理由附記の程度

2014年6月 3日 07:48

平成25年からの処分通知書

 平成251月から施行されている改正税法により、全ての更正処分等に理由附記が必要になりました。従来は青色申告に係るものへの更正処分・青色取消処分の時のみ義務付けられていたものです。

 理由附記を欠く処分は無効で、理由附記が不十分な処分は取消対象となります。理由附記不十分とされると、更正された各事項の是非の検討に入ることなく、更正処分はなかったことになります。

 特に、相続税や贈与税の更正決定等の処分では理由附記の必要性の有無を検討する風土が課税庁に無かったので、処分の通知書の理由欄が不備になる可能性大です。しっかりチェックするべきです。

理由附記の趣旨目的を押さえる

法の適用について課税庁と納税者との間で見解が対立する場合等においては、法の適用判断の過程が省略されること無く記載されることを要し、また、調査の過程でのやりとりにより処分の理由についてはお互いに了知・推知し得るところだったとしても、それが文面において明らかにされていなければなりません。

 理由附記が要請されるのは、処分庁の判断の慎重、合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、更正の理由を相手方に知らせて不服申立ての便宜を与えるのが趣旨目的だからです。

 

要求される理由附記の程度を押さえる

 納税義務の成立という法律効果を生ずる法律要件の明示と、課税関係にかかわる事実の摘示と、その事実が課税要件とどのように係わることになるのかの判断と認定を示すこと、これが理由附記の骨子です。

 また、理由附記が義務化されていなかった期間の従来型更正通知書等の表組みでの記載内容で判断できる程度のものを文章化するだけでは法改正の趣旨に悖ります。表組み記載の数字となる判断と認定の過程が文章上で逐一容易に検証できるようになっていなければなりません。

 

処分庁の甚だしい思い違い

 最高裁の判例の我田引水的理解で、附記理由では結論のみを示せば足りる、と係争中の処分庁が主張しているのをよく見かけます。課税処分の大量反復性から処分庁の負担は軽減されるべきで、法適用の解釈や判断認定の逐一明文化することまでは要求されていない、というのも本音の主張です。でも、それが通用する時代は終っています。