D3_経営全般

実例経営シリーズ 社長、自分から始めることです

2013年3月13日 09:41

従業員30名の合成樹脂切削加工を経営していますS社長は、京浜地区に一つ、過疎地にもう一つの工場を経営し、過疎地工場では10名を雇用して、町役場からも感謝されて地域に貢献しているとのことです。「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾の略)をやりたいので一度工場を見にきてください」とのことで中小企業診断士が、工場を見学することになりました。

毎日見慣れていると変だと思わない
 本社工場の3階の食堂兼休憩室に案内され、創業25年の苦労された話をお聞きした後、現場を見学しました。ドアを引いて、作業室に入りました。加工機械の裏側、作業室の片隅、棚の上や作業台の下などを見ました。そこには、空の紙箱、汚れたカタログ、掃除道具、測定具やブラシなどが乱雑に置かれています。部屋の入口、階段の隅、通路の脇などを見ると不要と思われるモノが至るところに置いてあります。
 なるほど、これだから5Sをやって工場の整理整頓を徹底させたいのだなと診断士は納得しました。しかし事務所にも入ってS社長の机を見ました。書類と書類が積み重なった隙間にパソコンが置いてあります。見上げると「第24期決算書類」と書いた段ボール箱が書庫の上に斜めにのっていて、他の書類も乱雑に置いてあり、地震でもくれば今にも落ちそうです。

 

従業員は社長をみている

 診断士の浮かぬ顔を見て「何か気になりましたか?」と社長はいわれます。「5Sを行う目的は、どのようにお考えですか?」と問いますと、「そんなこと、今さら!」という顔をされています。

5Sは手段であって、目的は会社の体質改善であることと、社長が"整理、整頓、清掃、清潔、躾が大事だ"と朝礼で何回言っても、従業員は社長の机の上や書庫の周りを見ると、"なんだ!社長は言っている事とやっている事が違う"とおもいますよ!5Sをやるなら社長が、見本を見せなければなりません。社長にできますか?と話しました。社長は、あらためて自分の机の上をみていました。