医療法人の特殊性 社員と出資

2013年6月14日 10:28
社員と言えば、一般的に社団法人等の構成員をさします。株式会社では社員=株主、持分会社でも社員=出資者、また、中小企業等協同組合であれば組合員=出資者です。                  
しかし、持分の定めのある医療法人にあっては、必ずしも社員=出資者ではありません。

社員(出資)の権利

 社員たる地位は、いわゆる社員権は社団の特殊性によりその権利に差異があります。社員権には、一般的に、共益権と自益権があると言われ、前者は議決権であり、後者は配当請求権、残余財産分配請求権、持分の払戻し請求権等です。この社員権、一定の制約はあるもののそれ自体譲渡等の対象となって、投下資金の回収や所得等をももたらします。それ故、その地位は相続税・贈与税の課税の対象になります。

医療法人の出資の特殊性

 持分の定めのある医療法人の出資者としての社員権は特殊です。医療法人の社員権、共益権は一身専属でその譲渡はできず、譲渡できるのは、自益権(出資持ち分)だけです。もちろん、その譲渡はまったく自由で、非公開株式会社や持分会社、協同組合等のような制限はありません。

出資者たる社員の自益権(財産権)

 また、医療法人は剰余金の配当が禁止されていることから、持分の定めのある医療法人の社員である者の出資の財産権は、持分の払戻し請求権と残余財産分配請求権だけです。この持分の払戻し請求権は、社員資格を喪失(退社・死亡)したときに請求することができます。
また、社員の死亡の場合は、その相続人は「出資持ち分」を相続することに代えて「払戻し請求権」を相続することもできます。この払戻し請求権、時効は10年です。
出資者たる非社員の自益権(財産権)
一方、非社員の出資者には、持分の払戻し請求権はなく、残余財産分配請求権のみです。したがって、その相続人は、その出資持ち分たる残余財産分配請求権のみを相続するだけです。医療法人が解散しない限り、その価値は実現しません。まさに、社員か非社員かでその取扱い雲泥の差です。
にもかかわらず、社員と非社員のその出資持ち分の相続税・贈与税の評価額は同じです。
 非社員の相続人は、その財産権を復活させるためには、社員となるか、それとも出資持ち分を当該医療法