C3_給与関係

職能給制度の使い方

2011年12月22日 13:41

 日本では年功的賃金制度が伝統的に使われていましたが、高度成長期を通じて団塊世代の中高齢化と知識労働者の増加が相俟って、職務遂行能力の伸びに応じて地位や賃金が上がる「職能給制度」が主流となりました。

 

しかし、職能給制度は能力の評価が難しく、団塊世代のモラール維持のための処遇ニーズも加わって実質的には年功的賃金制度に傾斜してしまいました。

 

 バブル経済の崩壊を機にアメリカから、年功的制度から離脱するために職務責任や困難度に応じて賃金を決める職務給制度が持ち込まれました。

 

 しかし、日本とアメリカの企業経営に関する考え方の違いを背景として様々な問題が生じ、「役割・貢献給」へ移りつつある現状は『「役割・貢献給」とは』で説明した通りです。

職能給制度の効用

 それでは職能給制度はどうなるのでしょうか? 実は知識・技術・技能のレベルによって業績が決まる製造職・販売職・技能サービス職などは「職能給と習熟給を組み合わせた制度」が適しており、従業員のやる気を高める効果がありますので、現在もおおいに活用されていますし、これからも役に立ってゆくでしょう。

 

 つまり、職能給制度は知識労働者に適用すると年功的運用に陥りやすく、知識・技術・技能のレベルによって業績が決まりやすい製造職・販売職・技能サービス職などでは評価を適切に行えば効果があると言えましょう。

 

職能給制度活用の留意点

職能給制度は次の点に留意して活用すると効果的です。

 

1.殆どの企業では管理職や企画職・研究開発職・営業職などの職種のうちいくつかが存在しており、それらの職種では「役割・貢献給」が適しているので、「職能給」の適用対象従業員(職務遂行能力を再重視して評価し、賃金制度を適用する従業員)をきちんと区分しておく。(職群区分と言う。)

2.複雑な印象を与えないよう制度上は「役割・貢献給」か「職能給」か、単一の制度であることを制度名称上で明確にし、職群間の業績・能力の評価のウエイトで区分する。

3.職務遂行能力(職能)は保有能力でなく発揮能力で評価する。ただし公的資格が必要な職種ではその取得を条件とする。