年功賃金脱出

2013年9月12日 10:16

 企業の利益水準が10年位の経過で見ると顕著に下降する傾向を示している場合、その典型的原因のひとつに人権費の増加があります。

人件費の増加原因
 このような人件費の増加は、次のように"年功賃金"と"高齢化"が結びついて生じる場合が多いと言えます。

 

? 処遇制度の基軸として「職能資格制度」が使われ、「資格が上がれば賃金も上がる仕組み」になっている。

? 本来は職務遂行能力が上がれば等級が上がる「職能資格制度」が、運用の甘さで実際には年功的運用になっている。

? 高齢化が進み、高資格者が増え、したがって総額人件費が増えている。

 


視点を変えれば、"年功賃金"ではない、
"役割別賃金・成果主義賃金・職務別賃金"など、脱年功型の賃金制度が確立されていないからだとも言えます。
 日本経団連・東京経営者協会の2012年度の人事賃金制度実態調査によれば、図表に示す通り、人事処遇制度の基軸を年功的運用実態の可能性が高い「職務遂行能力」としている企業が、管理職で現在30%程度、非管理職で50%超、と全体に脱年功型移行の努力は不十分です。

人事処遇制度の基軸の変化

区分

企業数

企業数を100%とする企業の比率

仕事職務

職務遂行能力

役割

成果

年齢勤続

管理職

現在

412

15.5

32.0

24.0

26.2

2.2

今後

398

153

29.6

23.9

29.9

1.3

非管理職

現在

411

13.6

53.5

12.9

9.7

10.2

今後

397

13.6

53.4

13.1

13.9

6.0

年功賃金脱出のポイント
 年功賃金から脱出するポイントは、

 

? 管理職・非管理職に関わらず、役割・責任を明確にし、業績に応じて給与・賞与を支給する賃金体系とする。

? 成果・業績の評価基準を明確にして、公正性・納得性を重視して運用する。

 

ことにあり、通常"脱年功賃金"に移行するには10数年の期間が必要となりますのでなるべく早く着手するべきです。