平成28年度税制改正大綱  国際課税編

2016年1月18日 07:38
国際課税の改正の中心は、「BEPSプロジェクト」の勧告を踏まえた移転価格税制に係る文書化の拡充・整備かと思います。以下、主な項目を概観していきます。

●移転価格税制の文書化の整備等

多国籍企業の税源浸食と利益移転を防止する観点から、多国籍企業グループに対して、?国別報告事項(グループの国別での財務情報等)、?事業概況報告事項(グループ全体の事業概況等)、?独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(個別企業が算定した価格の資料等)の3種類の文書を共通様式に従って税務当局に提出(又は作成・保存)することを義務付ける改正です。

適用は、上記?、?は平成2841日以後に開始する親会社事業体の会計年度から、上記?は平成2941日以後に開始する事業年度の法人税からです。

なお、連結総収入金額1,000億円未満の多国籍企業グループについては、上記?、?の報告事項の提出義務は免除です。また、上記?の文書化の義務についても、一の国外関連者との取引金額が50億円未満であり、かつ、無形資産取引金額が3億円未満である場合、同時文書化義務(申告書の提出期限まで作成・保存義務)は免除です。

国際課税原則の帰属主義への変更円滑化

 この改正は、帰属主義への変更を円滑に実施するためのもので、?外国税額控除の控除限度額に係る国外源泉所得について、国外事業所等帰属所得がマイナスとなる場合には、そのマイナスの金額である旨及び国外所得金がマイナスである場合はゼロである旨を明確化し、?適格合併等により外国法人がPE形態で再進出する場合の繰越欠損金の取扱いに関して、当該適格合併等により引き継いだ金額に限られることを明確にしました。

外国子会社合算税制の見直し

 日本企業の海外展開をより一層円滑化していくため、幾つかの見直しをしました。

その中の1つは、外国税額控除に関するもので、特定外国子会社が子会社(持株割合25%以上の要件を満たす法人)から受ける配当等のうち外国法人税の課税標準に含まれないものは、所定の合算割合の計算に係る特定外国子会社の所得から除外する、とするものです。

適用は、特定外国子会社等の平成2841日以後に開始する事業年度からです。