実例経営シリーズ なんのために、働くのか

2013年4月30日 00:21

経営理念がないと・・・

K社長さんが、従業員35名の後輩同業者のT社長さんと新年会でお会いしたところ
「ちょっと、ご相談が・・・」と声を掛けられた時のお話です。

「おかげさまで、順調に業績は伸ばしてきましたが・・・、ちょっと」
「どうしました」
「イヤ、ほんとうに参りました」

沈んだ顔で話すには、二人の幹部が相次いで辞めたい、と言い出したとのことです。T社は、リーマン・ショック後に業績が急速に悪化し、2期連続して赤字決算となりましたが、社長が営業から制作までの改革に乗り出して、業績の回復ができたとのことです。その時、この二人の幹部が社長の方向に沿って、従業員を引っ張ったことが力となって、会社が持ち直したようです。改革に伴う色々な痛みへの従業員からの反発には、この二人が丁寧に話を聞いて解決していました。

「なぜ辞めたいのか、分かりません」
「社内の地位は、どうしました?」
「部長職に上げました」
「処遇は、どうですか?」
「年収は、大幅に引上げました」
「権限は、どうしましたか?」
「担当分野の権限は、委譲しています」

そこですこし考えてから、「貴社には経営理念はありますか?」と尋ねると、
「エッ、経営理念、なんですか、それは?」

将来どうなるのか、不安!

T社長は、あらためて今まで利益を上げることを第一に突っ走ってきたことを振り返りました。会社は利益がなければ存続しません。しかし、連続赤字などの緊急事態が収まると、幹部や従業員は利益だけを目指して働くことに「なんか、足りないな!」という疑問が頭の中から持ち上がり、「このままで、自分の将来はどうなるのか?」に関心を持つようになります。
「なんのために、働いているか」という経営目的、「自社の固有の役割はなにか」という会社の存在価値を明確にすることは、会社にとっても従業員にとっても必要なものなのです。