D3_経営全般

マネジメント・コントロール (事例研究から学ぶ)

2017年4月 5日 09:42

マネジメント・コントロールとは

経営管理には、経営者が主体となって全社的観点から経営戦略を策定するステップと、様々な職能分野を担当する現場管理者が行う日常のオペレーション管理の2つのステップがあります。マネジメント・コントロールとは、この2つの橋渡しを行い全体としての組織活動に秩序を与えることです。


事例研究で具体例を学ぶ

参考資料:飛田努「事例研究 創業者の経験と勘の共有化を図る経営管理システムの構築―佐賀県金型メーカーの事例―」『メルコ管理会計研究』(第5号-Ⅰ 2012年)45-52頁。

①創業者の経験や勘を継承する仕組みとして、経営理念と社是を伝達する手段に社員全員に配布されるハンドブックを活用しました。社長の考える利益観や、長年の経営の中で培ってきた経験、書物等から得たフレーズを書き留めたものがまとめられていて、同社の基本的価値観を規定するような内容です。定期的な読み合わせで、基本的価値観の浸透だけでなく、社内制度に対する理解も深まり共有されるべき価値や仕組みを浸透させる手段となっていました。


②事業承継する副社長がモノづくりプラットフォーム(MZPF)というソフトを導入しました。システム開発や改善活動は社内の各部署とのコミュニケーシヨンに活用されました。受注と同時に営業担当者がオンライン上の所定のフォーマットに入力するようにし、同時に受注情報は社内各所のパソコンを通じてあらゆる部署の従業員が一覧することができるようにしました。これにより、製造現場では機械稼働率や在庫数量等をリアルタイムで確認できるようになりました。情報の蓄積が進んだことで、過去の受注情報を容易に取り出せるようになり、受注価格交渉において安易な値下げをせずに取引ができるようになりました。情報の「見える化」は従業員の利益志向、コスト削減努力の意識高揚に寄与しました。


本事例から得られる知見

本事例により、中小企業においても経営の中枢を担うシステムを構築することで、「経営者=創業者の長年の経験や勘を目に見える形で形式化することとともに、経営者の知識が共有されることで、形式化されたシステムが次代を担う経営者や従業員にとっての道標になりうる」という意義が示されています。