様にも好評です。社内の会議では、スクリーンに映し出された資料をもとに進められており、手元に資料はありません。AさんはITが苦手で、次第になにが何やら分からなくなりました。

従業員30名の合成樹脂切削加工を経営していますS社長は、京浜地区に一つ、過疎地にもう一つの工場を経営し、過疎地工場では10名を雇用して、町役場からも感謝されて地域に貢献しているとのことです。「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾の略)をやりたいので一度工場を見にきてください」とのことで中小企業診断士が、工場を見学することになりました。

経団連による調査結果

 平成25年4月からの高年齢者雇用安定法の改正により段階的に、65歳までの希望者全員継続雇用の時代となりますが各々の企業はどのような対応を考えて行くのでしょうか。日本経済団体連合会から発表された「2012年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」からその内容を見てみます。

平成24年度はついに1万件超か

 会社法が施行されてから約7年、合同会社という言葉を見聞きする機会がだいぶ増えてきたのではないでしょうか。制度開始当時の平成18年度、設立件数は3,392件でしたが、その後設立件数は順調に増加、23年度には9,130件に上り、24年度はついに1万件を超える見通しです。

トヨタ自動車、本田技研工業など9社が共同で合同会社を設立したことや、「KY(カカクヤスク)」でお馴染みの西友が2009年に株式会社から合同会社への組織変更を果たしたことなど、大手企業の動きもありここ数年で知名度もぐんと上がりました。

 株式会社と合同会社を比較しても、両者とも法人格があるため契約や税制面などで特に違いはありません。また、出資者全員の責任を有限責任とする点でも共通です。しかし、株式会社では原則的に出資者と経営機関が分離しているのに対し、合同会社は出資者が社員として経営にも関与します。つまり、合同会社では会社の所有者と経営者が一致することになります。

単一税率と帳簿方式のセット

 財務省のホームページに、「単一税率の下では、請求書等に税額が別記されていなくても仕入税額の計算に支障はないが、複数税率の場合、請求書等に適用税率・税額の記載を義務付けたもの(インボイス)がなければ適正な仕入税額の計算は困難」との記載があります。

 各界からの税制改正要望をみても、単一税率・帳簿方式の維持という文言があふれています。識者の文章にも、日本は一貫して単一税率を維持してきた、という言い回しを見受けます。

 "コンセプト"とは物事の総括的、概括的な意味、すなわち概念のことです。

 「世の中の全ての物事は、コンセプトによって表現することが可能であり、それを提議・提唱する者の心性、視点、立場、精神的なポジション・在り方を反映する。」とされています。

 例えば「柔道七段」と言えば、短い表現で柔道界での強さを端的に表しています。

 また、ある物事(例えば、ある商品・サービス)を実在的、論理的に表現しようとすると、長い文章表現や、くどい説明が必要になって、かえって分かりにくくなるところを、コンセプトを使えば、他の類似した物事と、明確に区別して単純明快に説明することができます。

 この利点を生かして、商品・サービスの販売活動では盛んに"コンセプト"が使われています。

犯罪収益移転防止法とは?

今年4月1日より、改正犯罪収益移転防止法が施行されます。

犯罪収益移転防止法(以下、犯収法)は、いわゆるマネー・ローンダリングを防止するため、2007年に施行された法律です。マネー・ローンダリングとは、犯罪で得た資金をあたかも正当な取引で得た資金のように見せかける行為や、口座を転々とさせたり不動産や金融商品等に変え、その出所を隠す行為を言います。こうした行為に対し、金融機関や税理士をはじめとした士業者など一定の事業者に対して、本人確認やその記録の保存など、取引時の確認を的確に行うための措置を義務と課すことで、犯罪による収益の移転動向に対応しようとするのが犯収法のねらいです。

毎日努力されている経営者の皆様に、経営に役に立つ事例をシリーズでお届けします。一つでも貴社の経営のヒントになることがあれば幸いです。

厚生年金の支給開始年齢の引き上げ

高年齢者雇用安定法では企業に対し、65歳までの ①定年の引き上げ ②継続雇用制度の導入 ③定年制の廃止のどれかの措置を行う事としていますが、8割以上の企業が継続雇用制度を利用しています。平成254月から厚生年金の受給開始年齢が60歳から61歳に引き上げられます。今後3年ごとに1歳ずつ引き上げられ、平成374月には65歳からの開始となります。それに伴い今までは継続雇用制度の対象者基準を労使協定で決めておくとその基準によって選別できていましたが、4月より希望者全員を継続雇用する仕組みとなります。但し、厚生年金の報酬比例部分の受給開始年齢に到達した後は、今までの選別基準を使える12年間の経過措置が設けられています。

公正証書とは?

 公正証書とは、公証人という法律の専門家(元裁判官、元検察官が大半)が、人又は法人の嘱託により、法令に従って、私法上の権利・義務の変動をもたらす行為あるいはこれら権利に関する事実について作成した証書をいいます。遺言、任意後見契約、金銭の貸借に関する契約、不動産賃貸借、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する契約等に関する公正証書が典型です。

来日までにどれくらいかかる?

平成25年の春採用から、就職活動の解禁時期が大学3回生の10月から12月に繰り下げられたことで、年明けから各企業の就職説明会が一気に本格化しています。その中で、外国籍留学生の採用に積極的な企業の様子が頻繁に報道されていますが、一方では海外現地において外国籍従業員を採用し、研修期間を経て日本へ呼び寄せるという流れも見られます。

観光目的で短期間来日する場合などと違い、中長期間滞在する場合には呼び寄せまでにある程度の手続き期間を要します。手続き期間は来日目的により異なりますが、一般的に就労目的で来日する場合、1か月半から2か月程度の期間が必要です。

 人事考課制度の公正性、納得性が、制度の効果を左右する重大事であることは一般によく認識されています。

 そこで考課者訓練のやり方が、いろいろ工夫されており、一般に普及してきたのは、考課場面(職場・考課項目・被考課者の業績・発揮能力・意欲等の考課材料)をケーススタディーとして準備し、複数の考課者(管理者)に考課させた上で、討論を行わせ、まとめ役が準備したモデル回答を説明する、と言ったパターンが多いようです。

 しかし、このような方法は、考課基準適用判断のバラツキを抑制するのに役立つものの、実際の被考課者の考課材料が使われず、リアリティーに乏しいことから、最近は次のような実践的考課者訓練が効果性をもつものとして注目されています。

修繕積立金とは

読んで字の如く、将来の修繕の為に積み立てる金額です。

自社所有ビルの将来の修繕積立金は、単なる資産の振り替えです。すなわち、以下の処理で終わりです。

定期預金(修繕の為)/普通預金

 2000年頃から、日本企業で成果主義・能力主義の評価を重視する傾向が強まったのに伴い、"コンピテンシー評価"と言う評価手法が取り入れられるようになりました。

その目的は、職種別に高い業績を上げている従業員の行動特性を分析し、それをモデル化して評価基準にすることで、従業員全体の質の向上を図ることにあります。

 納税環境整備では、延滞税等(利子税、還付加算金を含む)の見直しが特筆されます。この見直し案は、昨年の税制抜本改革案の閣議決定において、「平成25年度税制改正時に成案を得る」となっていました。

 以下、延滞税等の改正案を中心に他の税目についても概観してみたいと思います。

 法人課税については、大綱の基本理念が「成長と富の創出の好循環」であることから、改正内容は投資等減税が中心となっています。それでは、主な改正項目を概観してみたいと思います。

 経営課題を解決するには"的確な状況判断"が欠かせません。

 それは、経営課題解決プロセスにおいて、これを誤ると決定的なダメージを受けることになってしまうからです。つまり、

経営課題解決プロセス

経営課題――状況判断――対策検討・決定――実行――結果の評価

において、状況判断は、課題の次のステップにあり、対策検討・決定の直前に位置していますから、ここで"的確な状況判断"ができないと、対策を誤ることになり、したがって全てが徒労に帰してしまいます。

 チームは、経営の問題解決によく活用され、上は経営会議から、課間の問題解決チーム、下は現場の不良率低下など、チーム編成の目的は多様ですが、それらに共通する成功要因は、リーダーシップ・メンバーの技術的知識・能力、目標設定力、進度管理・推進力、調査力・メンバーのやる気(主体性)・実行力、目標達成力が高いことで、それらが複雑にからみあって効果を表します。

海外進出は発展のチャンス

海外進出というのは、企業にとっても大きな発展のチャンスである一方、リスクはつきものです。粘り強く、詳細に準備を進めていくことが、成功確率を高めることとなります。

また、海外への工場進出は、おおまかに①計画策定段階、②計画実施段階、③海外進出後の運営段階に区分できますが、進出決定後の計画実施段階に入りますと、会社設立申請、工場建設、機械設置、人材の採用、育成等多くの項目が同時並行的に進めていかなければなりません。

この時は、例え、計画に無理があっても修正することは難しく、やり抜くしか道はありません。だからこそ、最初の整理が大事なのです。

12月に決算を迎えた企業様も多いことと思います。決算後は会計書類の整理に気を取られがちですが、役員の任期が満了する場合には法務局での役員の変更登記申請も必要です。

「理由書」とは?

留学生を採用する際、外国籍従業員を雇い入れた際など、外国人雇用に当たり「雇用理由書」の作成を求められたことはありませんか?

外国籍の方が日本で就労するためには、これから行う職務内容に合わせた在留資格の取得(変更)手続きが必要です。この手続きの際、提出書類として頻繁に求められるのが雇用理由書などの「理由書」です。

社員自らのスキルアップを応援する制度

 教育訓練給付とは、雇用保険の一般被保険者(在職者)又は被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練講座を受講し、終了した場合本人が講座の為に支払った費用の一定割合相当額が支給される制度です。

 社員が教育訓練を初めて利用する時は厚生労働大臣の指定を受ける講座を運営する教育訓練施設の受講開始日において、雇用保険の一般被保険者期間が1年以上あれば良いのですが、2回目以降の利用からは3年以上加入の期間が必要となります。

 受講しようとする講座が厚労省の指定を受けている講座か確認するには中央職業能力開発協会や厚労省のホームページ又はハローワークに備え付けられている講座一覧で見る事ができます。

事業承継税制の柱は、何といっても平成20年に創設された非上場株式等(一定の部分に限ります)についての相続税・贈与税の納税猶予の特例です。この特例ですが、一定の要件を満たすことによって、相続税についてはその株式等に係る課税価格の80%に対応する相続税額が、一方、贈与税についてはその株式等に対応する贈与税の全額の納税が猶予されます。

 そして、納税が猶予された相続税・贈与税は、先代経営者(贈与者)・後継者の死亡等により免除されることになっています。                  

 「品質管理」の分野に"標準化"と言う考え方と管理技術があります。

 よく知られているように、「均一な品質のモノを、決められた時間で効率よく製造するために、モノづくりの手順・方法を決めること」を"標準化"と言います。

 生産の能率を上げ、さらには自動化へ進めることで、コストダウン、不良の低減などの効果があり、第二次世界大戦後に日本では自動車産業を代表として、製造業における"標準化"が大いに進展しました。

頭の痛い職場のトラブル

インターネットの伸展や、長引く景気後退の影響もあり、労働者の権利意識も高まり職場のトラブルが増えています。厚労省の統計でも毎年100万件を超える労働相談が寄せられています。

 使用者と労働者との個人的なトラブルを個別労使紛争と言いますが、労働契約や就業規則等で決められる事に関してのトラブルでは解雇や賃金に関する事が多く、最近ではうつ病やパワハラ等が増えています。

企業は防止対策をしておく事は大事ですがそれでも労使トラブルが起こってしまったら、どのような方法で解決すればよいのでしょうか。

留学生を採用したら

 今年も残すところあと数か月。来年3月卒業の留学生を採用予定の事業主様は、そろそろ在留資格変更手続きに向け準備を始めたい時期です。

人事考課は、社内等級制度・賃金制度(昇給・賞与支給)の運用、能力開発・適性配置の実施にあたって、社員個々と社員トータルの意欲を高め、会社の期待以上に能力を発揮し、成果をあげてもらえるように活用しなければなりません。

役員給与の支給の仕方に関わる税法制限

役員給与(役員報酬と役員賞与)は原則損金不算入です。例外として、次のものが損金算入となります。

a 定期同額の役員報酬(期首から3ヶ月以内の改訂は可)<事前届出不要>

b 有価証券報告書を提出する非同族会社の利益連動役員賞与<事前届出不要>

c 事前確定届出給与(決算確定から1ヶ月以内)

 制限の趣旨は、会社の景況に合わせた役員報酬の随時の改訂や、利益の額に合わせた賞与の支給を排除しようとするものです。

 海外直接投資は、新規事業であることには変わりがありません。したがって、新規事業を遂行するための「人」、「もの」、「金(資金)」が必要となります。中小企業の海外直接投資においては、この基本的要素を如何に揃えられるかが成功の鍵となります。

中小企業の海外進出

 日本企業の生産拠点の海外進出は、1985年のプラザ合意以降、急激な円高の影響を受けて、NIES諸国(韓国、台湾、香港、シンガポール)を中心に進出したのが始まりです。その後、進出国の人件費の高騰等の影響により、東南アジア、中国へと生産拠点を拡大していくこととなりました。

復興特別法人税と復興特別所得税の相違

 法人に課せられる復興特別法人税は、

●期間 平成2441日以後3年間に開始する事業年度における36ヶ月間が課税対象期間

●税率 10%

●課税対象額 次の法人税額

別表一()4欄 + 別表一()5欄

●復興特別法人税申告書を別途提出

●復興特別法人税には中間申告・予定納税がない

人事考課の結果を活用する最も代表的な目的は賃金の改定ですが、その方法は賃金体系と考課結果の表わし方(A・B・Cなどの標語)によって決められます。

 最近の先進的・代表的な例を挙げますと次の通りです。

平成254月施行予定 労働契約法改正

 契約社員やパートタイマー等の有期雇用契約で働く人は全国で1200万人と推計されています。4年前のリーマンショックをきっかけに雇止めが頻発し、契約更新されなかった有期雇用者の保護が言われていました。この度、有期雇用者の雇用安定を促す改正労働契約法が8月に公布されました。改正点は紹介する3つが決められました。

年会費は中身を確認して

同業者団体等が特別な事業を行う場合に、徴収する特別会費については、その取り扱いが、行う事業によって異なります。更に通常の年会費等と一緒に徴収される場合が多く、年会費と同様「諸会費」として経理処理されがちです。ご留意下さい

経営において、よく起こりがちな誤りのひとつに"手段の目的化"があります。

 例えば、「本来は経営戦略の進展状況をチェックして、必要なアクションを検討するのが経営会議の本来の目的」であるのに「会議を開く、と言う手段そのものを目的と考えてしまう。」のがそれにあたります。

減資しても資本金等は減らない

 会社法上、減資によって欠損金を補填することができます。資本と利益の混同です。法人税法では、欠損補填の減資をしても、資本と利益の混同はしないので、「資本金の額」は不変です。

それでも、交際費、寄付金、各種租税特別措置における中小企業の判定等などは、法定資本金をベースにするので、効果はあります。

ただし、法人住民税の均等割については、資本金等の額が基準になるので、いくら減資しても無償の場合は効果がありません。

創業・異業種進出し、中心となる人を雇用

 中小企業基盤人材確保助成金は、成長分野等の事業に創業や異業種進出し、会社の経営基盤の強化に資する人材を雇い入れた時に支給される助成金です。施設や設備にかかる経費負担や他の条件に合致すれば1人140万円、5人で700万円まで受給が可能です。検討してみたい助成金ですね。

弁護士会役員活動費の必要経費性

 弁護士会の役員としての活動に伴い支出した懇親会費等を事業所得の金額の計算上必要経費に算入し、また、消費税等の額の計算上課税仕入れに該当するとしたことが、税務調査で否認されたことによる税務訴訟の高裁判決が出ました。

納税者逆転勝訴で、その判決理由において「必要経費の業務関連性」が明示されました。すべての事業所得に関わりのある、意義ある判決と言えます。

海外子会社等に1年以上勤務していた日本人従業員が年の中途で帰任した場合、いつから居住者となるか、ですが、原則、帰任した日から居住者となります。

赴任(出向)日の留意点

 年の中途で勤務先から1年を超える海外子会社等の出向・赴任を命じられた場合、赴任者については、年初から出国までの期間について、年末調整が必要となります。

このような場合、赴任者は出国した日の翌日から非居住者となることから、出国した月の給与計算は、原則、給与の額を勤務した日数により居住者分と非居住者分とに按分することになります。

しかし、実務上の簡便から、次の4つの要件をすべて満たせば、出国した月の給与については、当該給与を国内源泉所得に該当しないものとして取り扱っても差し支えない、としています。

(1)計算期間の中途で出国し、居住者から非居住者になること、(2)出国後、非居住者になってから支給されること、(3)給与の計算期間が1ヶ月以下であること、(4)当該1ヶ月分の給与のすべてが国内勤務に対応するものでないこと。

これを具体的に事例でみて見ましょう。10月分の給料は、その計算期間は前月921日から翌月1020日、支払日は1025日、そして、出国は1019日とします。給料の支払いは国内です。

この事例が4要件のすべてを満たしているかどうか検証してみます。

 トップにとって経営会議などの定例的な意見交換とは別に、新しい収益源を生み出すアイディア、画期的な能率向上を図る新しい仕事のやり方など、創造的アイディアを得ることは重要な関心事のひとつです。

それらは、多くの場合、社員の柔軟な頭を活用し、日常業務の延長線から離れて、自由闊達に意見を交換する環境をつくることが有効な方法で、"ブレインストーミング(BS)"がよく用いられます。

合併と会社分割は違うのに同じ扱い

合併では被合併会社は消滅します。それに対して会社分割では、分割会社の一部分だけが消滅し、分割承継会社に引き継がれるので、部分合併と言うこともできます。

従って、会社分割の場合の分割承継法人の消費税の課税・免税事業者の判定は、分割承継法人の基準期間の課税売上高と、分割法人の基準期間の課税売上高の内の、分割部分に対応する金額を合計して、合計額が1千万円を超えるかどうかで判定しそうに推測されます。

しかし、そうではなく、分割部分に対応する額を求めることはせず、合併の場合と同じく、分割承継法人と分割法人の各基準期間の課税売上総額の合計額を判定対象にします。部分合併の性格でも、全部合併の扱いです。

 "ヤル気"とは、個々の社員、またはチームが、担当する仕事に主体性を持って取り組んでいること、言い換えれば取り組み意欲が高いことを言います。

そのような社員は、多くの場合、年齢・学歴・経験年数などに関係なく、社内にいますが、トップがそのような人材の存在を的確に知って事業に活用できているとは限らず、その発見と活用は企業の存続・発展にとって誠に重要です。

 つまり、経営者の"腕の見せどころ"の一つと言えましょう。

税務調査で必ずチェックされる「期ズレ」

 決算期前後の取引で、本来決算期に上げていなければならない取引が翌期に計上されていたり、逆に翌期に上げなければいけない取引が決算期に上がっていたりすることを総称して「期ズレ」と言います。売上や仕入れの期ズレは、税務調査で必ず最初にチェックが入ります。

会計原則には、発生主義と費用収益対応の原則とがあり、基本的には「現金収支には関係なく、収益・費用の発生した時点で計上しましょう」「収益と費用をできる限り因果関係に基づいて把握しましょう」というルールに則っています。

事業年度後半、人事異動の多い季節

10月から事業年度後半、といった企業も多いことと思います。事業年度の区切りに合わせ、多くの企業では人事異動が行われます。引っ越しサービスを提供するアートコーポレーション株式会社が行ったアンケート調査によれば、10月は4月に次いで二番目に人事異動が多い時期となっているようです。人事異動は従業員にとって大きな環境変化ですが、許認可を取得している企業の場合、企業の事業そのものの継続に関わる変化にもなり得るため注意が必要です。

今までとどこが違う高年齢者雇用

 60歳の定年後も希望者全員を雇用する事を企業に義務付ける高年齢者雇用安定法が成立しました。来年4月から厚生年金の受給開始年齢が引き上げられるのに対応して定年後に年金も賃金も受け取れない人が増えるのを抑えるためです。

 今までの法律では60歳を超える従業員が継続雇用を希望し、さらに会社の再雇用基準を満たしている場合に雇用する事になっていましたが、会社の再雇用基準とは関係なく、本人が希望すれば雇用しなければならないということになったのです。現在企業の8割以上は継続雇用制度を持っていて、定年後も希望者を雇用していますが、その半数強は労使協定の基準を満たす者を対象としています。改正法ではその選別を協定であっても選別出来ない事となります。

トップは経営会議などで、「前月の営業利益は5%」などと報告を受け、その数字が前期に比べてどうか、当期の計画は達成されているか、に注目してチェックすることが多いでしょう。

その数字は営業活動がいくつかの地域別に分担して行われている場合、それらの全体平均で表されていることになります。

人材を採用する時は募集から

人材採用をするにはまず採用計画を立て、募集から始めますが、募集から採用、入社までの手順について見てみましょう。

TaxHavenとは

 TaxHavenとは、日本の税法では、所得に係る租税の実効税率がゼロ(ケイマン、ガーンジー、ジャージー、バーレーン、バハマ、マン島)もしくは20%以下(アジア地域としては、マカオ12%、香港16.5%、シンガポール17%、台湾17%、カンボジア20%、カザフスタン20) の国や地域を指します。

適切な方法で人材募集をする

 会社の経営状況や将来に向けて、経営戦略として人材を配置する事は重要な事です。

 外部から必要な人員を調達する必要があれば新規採用を行います。雇用にも正社員からパート・アルバイト等多様な雇用形態があります。職務内容等、必要な人材像を決め、その募集方法を選択します。

外国人従業員と副業

 外国人に限らず、従業員の兼業や副業に関する規定を、就業規則などに設ける会社は多いと思います。業務時間外の兼業・副業を全面的に禁止することの有効性については論議が交わされるところですが、外国人従業員が副業する場合、その方の在留そのものに大きく影響することもありますので注意が必要です。

 「管理のサイクル(PLAN―DO―CHECK-ACTION)」は第2次世界大戦後、アメリカから日本へ導入された"品質管理(QC・Quality Control)"の中心的概念として有名で、今では当たり前のように経営管理に使われています。

インバージョンの準備としての親株取得

 外国親法人P株式を用いるコーポレート・インバージョン(逆さ再編)を実行するには、まず合併法人Bが親法人株式Pを取得する必要があります。組織再編の交付株式としての親会社株式取得は、会社法も容認しています。取得方法については特に触れていません。

法人税法も、親法人から直接提供された親法人株式ならば、取得時や組織再編実行時に時価評価不要としているだけなので、取得方法に制限がありません。

人事異動の種類は様々

 従業員を採用したら勤務地や担当業務を決めますが、会社の組織変更や業務の拡大、縮小等変更が生じるのが一般的です。従業員の勤務場所や役割を変える事を人事異動と言います。人事異動は職場や職務内容を変える事を配置転換と言い、勤務場所の変更を転勤と言います。人事制度による資格の変更は昇格、降格等いずれも同一社内における異動です。

一方別の会社で就業させる、出向と転籍があります。人事異動については原則使用者に人事異動についての裁量権があります。その行使は社会通念上著しく妥当性を欠き権利の乱用に当たるという事でない限り違法ではありません。

コーポレート・インバージョン

 外国親法人株式を用いる合併、分割、株式交換により、内国法人を適格組織再編で外国法人系列の子会社・孫会社にしてしまう、ことができます。これをコーポレート・インバージョン(逆さ再編)と言います。

 外国親法人株式は国外財産であり、外国親法人の法人税の申告は当該外国になされるだけで日本国にはなされません。

組織再編対価の柔軟化

会社法では、平成195月から(会社法自体の施行時期は平成185月なので1年後)、会社が組織再編に際して株主に交付するものを、株式だけでなく、金銭その他の財産とすることをも認めています。これを組織再編対価の柔軟化といいます。

組織再編対価の柔軟化が認められることにより、いわゆる交付金銭等再編・三角合併等が可能になりました。

 "事実"に基づく経営判断は経営管理の根幹を為すものと言えます。

"的確な状況判断"ができていなければ、対策をとることはできませんし、もし状況判断をしないで、対策をとったとしたら、まぐれ当たりでない限り、失敗することになります。また、判断を間違えたら、その対策も間違えることになります。

 しかし、経営者や幹部が有能であると自認しているほど、自らの判断と自ら考えた対策に自信を持ちすぎ、失敗することがありますから注意が必要です。

経営者は、顧客管理・販売管理・生産管理等、様々な経営問題を管理しなければなりませんが、問題の重要度に応じて管理することによって効率の良い経営が行えます。

 例えば出荷額が大きい製品を重点品目とし、生産・在庫管理を行えば、在庫金額を低めに抑えながら、欠品を出さない経済的な経営を行うことができます。

会社法の位置づけ

 会社法では、有償減資による資本の払戻し(その他資本剰余金の処分による配当等)を受けた場合は、払戻しの対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合を除き、原則として払戻し受領金額をその対象有価証券の帳簿価額から減額します。仕訳で表すと次のようになります。

 

 現預金×× / 有価証券××

標準報酬月額が決まる時期

 社会保険料を決める標準報酬は①入社時 ②毎年4月、5月、6月の賃金を平均して決定する定時決定 ③報酬が大幅に変動した時に改定する随時決定 ④育児休業終了時の4つのタイミングで決定されます。

 定時決定は算定基礎届を提出し、当年9月から翌年8月まで決定した標準報酬が適用されます。しかし途中、昇給等で報酬の額が著しく変動した場合、その月以降継続した3ヶ月の報酬の平均額を基に4か月目から標準報酬を改定する事を随時改定と言い月額変更届を提出します。

 人事考課では考課者(課長など)が被考課者(部下)の仕事のプロセスや結果に表れた業績・発揮能力・意欲を、事実に基づいて的確に考課することが求められていますが、考課者によって、厳しい考課をする傾向、甘い考課をする傾向、あまり考課の差をつけず平均的考課をする傾向など、バラツキが起こりがちです。

 そのような考課のバラツキを放置すると、会社が定めた人事考課基準に従った的確な考課が行われなくなり、社員からも人事考課制度に対する信頼感、考課に基づく賃金・昇進などの実施結果に関する公平感・納得感が無くなり、恒常的なモラール低下が生じてしまいます。

会社法の位置づけ

 会社法では、減資は無償減資のみと位置づけられています。旧商法のような直接的な資本金の払戻しによる有償減資はありません。

 具体的には、資本金の減資は、減少する資本金を「その他資本剰余金」又は「資本準備」への振替です。簿記上、仕訳で表すと次のようになります。

「資本金場××/その他資本剰余金××」又は「資本金××/資本準備金××」

したがって、減資前と減資後の「純資産の部」の内部の変動だけで純資産の部そのものの額に何ら変動はありません。

 会社法では、有償減資ができなくなったのか、というとそうではなく、「無償減資+剰余金の配当」として位置づけることで可能となります。この場合の「剰余金の分配」は、利益剰余金の配当ではなく、その他資本剰余金の配当です。

仕訳で表すと、先ず、「資本金××/その他資本剰余金××」、次に「その他資本剰余金××/現預金××」となります。

中小企業へのインターンシップ拡充

今年6月、政府は若者の雇用拡大や早期離職の是正などを目指した若者雇用戦略をまとめ、若者への中小企業の情報提供や、中小企業へのインターンシップ制度の拡充を促す方針を発表しました。

インターンシップとは、「学生が一定期間企業等の中で研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行える制度」と定義される、いわば職業体験実習です。先行的に学生と接することで就職後のミスマッチを回避する効果も期待でき、今回の若者雇用戦略においてもこうしたミスマッチの解消や早期退職しない職場環境の改善を目指すこととしています。

米ネット企業のTaxHaven利用節税策

 表題のDIDSは、米IT大手企業の税務戦略の名称で、この7月23()に日経新聞が賞賛的に紹介し、日本企業は後れを取っており、日本の税法やその運用が不透明なことがその遅れの背景と書いていました。

全世界所得に対する実効税率、Apple24%、Google21%、Microsoft18%とかなり低いのは、ネバダ州、アイルランド、オランダ、ルクセンブルク、ケイマン、ヴァージニア諸島といったタックスヘイブン地域に名目上の拠点を設置し節税しているから、と説明しています。

増えている生活保護受給者210万人超

 最低賃金で働く人の可処分所得(手取り額)が生活保護受給者より低い逆転現象が広がっている事が最近のニュースで取り上げられていました。昨秋の最低賃金の引き上げで逆転している地域は12から9に減ったものの最近では11都道府県に増えています。それは最低賃金で働く人の社会保険料が増えたためです。(生活保護受給者は保険料や医療費の減免措置があります。)

すでに平成24年度の最低賃金の目安は厚労省の審議会で全国平均7円の引き上げを決めており、生活保護の水準を下回っている地域については高めの引き上げ額を示しています。

「所属機関に関する届出」の義務化

 今年79日から新しい在留管理制度が施行されたことに伴い、就労を目的とする在留資格を持つ外国人が、勤務先について以下のような変更が生じた場合、変更後14日以内に入国管理局へ届け出ることが義務化されました。所定期間内に届出を行わなかった場合、20万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

①名称が変更したとき

②所在地が変更したとき

③勤務先が消滅したとき

④勤務先から離脱した、又は勤務先との契約が終了したとき

⑤新たな勤務先に移籍、又は新たな勤務先と契約を結んだ時

 就労を目的とし在留する外国人にとって、所属する就労機関、つまり勤務先の企業が在留資格付与の基礎であり、入国後の変更情報をより正確に把握するため、届出の義務を課されることとなったのです。これに合わせ、企業側も外国人従業員に以下のような対応を行う場合には届出を速やかに行うよう指示する必要があります。

法人税法では、実質的に前期の所得と通算して法人税額の計算ができるという「欠損金の繰戻しによる還付」の制度を設けています。

一般の業務と専門26業務

 労働者派遣は、本来、一時的な労働力需給の仕組みです。労働者派遣の業務は派遣就業の場所ごとの同一業務については、派遣可能期間は原則1年、最長3年となっています。但し専門26業務と言われる業務については派遣期間の制限はありません。

 派遣期間で問題が起きやすいのは契約上制限期間の無い専門業務としつつ、実態は26業務を拡大して専門性のない業務に期間制限を設けず派遣を行う場合があることです。

近年は長引く円高や不況の影響もあり、生産工場としての機能だけでなくビジネスの拠点としてアジア等海外へ支社の設立を検討するケースも多く見受けられますが、この過程において海外支社で採用した外国籍社員を日本へ赴任させる必要性が生じることもあるでしょう。

こうした海外にある支社等から日本に赴任する場合などにおいて、一般的に申請されるのが企業内転勤と呼ばれる在留資格です。

 行政改革などで、よく「全体像と工程表を明示すべきだ。」と新聞の社説や政治評論家が主張します。

これは、「行政改革の結果として全体がどのように変化するのか、行き着くゴールの姿」と「現在時点からゴールに到達するまでの道筋を一連の作業の前後関係と所要期間で図示する」ことにより、国民への説明責任を果たすことを求めているわけです。このような「全体像と工程表」は政治に限らず、経営に於いても普遍的な重要性を持っています。

全雇用者の3分の1をしめる非正規雇用者

 パートタイム、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等呼称は色々ですが非正規労働者は働き方も様々です。しかし正社員に比べて賃金等の待遇が不十分な上、雇用も不安定な状況が多いのが現状です。

平成20年秋のリ-マン・ショック時には多くの非正規労働者が雇止めや解雇をされました。雇用を支えてきた建設業や製造業でも2業種の就業者はリーマン・ショック前より170万人も減っています。

企業は新興国との競争で人件費の削減を余儀なくされている上、メーカーは工場の海外移転等で空洞化となり建設業は国の財政難による公共事業の減少で雇用吸収力が無くなっています。

電源開発促進税とは

国税で、発電施設の設置促進、運転の円滑化、利用促進、安全確保、電気の供給の円滑化などを目的とした、目的税(その税金の使い道が決まっている税金)です。

納税義務者(税金を納める者)は一般電気事業者(東京電力等)で、販売した電力や自ら使用した電力に課税されます。

社長を中心に行う月間・期間・年間の定例経営会議では経営戦略・経営計画の策定に始まり、その実績のチェック、計画遅れ、又は未達成の原因追究と対策を定例議題として、担当役員からの報告に基づいて検討されるのが通常でありましょう。

そのような定例経営会議の効率は「投入時間対意思決定等の成果」で計り、かけた時間の割に意思決定ができない等、非効率な要因を取り除いて、前向きな緊張感を持ち、スピーディーな対策行動へつなげる会議とするべきです。

しかし、現実には社長が描いたような効率の良い会議が常に開催されるとは限りません。

重加算税とは

国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した場合に課される税金で、増加した本税に対して原則35%。無申告の場合は40%の税金が課されます。

「計画」とは、予め到達すべきゴールが決まっている事柄を効率良く達成するために、仕事の段取り、すなわちプロセスの計画を立てることを言います。

この段取りのうまさと計画通り実行する能力次第で、目標達成プロセスの効率が変わり、スピーディーに目標が達成される場合も、逆に最悪の場合は目標が達成できず、利益獲得のタイミングを逸することもあります。

正当な理由がなく無断欠勤した場合

 会社に届け出や連絡もせず、欠勤する事は、企業活動に悪影響を及ぼします。この事は就業規則等で定めてあれば懲戒の対象となります。

ただ就業規則には無断欠勤があった場合は懲戒と記載してあったとしても日数が明記していない場合何日以上の欠勤で解雇できるのかという問題があります。

労働基準法第20条では「労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合」に労働基準監督署長の認定を受ければ解雇予告の除外が出来るとしています。

どのような時に認定されるのでしょうか。認定事由には次のようなものがあります。

年金支給開始引き上げと雇用確保措置

 厚生年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、無年金、無収入の人が出ない様に希望者全員が65歳まで働ける雇用確保措置を取るよう法で定めています。現在は8割以上の企業は継続雇用制度を導入しています。

背景に年金の定額部分の支給開始年齢の引き上げが有り、今後報酬比例部分の支給開始年齢も引き上げられ、60歳代前半の年金給付が無くなる状況では、就業継続を希望する人はさらに増加するでしょう。

 「固有技術」と「管理技術」は経営管理において「車の両輪」と言われ、利益の確保、増大の重要な役割を担っています。

「固有技術」は、例えば、溶接技術・メッキ技術などモノづくりの基礎的技術で、企業個別の不可欠な技術であるのに対して、「管理技術」は企業が生産するモノやサービスの質・量・コスト・生産性・スピードを維持・改善したり、戦略策定など経営を前進させるために必要な普遍的技術で、「品質管理」「能率向上」「戦略策定」などが伝統的に活用されています。

許認可がいらない?エステティック業

 会社で行う事業の中には、許認可や届出を行うことが営業要件になっているものもあり、こうした許認可の取得は事業を開始する上では一つのハードルになります。

これに対し、エステティック業は基本的に許認可や届出を必要とせず、一人での運営やマンションの一室を利用した小規模なサロンの開業ができることから、特に女性からの人気が高い業種の一つです。

しかしこうした許認可が不要な事業であっても、競合他社との差別化や消費者の様々なニーズに応えるため施術メニューを増やすなどして、結果的に他の許認可事業に触れてしまわないよう注意が必要です。

正社員でない人の育児・介護休業

 育児・介護休業法の改正で従業員100人以下の企業にも①短時間勤務制度、②所定外労働時間の制限、③介護休暇の適用を受ける事となりましたが、労働期間の定められた契約社員やパートタイマー等はこの対象者となるのでしょうか。この場合は期間雇用者であっても一定の範囲の人が対象者となります。

 企画職・専門技術職など知識労働者について、経営者の期待は、「知的労働の質と創造的発想、仕事の効率的方法によってCS(顧客満足)と利益を高める良い企画や製品開発・生産技術開発などの成果をスピーディーにあげること」にあります。

その成果に対して賃金を支払いたい、働いた時間が長く、成果をなかなか出せない社員には賃金をできるだけ支払いたくない、と考えることは当然です。

経費を支払ってポイントを貯めたものの・・

 出張旅費などの仮払いを受けて、その現金を使わずに、自分のクレジットカードで決済する、なんてことをする人がいます。

会社の同僚と飲みに行った時、割り勘で支払った領収書をみたら、カード支払にチェックマークが付いていた、なんてこともあります。

損得なしだから、どうでもよいことと思いますが、カードで支払った人のカードの中にポイントが溜まる場合があります。中々の才覚と言えます。

 人事考課を行うときに「絶対考課」と「相対考課」のやり方とそれぞれの性質を理解して使い分ける必要があります。

「絶対考課」とは、考課項目ごとに基準を明確にして、その基準をクリアしたかどうかを考課することを言います。

「相対考課」とは、基準を定めずに複数の被考課者を比較して、その優劣で順位を考課することを言います。

法人株の究極の相続対策

 株式価値の高い父親経営の同族会社を、息子が新規の会社を設立し、そこに吸収合併させ、無償消滅させてしまう、という相続対策は、適格組織再編として課税関係が生じませんでした。この行為は無対価組織再編と言われるものです。

 100%親族グループの場合での適格組織再編の要件は、株式以外の資産の交付がないこと、というのがほとんどの内容です。そうすると、株式そのものの交付もしない『無対価』の組織再編は、この要件からして「適格」に該当してしまいます。

 大会社のグループ内再編では無対価組織再編は通常のことで、会計基準もあります。ただし、税法については特に規定がありませんでした。平成22年の改正によってはじめて『無対価』という明文の規定創設がされたところです。

外国人の方が日本で適法に在留するためには、27種類ある在留資格のうちどれか一つを得ている必要があります。

これら在留資格は、その外国人の身分(日本人の配偶者である場合など)に基づき交付されるもの、またはその外国人の活動内容に基づき交付されるものとに大別され、このうち活動内容に基づき交付される在留資格については、更に就労が可能な資格と原則就労不可能である資格に分けられます。

ネット取引はグローバル(無境界)

電子書籍や広告を配信している、楽天などインターネット関連の大手企業が、配信拠点を海外に移す検討をしている、との報道があります。日本の消費税不課税の海外ネット大手と競争条件をそろえるため、との理由です。

国境を越えた取引でも、税関を通過するものには、そこで課税できますが、ネットの中だけで取引が実現してしまうものには、消費税の課税をすることは限りなく不可能です。それで、日本の消費税法も、最初から課税を想定していません。

社会保険未加入企業に厳しい減点

今年51日、建設業法施行規則及び関連告示が改正され、71より経営事項審査において新しい審査基準が適用されることとなりました。

経営事項審査とは、財務状況や規模等からその建設事業者の経営状態を審査する制度で、公共工事の入札に参加する際には必ず事前に受けておかなければならないものです。

この審査において、社会保険の加入状況についてこれまでは①雇用保険に加入しているか②健康保険及び厚生年金保険に加入しているかの2項目に分けて審査していましたが、新基準では①雇用保険に加入しているか②健康保険に加入しているか③厚生年金に加入しているかの3項目に細分化され、更に未加入の場合の減点幅がこれまでの30点から新基準では40点に拡大されます。

また、111日からは建設業許可の許可・更新申請時に、保険加入状況を記載した書類を新たな添付書類として追加される予定であり、今後社会保険の加入が建設事業者に一層求められる模様です。

 人事考課の実務では「分析考課」と「総合考課」と言う二つの方法を使います。

 「分析考課」とは、考課項目ごとに考課を行うことで、「総合考課」とは全体的に考課することを言います。

電力不足に備えて7つのポイント

今年も5月よりクールビズが始まり、この夏懸念される全国的な電力不足対する取り組みも始まっています。オフィスでできる節電について環境省で推奨している方策を紹介いたします。自社で行える事があれば取り組んでみてはいかがでしょうか。

定時決定とは

 社会保険の加入者が実際に受ける報酬とすでに決定されている標準報酬月額がかけ離れないよう毎年1回、原則として7月1日現在の被保険者全員について4月、5月、6月に受けた報酬の算定基礎届出を行い、その年の9月以降の標準報酬月額を決定します。

対象外となる人は6月1日から7月1日までに被保険者の資格を取得した人は除きます。又、7月から9月までのいずれかの月から随時決定(月額変更届)や育児休業終了時改定で標準報酬が改定された人も対象外です。

 2012526日(土曜日)日本経済新聞朝刊一面に「消費税ゼロ 海外からの配信」、という記事が載っていました。その内容は、こうです。

 海外のネット業者が、海外を配信拠点(サーバー等の設置場所等)として、音楽やパソコンの応用ソフト、さらには今後大きく展開される電子書籍などのデータを日本の消費者(企業や個人も含む)にネット配信した場合、消費税はかからないが、一方、国内を配信拠点とする国内ネット業者には消費税は課税される。

消費税の納税義務者が事業者である以上、これでは、ネット取引に内外価格差が生じ、国内ネット業者にとっては著しく不利。そこで、国内大手のネット業者は、配信拠点を海外に移して、日本消費者向けの配信サービスを検討している、というものです。

平成22年の改正が100人以下企業にも適用

 2年前に施行された改正育児・介護休業法が平成24年7月からこれまで適用が猶予されていた従業員100人以下の事業主にも適用になります。急速に進む少子高齢化による将来の労働力不足が予想される中で子育てや介護の担い手が必要とされます。

 企業の人事管理においても男女共にどのように仕事と家庭の調和を計って行くかという視点が欠かせないものとなってきました。

 人事考課では「考課基準」の決め方が問題になり易く、失敗すると上司(考課者)にとっても、部下(被考課者)にとっても納得できない結果に陥ります。

 これでは、人事考課の公正性・納得性が得られないため、役に立たないどころか、上司と部下の信頼関係にも悪影響が出て、職場の人間関係・意思疎通が悪くなってしまいます。

加入期間の通算

 健康保険では被保険者としての資格がある期間には保険給付を受ける事が出来ますが、例外として資格喪失後に給付が行われることがあります。

受けられる制度は傷病手当金、出産手当金、出産育児一時金、埋葬料(費)について継続することが出来ます。これらを受ける為には埋葬料()を除き、退職前に引き続き1年以上被保険者として加入していた事(任意継続期間は除く)が必要です。

引き続きというのは協会けんぽと健康保険組合は継続として通算できますが、国民健康保険や共済組合は通算されません。ですから必ずしも退職1年間は同じ会社であるか、同じ健康保険である事が必要と言うわけではありません。

労働者派遣法改正の実施は10月

 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等の関する法律案」が成立しましたが、施行日は6ヶ月以内の政令で定める日とされ今年の10月から施行される予定です。

派遣法のどこが変わったのでしょうか。

 人事考課の三つの要素「業績考課・能力考課・意欲考課(情意考課とも言う。)」の中で、意慾考課は新入社員から中堅社員に育つ間で、人材を育成するために最も基本的な重要性を持っています。

 上級社員・管理職になれば業績を上げることが期待され、それが考課の中心に据えられ、そのための発揮能力・意欲は当然のこととして考課のウエイトは大層低いか、ゼロ配分になります。逆に言えば若いうちに意欲(モチベーション・やる気)を持って仕事に取り組む大切さを実践しながら学び、心身に叩き込み、将来管理職、または上級専門職として、業績を上げる準備を行うために考課の意味があるわけです。

銀行救済のための欠損金繰越期間延長

8年前金融庁は税制改正要望として、銀行破綻を救うために、銀行については赤字の繰り越しの期間を5年から10に延長することを求めました。その結果、平成16年度の税制改正では、欠損金の繰越控除期間が5年から7年に延長となり、さらに大幅な損失を計上していたそれ以前の過去3年前に適用期間が遡及することになったので、要望の10が実現しています。

 親族で複数の会社を持っていて、その中に多額の欠損金や含み損(欠損金等)を抱えている会社があれば、この欠損金等を適格合併等により親族の他の黒字会社に引継できないものか、と考えたくなります。

 例えば、個人「甲さん」及び「その親族」は、X社の株式とY社の株式をそれぞれ100%保有、X社は優良会社、Y社は債務超過で多額の欠損金を抱えている、甲さん及びその親族が保有しているX社及びY社の株式の保有割合は異なっている、保有期間5年超、この前提で考えてみましょう。

外国人労働者数の増加

 徐々に回復基調が見えつつある企業の新卒者採用活動ですが、一方で今年度は外国人新卒採用を活発化する企業の動きが目立ちました。

外国人採用数の増加は、新卒だけに限りません。厚生労働省が発表した平成23年度の集計結果によると、外国人労働者を雇用している事業所数は116,561か所と平成22年度から7.2%の増加。また、事業所規模別に見ると、外国人労働者を雇用する事業所の53.3%が「30人未満の事業所」であり、最も多くの割合を占めることが明らかになりました。

 人事考課における能力考課は、業績をあげる手段としての職務遂行能力を評価するもので、とくに入社してから中堅社員に育って行くプロセスでは、良い仕事の仕方が業績に結びつくことを社員に覚えさせるために重要な意味を持っています。

アメリカの税務調査とサモンズ


アメリカの税務調査が原則として任意調査であることは、日本の場合と同様です。

日本の場合、資料調査課の調査、いわゆる「料調」は、裁判所の発する捜査令状こそないものの、刑事訴追を前提とする「マル査」の調査のように厳しい、と言われています。

内偵により、違法申告を物証的に確認していることが多いからなのですが、それでもこれは任意調査です。

アメリカには、刑事訴追を前提とするものではないが、裁判所の召喚状に基づいて行う強制調査(サモンズsummons)があります。日本の、「料調」と「マル査」の中間のような制度です。

支給しているのは省庁だけではない

 融資と違い、返済義務がない補助金や助成金。機会があれば誰もが一度は活用したいと考えたことがあるのではないでしょうか。

補助金・助成金と一口に言っても、その支給源は様々です。雇用関係の助成金を扱う厚生労働省や、中小企業庁などの省庁だけでなく、各市区町村でもそれぞれの地域性に合わせ、産業振興を目的としたユニークな補助金・助成金を支給しています。

7月の法改正を控えて


 育児・介護休業法では今まで適用が猶予されていた従業員100人以下の事業所にも次の制度がH247月より適用になります。

①短時間勤務制度

②所定外労働の制限

③介護休暇の創設

改正法の適用を受け、中小企業においても仕事と家庭の両立を計って行く視点が欠かせないものとなってきました。

このうち短時間勤務制度は、小学校就学始期に達するまでの子を養育する労働者が利用出来る1日原則6時間勤務とする措置を含んだ制度を設ける事が必要です。

消費税の複数税率化が報道されだした


 野田首相が、一体改革の合意促進策として食料品軽減税率の採用に積極的である、とマスコミ報道されています。

 消費税は一律税率なので、税率改正は常に全国民を相手にすることになり、内閣の命運をかけた一大事業とならざるを得ませんでした。

しかし、複数税率にすると、商品分類別に税率を定めることが可能になるので、分類消費税という性格になります。そうなると、贅沢品・嗜好品を優先的に高税率にし、その他の商品も贅沢的・嗜好的面のあるものを細分化することにより、差別化政策で税率アップを図ることが容易になります。

パチンコグループの新手の節税策

 今年の2月半ばのマスコミ報道によると、パチンコ店をチェーン展開する計約40の企業グループが、組織再編税制を逆手に取って、損失を膨らませる新手の節税策により、総額約1000億円の損失創生プランを実行していたが、東京国税局はこれを、限界を超えた租税回避行為にあたると判断し、行為計算否認規定を発動しました。

労災事故発生と保険料率の関係

 労災保険のメリット制の保険料率は事業の種類ごとに過去の労働災害の頻度や重篤さ等に応じて定められています。しかし、事業の種類が同じであっても作業環境や災害防止対策等の違いに応じて災害発生率は違ってきます。

そこで労災保険では、労災防止努力の促進や事故の有無による保険料負担の公平性を計る目的で、一定の要件を満たす事業場に適用する労災保険料率を災害発生状況に応じて増減させる制度「メリット制」を設けています。

道路交通をめぐる最新情勢に合わせ、度々改正が行われている道路交通法

毎回厳しくなる取締りに、道路交通法違反件数も年々減少してはいるようですが、それでも交通事故がなくなることはありません。

社員がもし交通事故を起こしてしまった場合、従業員やその家族はもちろん、企業にとっても大きな不利益となることは言うまでもありません。

コンプガチャ商法とは?

 CMでもすっかりお馴染みとなった「グリー」や「モバゲー」などが配信する携帯電話向けゲームですが、これらの中で提供されている「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」と呼ばれる商法について、消費者庁が景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断、見解を公表するとの報道により、業界が自主規制をまとめる動きを見せています。

 人事考課を行う際、管理職や上級社員の場合、業績考課が最も重視されます。

 つまり、上位階級になるほど発揮した能力や意欲そのものではなく、努力して得た結果としての業績に注目して考課するわけです。

国境に消える税金への対策


 今年立法化された国外財産調書制度は、資産の海外への逃避に対する施策ですが、欧米には以前から各国それぞれの個性をもった海外財産情報申告の制度があります。

 地続きのEU諸国や白人文化圏の国々では、課税回避のための人と物の異動が、わが国の場合に比較して古くから容易だったので、それへの対処としての租税施策にも歴史があります。

 一般に人事考課では社員に与えた仕事の結果や遂行プロセスを観察して、「業績・発揮能力・意欲」の三つの要素で、そのレベルを測定・考課します。


 「業績」とは、通常1年の考課期間にあげた仕事の結果であり、それぞれの役割に応じて、例えば営業職の場合は売上高・利益など、定量的・数値的に測定し、企画職の場合は担当した企画業務の出来栄え・活用効果など(定性的で数値で捉えられない場合がある。)を測定します。一般事務職では仕事の的確性や処理スピードなどを観察して測定します。


「発揮能力」は仕事のプロセスで発揮した業務知識や専門知識・技術などの活用度・計画力・実行力・折衝力・調整力・リーダーシップ(管理・監督職)メンバーシップ(一般社員)などを考課項目とし、本人の行動事実を観察して測定します。


三つの考課要素は、入社初期・中堅・ベテラン社員・管理職等の階層によって重視する項目をウエイト付けするのが適切です。


 最近は"コンピテンシー(個々の企業において業績をあげている社員の行動特性)"に注目して測定・考課する傾向が強くなっています。


 「意欲」は仕事に取り組んだ際に本人が示した意欲・姿勢を、やはり行動事実を材料として測定・考課します。

増え続けるパワハラ相談件数

 平成24年1月に厚生労働省は「職場のいじめ、嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告書」を発表しました。

この事は企業の82%が重要な対策問題である(H17年中央労働災害防止協会調べ)としているものの労働局に寄せられたいじめや嫌がらせに関する相談が8年で6倍に増加している事が背景にあります。

期限切れ欠損金とは

 

 期限切れ欠損金は、法令上の用語でなく造語ですが、平成22年度税制改正で確実にその市民権を得ました。

 

この期限切れ欠損金は、清算事業年度の課税方式が「損益法」に改められたことにより、債務超過法人に青色欠損金を上回る債務免除益が生じ、担税力のない課税所得が発生してしまうことを回避する目的で、一定の条件下で清算事業年度において損金算入を認めるものです。

 

期限切れ欠損金の内容・範囲ですが、「過去の青色欠損金」、すなわち、所得から控除できる期限を経過(失効)してしまった欠損金(平成23年度税制改正で現行7年から9年に延長)ではないか、と思われがちですが、そうではありません。

 

社外流出・損金不算入である「交際費」や「寄附金」もこの期限切れ欠損金に含まれています。

 人事考課の公正性と納得性は、極めて大切であり、欠如すると会社に対する社員の

信頼が失われ、働く意欲を低下させることになってしまいます。

 

 つまり、人事考課の結果に基づいて社内等級や賃金が決定されますから、その考課プロセスが社員から見てブラックボックスの中にあり、何を根拠として、誰がどのように考課し、決定したのかが不明瞭な場合、到底社員の納得は得られません。

大法人の100%子会社と中小企業特例

 

平成22年税制改正で、中小企業に有利な特例は、大法人の100%子会社には不適用、とされました。次の特例項目です。

 

    800万円以下部分への19%税率適用

 

    19%税率の15%への時限的軽減

 

    欠損金繰戻還付不適用制度の中小企業不適用特例

 

    同族会社の留保金課税不適用

 

    貸倒引当金法定繰入率の中小企業特例

 

    交際費損金不算入制度の中小企業特例

評価ランクで判断しないこと

 

 信用調査報告書では、企業診断の評価を"評点"としてABCDEランクや15までの5段階評価などによって、総合評価が示されております。

中小企業経営者に限らず、大手経理部門の実務担当者から責任者までの殆どの人は このランクを"与信など"を考える上で、主要な判断要素としているのではないでしょうか。また、「特記事項」に記されているイレギュラーな情報には、ついつい関心を高めてしまうようです。

 管理者の役割は「従業員と仕事を管理する」ことにありますが、その際「人事考課」が大変重要な鍵を握っています。

 

 従業員と仕事の管理を、そのプロセスから見ると次のようになります。

 

1.  部下の能力と仕事の難易度を考え併せて仕事を割り当てる。

2.  仕事の目標を設定する。

3.  部下のモチベーションを高めたり、指導を行い、実践的な能力発揮・開発と目標達成へ誘導する。

4.  人事考課を行う。(業績と遂行過程の発揮能力・意欲などを考課し、会社の「人事賃金制度」に従って賃金・等級などの処遇を決定する。)

5.  人事考課の結果から、13を修正する。

 

すなわち、人事考課の内容・結果が部下の処遇や仕事の管理の方法に大きな影響を与えることになります。

7月からスタート!

改正入管法と外国人の在留管理

平成21年、外国人の出入国管理を定める法である「入管法」の改正版が公布され、今年7月9日からいよいよ施行されます。これにより、外国人の方の在留制度が一部変更されることとなります。

2つの共同事業要件

 

 法人税の条文に「共同で事業を営むための」という文言が2箇所で使われています。

 

1つは、組織再編において、適格合併等(分割、現物出資等)を充足するための要件として、もう1つは、適格組織再編を充足した上で、被合併法人の繰越欠損金の引継及び合併法人等(分割承継法人、被現物出資法人等)の欠損金の利用制限を解除する要件として使われています。

 

ただ、両者はまったく同意語でないことから、前者を「共同事業要件」、後者を「みなし共同事業要件」と呼んで区別しています。

原則は取得原価主義

 

 法人税法では取得原価主義が原則です。

 

取得原価主義とは、資産の帳簿価格を、その資産の取得時に支払った金額に基づいて計上するもので、決算期末の時価に基づいて計上する時価主義と対をなす考え方です。

 

取得原価主義のもとでは、評価損や評価益の計上はありません。

申告するのは税務署だけ?

 

決算月は会社の任意で決めることができますが、やはり圧倒的に多いのが3月決算。1年間の事業年度を終え、新年度を迎えるにあたり、今まさに決算申告の準備を進めているという企業も多いのではないでしょうか。

 

事業年度終了後に申告しなければならないのは、税務署への決算申告だけに限られません。税務署の他、どんな官公庁へ申告(申請、届出)をする必要があるのかおさらいします。

 人事考課の代表的な方法として「尺度法・目標管理法」などがありますが、最も一般的に活用されている「尺度法」について、その特長・活用の留意点について解説します。

二転三転の適用拡大案

 

 以前よりパートタイマーの社会保険適用については国からは何度も拡大案が浮上しては企業負担の面から批判が多く、実現には至りませんでした。

 

 政府の社会保障と税の一体改革で当初出した案では週20時間以上働くパート労働者370万人を適用する目標が、この適用で5400億円の企業負担が生じる事から反対の声が大きかった為、中小企業は当面見送る事とし、対象人数を減らしました。

 

最終案はまずは従業員501人以上の企業で働く45万人を対象として適用とするとしました。対象者は勤務時間が週20時間、年収94万円以上、雇用期間1年以上のパートタイマーです。20164月から適用し、3年以内に追加拡大の方向です。

 目標管理制度は1950年代に著名な経営学者・ドラッカー教授が提唱、日本に紹介され多くの企業が導入しました。

 

 実態から見ると目標管理制度は次のような目的で活用されています。

 

1.主に人事賃金制度上で等級や賃金を決定する人事評価の手段

 

2.本来の目的である経営計画の分担と達成の手段

 

3.社員の主体的経営参加を促す手段